伊那中央病院(伊那市)の藪田清和事務部長は4日、伊那市で開いた上伊那地域医療問題懇談会で、救急部の常勤医1人が引き揚げられ、4月から1減の3人になると明らかにした。当面、救急部は24時間受け入れを続ける方針としているが、「常勤医3人の運営では、365日24時間の受け入れ体制維持は不可能。休みの日をつくらざるを得ない」としている。
藪田事務部長によると、県が同病院に派遣していた自治医大卒の医師を1人引き揚げる。同病院救急部の2006年度の患者総数は約1万7400人。救命救急センターに指定されている昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が昨年11月、整形外科の手術を休止したため交通事故のけが人などが伊那中央に集中し、負担は今後さらに増える見通しとしている。
また、昭和伊南の千葉茂俊院長は、小児科常勤医1人が開業するのに伴い、4月から1減の1人となる見通しとした。
委員から「上伊那郡内の全病院が連携して、対応していくべきだ」との意見が出た。懇談会長の小坂樫男伊那市長は「このままでは3病院が共倒れになる。県に優先的に対応してもらえるよう訴えたい」と述べた。