ここから本文エリア 粉ミルク代惜しむ2008年03月04日 喜多方市で昨年11月、生後2カ月の次女を低栄養で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた父親の目黒俊輔被告(24)に対する初公判が3日、地裁会津若松支部(増永謙一郎裁判長)であった。審理では、粉ミルクが減るのを気にした目黒被告が妻(20)=1月に少年院送致=とともに通常より薄めて与え、次女が次第に衰弱していく経緯が明らかになった。検察側は懲役6年を求刑し、即日結審した。判決は7日。 目黒被告は起訴事実を全面的に認めた。検察側は「無抵抗の乳児が日々衰弱するのに、親として最低限の保護も与えない残酷な犯行。どんなに泣いても手を差し伸べられなかった乳児の生涯は哀れだ」と指摘。働くことなく次女の児童手当などをたばこやゲーム代に充て、1缶2千円ほどのわずかな粉ミルク代を出し惜しんだ、と批判した。 一方、弁護側は「未熟だと言わざるを得ないが十分に反省し、再犯の恐れはない」と執行猶予付きの判決を求めた。 検察側の冒頭陳述などによると、目黒被告と妻は、昨年8月末に生まれた次女にその約半月後から、通常の4分の3から半分ほどの濃さに薄めたミルクを与え続けた。衰弱した次女は次第にミルクを飲む力さえなくなり、10月には目に見えてやせていったが、せんさくされたり、しかられたりするのを嫌って医者に連れていかず、11月5日に気管支肺炎で死亡させたとされる。 目黒被告も妻も無職で、妻の実家で同居していた。目黒被告は法廷で「2人がしっかりして働けば、こんなことにならなかった」と何度も涙をぬぐい、経済的困窮が原因と悔やんだ。 だが検察側は、同居していた妻の父が調べに対し、「夫婦は次女が泣いてもTVゲームに熱中して長時間放置したり、粉ミルクを薄めて与えていた時期もたばこ代は捻出(ねんしゅつ)したりしていた」という趣旨の話をしていたことを明らかにした。 亡くなった時の次女の身長は生まれた時と同じ46センチ。一般には約2キロ増加しているはずの体重は336グラム減って、2218グラムだったという。 マイタウン福島
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