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吉越浩一郎氏に聞く〜労働管理の不在を残業が隠蔽している

仕事を自律的に終わらせる仕事術

吉越 ただ、残業をなくすには、社員個人の問題もあると思います。冒頭にお話した、会社に隷属するような働き方を改める必要があります。その日の仕事のデッドラインを設けて、上手に仕事の段取りをつけて、自律的に終わらせる。終われば、周りや上司など気にせず、さっさと帰る。

そうして仕事の仕方を論理的に考え、自分なりに効率的に終えられるようになれば、退社後のプライベイトも、同じやり方で、充実して過ごせるよう工夫するようになる。ワ―ク・ライフ・バランスのとれた生活に、自然とつながっていくはずです。

── 最後に、ノー残業デイを望めない会社で働いているビジネスパーソンにも、効率的な仕事術について、アドバイスをいただけませんか。

吉越 先に挙げた、デッドラインの活用は、個人レベルでもできると思います。

トリンプでは、どうしても残業したくない日には、「残業できません」という小さな旗を机に掲げて知らせる人がいました。そうすると、意外と周りが協力してくれるようです。

あとは、仕事をゲーム感覚でとらえることかな。どうせお金を稼ぐために働かなければいけないのなら、仕事に隷属するのではなくて、仕事をゲーム感覚でとらえて楽しむ。そんな発想を持つことも大切だと思います。

荒川 龍(あらかわ・りゅう)

1963年、大阪府生まれ。国立大学在学中に韓国・延世大学韓国語学堂に1年間語学留学。

大学卒業後、週刊誌記者をへてフリーに。人物ルポを中心に、経済・社会問題を中心に取材している。著書に『「引きこもり」から「社会」へ』(学陽書房)、『レンタルお姉さん』(東洋経済新報社。2007年1月に放映された、水野美紀主演のNHK土曜ドラマ『スロースタート』の原案となる)。

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