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会社員ら「お試しコーナー」人気 マナー対策に知恵

3月4日(火)

休日の長野市内の家電量販店。マッサージや運動器具の販売コーナーは、「お試し」の利用者でにぎわう

 県内の量販店でマッサージいすや運動器具を置く「お試しコーナー」が、平日はお疲れ気味のサラリーマン、週末は家族連れらに人気を集めている。店側は機能を体感してもらって販売に結び付けるために置いているが、週末になると長時間利用する人も少なくなかったり、マナーの悪い人たちもいて、対策に知恵を絞っている。

 長野市若里にある家電量販店の売り場には、マッサージいすや乗馬の動きで運動効果を引き出す器具、足もみ機、肩たたき機など約10種、30台以上が並ぶ。2日の日曜日には、親子連れ、カップルなどが使い心地を確かめた。いすに座って寝てしまう人もいた。

 毎週のように来るという市内の男性会社員は「ただで心と体を癒やせる」。店長の相沢利典さんも「9割くらいは休憩目的のようです」と笑う。休日はすべてのマッサージいすが埋まることも珍しくなく、平日夜はサラリーマンが利用する姿が目立つという。

 こうした器具は、気軽に体験してほしいと、多くの店で自由に使える。松本市高宮東の家電量販店によると、3年ほど前から乗馬の動きを模した運動器具が人気。中嶋陽店長(28)は「自分にあった品をじっくり選んでほしい」。飯田市育良町の家電量販店の伊藤智洋店長代理(30)も「運動効果が手軽に得られると人気。買う人以上に体験する人は多いですが…」。

 長野市内の店で運動器具やいすを試した上田市上田原の会社員安田智彦さん(29)は「話題の新機種を体験できておもしろいね。彼女と一緒にデートコースとして来ることもあります」。

 店側の悩みは、利用者のマナーだ。マッサージいすで1、2時間眠ったり、中学生や高校生がグループで来て占領してしまったり…。子どもを遊ばせて別の売り場に行ってしまう親もいるという。

 対策として、各店は、1台の体験時間を制限したり、子どもだけの利用を「ご遠慮ください」と求めたりする張り紙を掲示している。店員が体験コーナーに立ち、機能を説明しながら、器具を独り占めにしている客に声を掛ける店、希望を申し出た客にだけ体験してもらい、通常は器具を動かしていない店もある。