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新生活特集 新サラリーマンいろは事典 応援メッセージ

新サラリーマンいろは事典

  • い 意気揚々(いきようよう)
  • ろ ロマンス(ろまんす)
  • は 初月給(はつげっきゅう)
  • に にこやか(にこやか)
  • ほ 本(ほん)
  • へ 返事(へんじ)
  • と 頭角(とうかく)

い 意気揚々(いきようよう) 新社会人に送る応援メッセージ

迷って、悩んで、考えた20代 劇画家 さいとうたかをさん

1936年11月3日生まれ。劇画家。株式会社さいとう・プロダクション専務。1955年、処女作『空気男爵』でデビュー。1968年から連載がスタートした『ゴルゴ13』(既刊147巻)でその人気を確たるものとし、“劇画”というジャンルを確立した。『ゴルゴ13』は、その時代の国際情勢を的確に描き、且つ緻密なストーリーが展開されることから、各界にファンが多い。また同作は2008年、連載40周年を向かえ、4月から初のテレビアニメ版がスタート(テレビ東京系にて放送)。その他の作品には、『鬼平犯科帳』『雲斬り暫平』『サバイバル』などがある。

19歳で、プロの漫画家としてデビューし、21歳のとき、仲間と一緒に大阪から上京して漫画家の道を歩んできたさいとう氏。
一般の人よりも社会人デビューするのが早かったようだが…。

漫画家になる前に、7つの職を経験した

「実は、小学校4年生のときから働いていて、漫画家になるまでに7つの職業を体験してきたんですよ。漫画家として本格的に活動する直前は、床屋をしてた。床屋は一番性に合わない仕事でね。とにかく刃物を持つのが怖くて仕方なかったの(笑)」

――小学校4年生ですか!? それはかなり“社会人デビュー”が早かったんですね。

「遊び半分な毎日を送ってましたけどね。悪ガキで、家族や近所の人にはあきれられていました。でも、“自分”というものに対しては、真面目に考えてきたつもりです。というのも、私の中にある価値観は、社会の常識に到底ついていけないから。物事を常識的に感じたり、考えたりすることができないんです。たとえば、小学校のときの話ですが、“1+1=2”となることが納得できなかったんです。1という固体があって、それを足すと、2というひとつの塊として解釈されることが納得できなかったの。まだ納得できてませんが、今は“人がどう評価するか”“人がどう思うか”という、社会の常識的な価値観について真剣に考えるようにしているので、1+1=2だと、理解していますけどね」

――その“常識的な価値観”を意識するようになったきっかけはなんだったのですか?

「中学3年生のときですね。私はいつも、定期テストを無記名・白紙で出してたんですよ。でも担任の先生にある日、こう言われたんです。『白紙で出すのは君の意思だから仕方ない。でもその行為は君の責任になるのだから、その責任を取るために名前は書きなさい』って。かなりショックを受けましたね。そのとき初めて、社会に対して自分が果たすべき責任・約束事について考えるようになり、世間の自分に対する評価も気にかけるようになったんです。ちなみにそのときの先生の名前が“東郷”。『ゴルゴ13』の主人公・デューク東郷の名前も、先生から頂いてるんですよ」

とにかく悩んで悩みまくった20代

――21歳のときに、貸本漫画時代の仲間と共に大阪から上京されたそうですが、さいとう先生にとって、20代はどんな時期でしたか?

「う~ん、漫画についていつも悩んでましたね。まさに、五里霧中でした。私はリアルなドラマを、マンガで描きたかったんです。どんな絵を描けばリアリティが出て読者に伝わるのか、毎日試行錯誤して、悩みまくっていました。当時は漫画を描くためのマニュアルもないし、手本になるような作品もなかったからね。一緒に東京に出てきた仲間は、何も悩みがなさそうで、羨ましかったくらいです。今でも相変わらず悩んでいますよ」

――そんな先生の“苦悩”から、「劇画」というジャンルが切り開かれたんですね。金銭的にも、苦しい時期だったりしたのですか?

「それはなかったですよ。私はものすごくラッキーでね、初めて出した単行本が好評で、ありがたいことにデビュー以来、仕事が途絶えたことはないんです。だから、仕事がなくて悩んだってことはないですね」

さいとうたかをさんが、新社会人にエールを!
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撮影:渡部幸和