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特許コード P05P002060
発明の名称 熱性けいれんプラスの関連遺伝子変異と熱性けいれんプラス診断方法
出願番号 特願2003-435218
公開番号 特開2005-192412
出願日 平成15年12月26日(2003.12.26)
公開日 平成17年7月21日(2005.7.21)
発明者 兼子 直
廣瀬 伸一
前澤 真理子
出願人 独立行政法人科学技術振興機構
発明の概要 【要約】   (修正有)
【課題】 熱性けいれんプラスに関連した新規の遺伝子変異と、この遺伝子変異を利用した熱性けいれんプラスの診断方法を提供する。
【解決手段】熱性けいれんプラスに関連した遺伝子の特定の塩基配列において、第1499位gがaに置換した変異を有するポリヌクレオチド、さらに別の特定の塩基配列において、第1079位cがaに置換した変異を有するポリヌクレオチド、前記ヌクレオチド変異によって生じるアミン酸変異を有するポリペプチド、並びにこれらの変異を検出することを特徴とする熱性けいれんプラスの診断方法。
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】単純性の熱性けいれん(febrile seizure plus:FS)は通常、6歳以上になると有熱時のけいれんは生じないが、熱性けいれんプラス(FS+)は、6歳以上でも有熱時のけんれんを頻発し、また無熱性のけいれんを起し、時にてんかんに移行する。このため、熱性けいれんを示した患者(特に新生児)に対しては、それがFSであるのか、あるいは予後に危険性を伴うFS+であるかを速やかに診断し、後者である場合には早期の治療処理が必要とされる。その診断は現在、国際抗てんかん連盟の分類および用語委員会(Commission on Classification and Terminology of the International League against Epilepsy)により提出されたガイドラインに基づいて行なわれている(非特許文献1)。しかしながら、FSとFS+とは、けいれん発作の状態が極めて類似しているため、初発時の身体症状の観察によって両者を診断することは極めて困難である。そこで、その診断には、遺伝子レベルでの診断に大きな期待が寄せされている。 FS+(GEFS+)の遺伝子座は染色体19q13.1にマッピングされているが、FS+に関連してNa+チャンネルβサブユニット(SCN1B)遺伝子の突然変異がこの領域で同定されている(非特許文献2)。FS+の第2の遺伝子座は、3つのNa+チャンネルαサブユニット遺伝子(SCN1A、SCN2A、SCN3A)をコードしている染色体2q23-q331にマッピングされており(非特許文献3)、FS+に関連してSCN1A遺伝子の突然変異が幾つか報告されている(例えば、非特許文献4−7)。またこの出願の発明者らも、FS+に関連したSCN1A遺伝子およびSCN2A遺伝子の従来未知の変異を特定し、特許出願を行っている(特許文献1)。 さらに最近、GABAA受容体γ2サブユニット(GABRG2)遺伝子についても、FS+(GEFS+)に関連する変異が報告されている(非特許文献8)
【特許文献1】特開2002-136289号公報
【非特許文献1】Commission on Classification and Terminology of the ILAE (1989) Epilepsia, 30, 389-399.
【非特許文献2】Wallace R.H. et al. Nature Genet. 19:366-370, 1998.
【非特許文献3】Baulac S. et al. Am. J. Hum. Genet. 65:1078-1085, 1999.
【非特許文献4】Escayg A. et al. Nature Genet. 24:343-345, 2000.
【非特許文献5】Abou-Khalil B. et al. Neurology 57:2265-2272, 2001.
【非特許文献6】Escayg A. et al. Am. J. Hum. Genet. 68:866-873, 2001.
【非特許文献7】Wallace R.H. et al. Am. J. Hum. Genet. 68:859-865, 2001.
【非特許文献8】Harkin L.A. et al. Am. J. Hum. Genet. 70:530-536, 2002.
