政府は4日の閣議で決定した答弁書で、中国の上海日本人学校浦東校が日本から輸入した尖閣諸島が日本の領土であることを記した書籍が、上海税関に差し止められた問題について、中国外務省と上海市に抗議したことを明らかにした。鈴木宗男衆院議員の質問主意書に答えた。
答弁書などによると、同校は892冊の書籍を日本から輸入したが、そのうち地理関係の8冊が差し止めになった。
政府は中国側に差し止めの理由と適用法令を照会した。これまで外交ルートを通じて公式な説明はないが、中国側は報道発表資料で「(8冊の書籍は)中国の領土である釣魚島を『尖閣』と記し、日本の領土に入れていた」と理由を指摘している。これを受け、政府は2月末、北京の日本大使館を通じて「尖閣諸島はわが国固有の領土であり、領有権の問題は存在しない」として抗議した。【鵜塚健】
毎日新聞 2008年3月4日 19時04分