自己満足だけで継続はできない
というと、反論もあるでしょう。「それは小山の自己満足に過ぎない」「そんなことで社員は本当に喜んでいるものか」と。わたしは折りに触れて(年に何度も)手を変え品を変えて気持ちを形にすることを実行しています。社長に就任してから今日までずっと、です。何年にもわたって具体的な形を作っていくことは、自己満足「だけ」では決してできない。
また「形」を大量に積み重ねていくことで、質的な変換が起こります。事実、この集いが終了した当日から翌日にかけて、わたしのボイスメールには社員からの声が大量に寄せられました。いずれも「楽しかった」「武蔵野で働くことができてよかった」と、感謝の意を伝えるものでした。動機は自己満足であれ、とにかく具体的な形にすること、それを継続することが大切なのには変わりがありません。
今回の集いでは、永年勤続者の表彰も行ないました。勤続30年になる清岡照比古(常務取締役)です。以前の当コラム『ミスを大成功に変える力』で、勤続40年のベテラン女性社員を表彰する話をしました。実はこのときも清岡は一緒に表彰されていたのですが、10年、20年勤続社員と同列の扱いだったのです。30年勤続に相応しい表彰とはちょっと言い難いものがありました。
そこで今回は事前から入念な準備をしました。清岡の30年にわたる武蔵野での働きを紹介するスライドをこっそり作成して、会場で流した。スライドの最初のページは、清岡のご両親でした。実は彼の父君は、「アカシヤの大連」で第62回芥川賞を受賞した作家の清岡卓行氏。ご母堂もまた高名な仏文学者です。ところが清岡本人は立派なご両親に反発してグレてしまい、学業をドロップアウト。仕方なく武蔵野に入社しました‥‥。びっくりする写真に会場は大爆笑です。
(清岡の入社時のことはメールマガジン「社長と幹部と社員の勘違い」から目を覚ませ!!、今週号から掲載します)。
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