産業上の用途利用分野
この出願の発明は、熱性けいれんプラス(febrile seizure plus:FS+、または熱性けいれんプラスを伴う全身性てんかん(generalized epilepsy with febrile seizure plus: GEFS+)の関連遺伝子とその診断方法に関するものである。さらに詳しくは、点突然変異(またはsingle nucleotide polymorphisms:SNPs)によって特徴付けられる熱性けいれんプラス関連遺伝子由来のポリヌクレオチドと、その遺伝子産物であるポリペプチド、並びにこれらポリヌクレオチドまたはポリペプチドを対象とする熱性けいれんプラスの診断方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 熱性けいれんプラスに関連する遺伝子由来のポリヌクレオチドであって、配列番号1の塩基配列において、第1499位gがaに置換した変異を有するポリヌクレオチド。
【請求項2】 熱性けいれんプラスに関連する遺伝子由来のポリヌクレオチドであって、配列番号3の塩基配列において、第1079位cがaに置換した変異を有するポリヌクレオチド。
【請求項3】 請求項1のポリヌクレオチドの一部であって、その変異箇所を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項4】 請求項2のポリヌクレオチドの一部であって、その変異箇所を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項5】 請求項1のポリヌクレオチドまたは請求項3のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヒト染色体DNA由来のポリヌクレオチド。
【請求項6】 請求項2のポリヌクレオチドまたは請求項4のオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヒト染色体DNA由来のポリヌクレオチド。
【請求項7】 請求項1または請求項5のポリヌクレオチドをPCR増幅するためのプライマーセットであって、一方のプライマーが、変異箇所を含むオリゴヌクレオチドまたはその相補配列であるプライマーセット。
【請求項8】 請求項2または請求項6のポリヌクレオチドをPCR増幅するためのプライマーセットであって、一方のプライマーが、変異箇所を含むオリゴヌクレオチドまたはその相補配列であるプライマーセット。
【請求項9】 請求項1のポリヌクレオチドまたは請求項3のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とするマイクロアレイ。
【請求項10】 請求項2のポリヌクレオチドまたは請求項4のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とするマイクロアレイ。
【請求項11】 熱性けいれんプラスに関連する遺伝子由来の請求項1または5のポリヌクレオチドの発現産物であって、配列番号2のアミノ酸配列において、第500位ArgがGlnに置換した変異を有するポリペプチド。
【請求項12】 熱性けいれんプラスに関連する遺伝子由来の請求項2または6のポリヌクレオチドの発現産物であって、配列番号4のアミノ酸配列において、第360位ProがHisに置換した変異を有するポリペプチド。
【請求項13】 請求項11のポリペプチドの一部であって、変異箇所を含むオリゴペプチド。
【請求項14】 請求項12のポリペプチドの一部であって、変異箇所を含むオリゴペプチド。
【請求項15】 請求項13のオリゴペプチドを抗原として作製され、請求項11のポリペプチドを認識する抗体。
【請求項16】 請求項14のオリゴペプチドを抗原として作製され、請求項12のポリペプチドを認識する抗体。
【請求項17】 熱性けいれんプラスの診断方法であって、被験者から単離した染色体DNA中に請求項5および/または6のポリヌクレオチドが存在するか否かを検出することを特徴とする方法。
【請求項18】 被験者から単離した染色体DNAまたはそのmRNAと、請求項1のポリヌクレオチドまたは請求項2のオリゴヌクレオチド、および/または請求項2のポリヌクレオチドまたは請求項4のオリゴヌクレオチドがストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか否かを検出する請求項17の方法。
【請求項19】 被験者から単離した染色体DNAまたはmRNAを鋳型とし、請求項7および/または8のプライマーセットを用いてPCRを行った場合のPCR産物の有無を検出する請求項17の方法。
【請求項20】 熱性けいれんプラスの診断方法であって、被験者から単離した生体試料中に請求項11および/または12のポリペプチドが存在するか否かを検出することを特徴とする方法。
【請求項21】 被験者から単離した生体試料中に、請求項15および/または16の抗体と反応するポリペプチドが存在するか否かを検出する請求項20の方法。
国際特許分類(IPC)
C12N 15/09  組換えDNA技術
C07K 14/47  哺乳動物から
C07K 16/18  動物またはヒトからの物質に対するもの
C12M 1/00  酵素学または微生物学のための装置
C12Q 1/68  核酸を含むもの
G01N 33/53  免疫分析;生物学的特異的結合分析;そのための物質
G01N 37/00  このサブクラスの他のいずれのグループにも包含されない細部
データ収録日 2005年7月22日
整理番号 Y2003-P124

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