模型の世界には間違った事、根拠の無い事、が正確な検証をされずに堂々と最高のような事として定説化している事があります。
以下はあくまで私見です、実証済みのものもあれば実験に値しないものもあります。

Nテク(不)完全マニュアル

当HPにある(間違いだらけシリーズ)は実はNテク(不)完全マニュアルを意識して書いていた事なのです。
この本は今までのどの工作特集の本の中で最低の内容、間違いだらけで呆れ返ってトイレの中で読むにも値しない。
マスキングの楽をするためにセオリーを無視した塗装手順。
おおよそ基本工作など知らない工作経験の少ないマニヤの我流の工作のオンパレード。
新しい、自分独自の技法なんてまるでない誰かの間違った引き写し。
アホの一つ覚えの、なんでも、どこでも、瞬間接着剤、テクニックといえばサラサラとゼリーの使い分け。
一般的な普通の初心者には絶対目に触れさせてはいけない悪本といえます。
最低限の金属工作、ハンダ付けすら出来ないマニヤの駄作をまとめてなにが完全マニュアルなんだ。

どうしてこれほど言うのかというと、お客さんの中にNテク(不)完全マニュアルに刷り込まれて失敗した話がよく出るから。
Nテク(不)完全マニュアルで知識を刷り込まれて工作、塗装を失敗し工作嫌いになった者が多いだろう。
最近の世代には昔のように色々自分で試して失敗を重ねて技術を自分の物にしていくなんていう事は考えられない。
今の子は自分で判らなければなんでもすぐ聞く、ハウツー本に頼る、失敗を極端に恐れる。
巧く出来ないのは考えないから、自分の今の技術レベルを自分自身で分かっていないから。
自分のレベルが分かっていれば少しずつステップアップしてゆく事が出来るはずだと思います。

ハンダ付けなんていうのは自転車に乗るようなモンです。
少しの道具とやる気があれば誰だってすぐコツを掴んで出来るようになる。
頑なにハンダ付けを拒絶するような者に完全マニュアルなんて言ってほしくはない。

本当に批判され非難されるべきはこういう本ではないのでしょうか?


ハンダ付け出来るのがそんなに偉いのか?とよくほざいているのが居る。
模型工作の世界では自分の物にしている技術、テクニックが一つでも多く持っている方が一つ偉いのです。

模型とおもちゃ

若い世代ではネコの影響だろうか模型とおもちゃの区別がついていないようだ。
プラレールはおもちゃというのは理解出来てはいるようだがBトレはNゲージと思っている。
BトレがNゲージのレールの上を走らせる事が出来るからといってもBトレはNゲージではない。
鉄道模型のルールにのっとってスケールを守っているのが鉄道模型でしょう。
ゲージ、スケールの理屈、ルールが守られていないものはおもちゃでしょう。

トイメーカーは鉄道模型のルールなんて知りもしないし守る気もない。

16番とNのハンダ付けの違い

16番をやっている人はハンダをドバッと流すと言っても良いぐらい多く使います。
16番の蒸気キットなど部品の合いが悪いので隙間をハンダで埋めなければならず癖のようになっているようです。
16番の巧い人の組んだ物は合いを良く修正して少量のハンダで表面に出ないように仕上げているでしょう。
N、弊社のように合いが良くディテールが繊細なキットに大量のハンダを流し余分をキサゲるというバカげた愚を犯してはいけません。
キサゲるのが何より好きという変態マニヤならしょうがないが、余計なキサゲなどしないに越した事はない。
Nは強度、部位を考えて適量のハンダ量で付けましょう。

16番のアングルなど

弊社でもキハ90、キハ66などを1/80、1/87で作りました。
必ず言われるのが車体取り付けアングルは付いているのか?何を付ければいいのか?と聞かれる。
従来のキットは車体の板厚0.4t〜0.5tの一枚、ドアー、窓だけ張り重ね、当然ながらアングルがないと強度不足になる。
弊社のキットは0.4tのエッチングで側板全体に渡って裏打ちしているので0.2t+0.4t、合計0.6tでハンダの層がありベニヤのようなもので強度は十分あるはずです。
取り付けにくい構造のアングル、16番の人は疑問に思わないのだろうか?
雨トイ、シル、ヘッダーの線材、帯材での表現、これも同じ。

