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「天洋食品との取引再開ありえない」 ギョーザ中毒事件でJT
「原因が究明されていない中、取引再開はありない」。中国製ギョーザ中毒事件にからみ、輸入元の親会社「日本たばこ産業」(JT)の木村宏社長らは4日の記者会見で、製造元の天洋食品(中国河北省)との取引再開を強く否定した。半面、「中国からの輸入量は多く、冷凍食品は中国抜きにはできない」と述べ、「食の不安」が日本の食卓に消えないながらも中国の工場を利用せざるをえない“ジレンマ”をにじませた。
ギョーザ事件で木村社長が会見に臨むのは2月6日以来、2回目。社長らは会見で、事件発覚後の取り組みや今後の安全管理体制の強化などについて説明した。
「いまなお多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心からおわび申し上げます」。木村社長は冒頭、改めて被害者や消費者らに陳謝した後、約10秒間、腰を直角に折り曲げて頭を下げ続けた。
JTは昨年4月以降、「異臭がする」などの苦情が11件寄せられながら農薬検査など適切な対応をしなかったことが明らかになっている。これを踏まえ、木村社長は「もっとも反省している点はリスクの想定範囲が狭かったこと」と険しい表情を浮かべ、消費者らからの情報を多面的に把握する態勢作りを進めることを強調。経営責任については「経営者として果たすべきことは、安全強化などに全力を挙げること」と、引き続き陣頭指揮をとるとした。