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JT、天洋食品での委託生産打ち切り ギョーザ事件で

2008年03月04日20時45分

 日本たばこ産業(JT)は4日、中国製ギョーザの中毒事件を受け、冷凍食品事業での安全管理体制の強化策を発表した。問題の冷凍ギョーザを製造した天洋食品での委託生産は当面、打ち切る。中国での生産は子会社の加ト吉を含む自社グループ工場6社にできるだけ集約する。

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会見で記者の質問に聴き入るJTの木村宏社長=4日午後、東京・丸の内で

 JTの冷食事業の年間の売上高は子会社の加ト吉を合わせて約2500億円で国内最大。事件を受けて、2月の売上高は前年同月比で約6割減だった。原材料や労働力の調達が便利で、物流網の充実した中国での生産抜きには、事業は成り立たない。このため、安全管理を徹底して中国での生産は続ける。

 具体的には、工場の監査範囲を製造工程だけでなく、原材料処理や包装資材工場、倉庫物流管理にまで広げ、抜き打ち検査も行う。食品安全にかかわる国際規格の導入を進め、委託工場の条件とする。食品衛生や危機管理の専門家を顧問として招き、施策の有効性も検証する。

 輸入品について、製造日ごと、種類ごとに海外・国内でダブルチェックする。検査項目には農薬、抗生物質、重金属なども加える。原料でも、農場そのものの土壌・水質検査を含めて残留農薬の検査を行う。また、今年5月から7月にかけて国内と中国に検査センターを設ける。

 今回の中毒事件で、クレーム処理で後手に回ったとの反省から、「食の安全管理担当」部長を配置。品質管理と顧客相談を統括し、迅速な対応につなげる。自社のホームページを活用し、原材料や原料原産地など詳細情報も開示する。

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