キハ66、67が自作に近い苦労が有った?自作という意味が分かっているのだろうか?
雨トイはエッチングの浮き出しで線材をハンダ付けしなくてよいし、窓枠は裏からはめ込みで位置合わせなど気にせずに済む設計。
配管は実物がそうなっているんだから線材を取り付けるしかないでしょう、嫌なら配管はエッチング製のジグ用の物を使えば?
こういうマイナーな車両を依頼するときはなんとか作ってくれませんかと言われるのですが後で自作に近い苦労が有ったと言われるとなんだったんだと言いたくなる。十分に説明して、ここまで作る、この部分はお客さんで用意するようにと説明しているのに。

フィール=難しい?

雑誌の紹介記事に必ずといっていいほど書かれました。
http://www6.big.or.jp/~g13olgo/RMODEL/kit/kitmenu.htm
難易度を星で表しているようです、弊社製は全て星3ツをいただいております。
宮沢発売のトキ1000(星2)、銀河製クモヤ440(星1)などは弊社設計製造のOEMです。
弊社名が明記されていれば難しい?単純な思い込みではないでしょうか?
銀河製クモヤ440は超簡単だったハズです、実車がのっぺりの単純な切妻の四角いボディーですから。
http://okikore.hp.infoseek.co.jp/feelkit.html
55系は別に改良した訳ではありません、10系はコーナーに縦トユがあるため、組み立て後に削ると縦トユに傷を付けるので先にコーナーのRを表現するという方法を採っています。
55系には10系のような縦トユがないので簡単になっているだけでが。
部品数が多い=難しいのではありません。
部品数が多い=ディテールを出来るだけ省略したくないので部品数が多くなります。
他社が敬遠するような複雑な形状の実車をモデル化している場合が多いので構造は複雑にはなります。
キハ44000はロスト製前面を使っているので部品数が少ないので簡単、ロストの寸法誤差を吸収し接合面の段差が出ないような構造に設計しているのです。
側板裏打ちを分割しているのはハンダ付けの時に起きる熱膨張でズレが出ないように考慮しているのです。
手すりを入れていないのは部品数を少なくして価格を抑えるためです。
エッチング製の手すりでは強度が不足します、ED30、一部の機関車ではエッチング製の手すりをいれていますが形状が線を曲げて作るのが困難、手の触れにくいボンネット部分に使用する場合など考えて入れています。
簡単に見えるキット=ディテールを省略したメーカーの妥協の産物ではないでしょうか?
単にその形式らしき物が完成品で手に入れば良いのであれば中国製のToyでいいでしょう。
完成度の高い完成品を安価に容易に入手したければKATO製を買うでしょう。
ハンダ付けはできないが少し組み立ても楽しみたいのであればグリーンマックス。
ハンダ付けは出来るし組み立て工作を楽しみたい、それで一般的でないマイナーな車両が好きな人に向けてキットを販売している訳です。
雑誌の紹介記事は実際に組み立てて見て評価を書いている訳ではありません、部品が多い=難しいと単純に言えるものではないと思います。
模型店の販売員が難しいと言っていた?その販売員はフィールのキットを組み立てた上での言葉だったのでしょうか?
屋根カーブが妻板と合わない、ロスト製前面と車体が合わない、継ぎ目を目立たなく修正出来ない分割構造の方がよほど難しいキットだと思いますがどうでしょう。
安くて正確で高品質でどこでも買えて自分の欲しいマイナーな車両を供給して欲しい?
そんな無理なワガママを実現してくれるようなメーカーなどありはしません。

フライホィールについて

KATOのEF81に採用されて以来迷信のように(フライホイール=走行性が良い)と言われているKATOEF81は電源OFFにしてもすぐに止まらないほどの惰行性能を見せた。
フライホイール装着車としてはKATOのEF81は最高の性能、効果を見せてくれたがその他のフライホイール装着車はどうなのか?KATOのEF81ほどの評価を得られた物があったのか?

