東京都東村山市の保育園の園長が、「保育環境が悪い」という内容の市議会の付帯決議で名誉を傷つけられたとして、市に500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、300万円の支払いを命じた。
定塚誠裁判長は「ほかの保育園と比べ劣った環境ではなく、決議は真実ではない。決議が載った広報紙が全戸に配布され、原告の社会的評価は低下した」と指摘した。
その上で「原告に対する批判的対応は、通常考えがたいほど執拗。決議は、公正な議論の場である議会としては考えられない何らかの強い感情的確執、嫌悪感に基づいて行われたことさえうかがえる」と市議会の姿勢を批判した。
判決によると、保育園は2004年9月に都が設置を認可。市議会は06年3月、予算の付帯決議で「市は保育園に設備の改善などを強く指導し、改善がない場合は、都に認可の再考を働き掛けること」「園長に対し、地域の関係ネットワークに参画し、連携を深めるよう指導すること」などと決議した。