【ワシントン=宮崎健雄】米国防総省は3日、2008年版の「中国の軍事力に関する年次報告書」を米議会に提出、公表した。
報告書は、中国の宇宙における軍事能力向上の野心や軍の近代化、核ミサイル増強に向けた取り組みに強い懸念を示すとともに、中国による米政府機関へのハッカー攻撃にも言及した。
報告書は、中国人民解放軍が情報化時代の現代戦争で「敵国の偵察・通信衛星の破壊が必要」と強調している点を指摘。07年1月の衛星破壊実験で顕在化した宇宙の軍事利用に向けて、開発を続けていると警戒感を示した。
中国のミサイル能力に関しては、射程約7200キロ・メートルの大陸間弾道ミサイル「東風(DF)31」に加え、射程約1万1200キロ・メートルの「東風31A」も配備中と指摘。「晋」級原子力潜水艦に搭載可能な射程約7200キロ・メートルの新型弾道ミサイル「巨浪(JL)2」も09〜10年に配備予定とした。
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