フライホイールの効果は回転数、直径、外周質量の大きい物ほど効果は大きい。
欠点としては大きいフライホイールを装着した場合当然の事ながらモーターに負荷がかかり一定速度に達するまでに時間がかかる(電圧変化に対してレスポンスが悪くなる)。
ダイナミックバランスがとれていないと回転数を上げると振動(バイブレーション)が起きる、振動が起きれば当前のごとく車輪とレールとの接触が悪くなる。
モーター自体にもわずかなバイブレーションがあります、フライホイールのダイナミックバランスと打ち消し合ってくれれば良いのですがマグレ当たりのような事を期待してもしょうがありません。
フライホイールは旋盤があれば簡単に作る事が出来ます、旋盤加工の入門編に良く取り入れられています。
作られたフライホイールの固定にボスを付け、イモネジでモーターシャフトに固定するなんていう愚を犯してはいけません、フライホイールのダイナミックバランスが確実に狂ってしまい振動の元になります。
フライホイールに1.5mmの軸穴を開けようと思うならば旋盤の精度にもよりますが1.45?1.48mmぐらいのドリルでないとジャスト1.5mmが開けられません。
1.5mmぐらいのドリル歯でも直っすぐな深い穴を開けるのは難しい、深く開けるほどドリル歯がしなって穴が曲がって行く場合があります。
簡単に言うと高精度のフライホイールを作るのは大変難しいと言う事です。

昔、KATOのEH10に自作のフライホイールを取り付けてテストしました。
片側の空のモータースペースいっぱいにフライホイールを装着しましたが惰行性能はKATOのEF81の1/4程度だったと思います。
KATOのEF81の惰行性能が良いのは車軸の保持がピボット軸受けである事が大きいと思います。
旧EH10は車軸内側台枠保持の為、車軸軸受けの抵抗が大きかったのでしょう。
このような事から全体のバランスが良く考慮されていない場合は急逆転による樹脂製ギャーの欠損を防止するという程度の効果しか望めないのではないでしょうか?
なんでもフライホイールを付ければ良いってモンではありません、駆動系全体に抵抗の無い設計、精度の高い組み立てが絶対条件になるのです。
KATO製NのD51に取り付けるフライホイールなんていうのがありましたが加工精度の高い人が取り付けた所でまったく効果は期待出来ません。
フライホイール装備車、非装備車、フライホイール効果の高い車両、低い車両、バラバラな走行特性になってしまいます、コントローラーの設定をその都度変えているのでしょうか?

弊社のZゲージ動力にもベルト減速のため小さいホイールを使っています、これも言おうとすればフライホイールと言えなくもないのですが。

昔、ヤンマーディーゼルの写真を撮っていたのでフライホイールを回してエンジンをかけた事があるのだが始動時クランクハンドルを抜くのをミスるとエンジンが暴れて大騒ぎ、余りフライホイールには良い思い出がない。

レールクリーナー

レールクリーナーに関しては一切のテストを行っていません、効果はあるかもしれませんがマイナス面の方が大きいように思うのです。
レールクリーナーを使うと確かに一時的に集電性は改善されるのでしょうが麻薬のような副作用、常習性が出るようです。
レールクリーナーを使うとレールは奇麗になるでのしょうが車輪側にスリップ防止ゴムベルトのような汚れが付着しているのが見受けられます。
本当にレールが汚れているから集電が悪く走らないのでしょうか?軸受け部分、集電板の接点の酸化など他に問題は無いのでしょうか?
こういう問題があればレールクリーナーを使っても効果はないでしょう、集電不良があればレールと車輪の間でスパークが起きカーボンが付着し余計に集電不良を引き起こします。
レールクリーナーを使うとレールは奇麗になるかも知れませんが車輪が汚れます。
レールクリーナーを使う前に車両側の各接点を点検しましょう。
レールは目の細かいサンドペーパーで磨けば簡単に奇麗になりますが汚れた車輪を奇麗に磨くのには動力台車を分解し車輪を取り出す必要があります。
根本的な解決をせずにレールクリーナーという薬物に依存していませんか?
車両側に問題なければレールクリーナーを使わないで済むでしょう。

