弘前市立病院の脳神経外科が、8日から休診する。常勤の脳神経外科医が今月末で退職し、後任の医師が見つからないためで、松川昌勝院長は「非常に残念。後任の医師の確保に努めていく」と話している。

 同病院の脳神経外科は1971年に改称する以前、外科外来で長く患者を受け入れてきたが、2001年4月から診察室が独立。同年8月には脳ドックを新設している。常勤医1人態勢で手術は行わず、外来が中心。06年度の1日平均外来患者数は8.9人、入院は1.1人。脳ドックは194件扱った。
 今回は00年から同科に勤務する医師の退職に伴い、同病院が医師不足を背景に代わる医師を確保できなかったための休診。退職する医師によると、体力面など「一身上の都合」による退職で、今後は弘前脳卒中センターに勤務することになるという。現在、入院患者1人を含む患者の転院などの紹介に当たっている。
 病院は2月末から、外来の張り紙や市の広報で市民らに周知。外来を訪れた平川市の女性(62)は「いつもここに来ていたので、休診でびっくりした。都合が悪くなる」と不安げ。脳ドックを受けに来た男性(51)は「望ましいことではないが、医師が少なくなっているのでどうしようもない」と話した。
【写真説明】脳神経外科休診を告げる掲示