オイル

車両が不調だといってなんでもオイルをスプレーする、どういう効果のあるどんな性質、成分のオイルなのか?
シリコン系のスプレーオイルは使いやすくて浸透性が良いのですがどこにでも広がって行きます、ギャー部にはマシン油、エンジンオイルなどが良いのでしょうが使いやすさと入手の容易さでタミヤのセラミックグリスを少量必要な部分に使用しています。
一度付着したシリコンオイルを完全に取り去るのは非常に困難です。
後で車体を改造再塗装の時シリコンオイルがあると塗料を弾いて巧く塗装が出来ません、シリコンが付着した表面にはわずかにシリコンを混入した塗料で塗装するというプロの技もあります。
闇雲にシリコン系のスプレーオイルを使っているとギヤーから車輪へ、そしてレールに、またレールから別の車両の車輪へウイルスのように広がって行きます、オイルは最小限に。

コアレスモーター

コアレスモーターはトランジスタ式のパワーパックでないと速度調整が出来ないのはモーターについてのところで書いています。
特にHOに多いのですが特別にコアレスモーターに拘る必要があるのでしょうか?
東京、大阪ではジャンク屋、電子部品屋などで容易に安価な多種多様なモーターが手に入ります。
昔と今ではモーターの性能が大変良くなっています、ギヤー比だけが昔のままで良いのでしょうか?
現代のモーターの特性に合ったギヤー比を本当に選んでいるのでしょうか?
単純にMPギヤー+キャノンコアレスなんてやっていませんか?
車重が大きくギヤー部の精度不良が原因で抵抗が大きいためトルクの大きい高価なコアレスモーターを使っているのではないでしょうか?

片台車駆動

片台車駆動の車両が一般化したのはハセガワの路面がきっかけでしょう。
昔、NでDD50を自作した時は片台車駆動でしたがウエイトバランスが難しく牽引力にも問題がありました。
動力台車上にウエイトを掛ければ良いのですが車体全長が短い場合は効果が少ない。
逆にNの20m級の車体長の長い物は片台車でもいけるでしょう。
実物のキハ10系は片台車の1軸駆動です、これを昔テストしたかったのですが小さいクラウンギヤーが入手出来なかったので実験できませんでした、たぶんHOでやっても巧く行かなかったでしょう、HOの大きさであれば片台車駆動でも問題はあまり大きくないのですがスケールが小さく、全長が短くなれば巧く行きません。
メーカーはコストダウンが命題で片台車駆動を行っていますので走行性に重点を置くのならば小型車になればなるほど全軸駆動が望ましいのです。
Zゲージで片台車駆動?あり得ないでしょう、スケールが小さくなればなるほど従来スケールで問題にならない事でも大きな問題になります、ですから動力車1台がなんとか平坦線で動くのが精一杯でしょう。

DCC

DCCは持っていないしあまり必要を感じてはいません。
KATOでDCCのデモを見た事があるがキハ58がアイドリング音をさせタイフォンを鳴らして加速、エンジン音も変化、たしかブレーキ音をさせて停止、と音源は日本と違うもののあまり気にはならなかった。
たかだか2mを往復させるデモだったが大変面白いものでした。
10年ぐらい前にとれいんの編集部の人がDCCはすごい直ぐ普及しますよ、と言っていたのだがそれはあり得ないと断言しました。
KATOが取り扱うようになってその当時よりは幾分かは一般的にはなったものの普及したといえるレベルではまだないでしょう。
鉄道模型の世界では画期的高機能=普及するというものではありません。
直流、12V、+ - の世界で全体的にはエレクトロニクスなんかとは無縁の世界でしたから。
電気配線と無縁のNゲージでは導通、絶縁の意味を理解出来ない者がいても不思議でもありません。
鉄道模型の世界は保守的というかひな鳥の刷り込みのようなモノがあり新しいものに拒絶反応をするような所があります。
最近のPCのように6万円でWinが買える時代、効果は絶大だが価格も一因でしょう。
Nで普及するためには車載デコーダーを今の半額程度にする必要があり、小型でも低音の出るスピーカーが必要でしょう。

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