2008年01月28日
岡田斗司夫の遺書・第二章
先週の事なのだが、ロフトプラスワンにて行われた岡田斗司夫のお仕事ふりかえりトーク・イベント「岡田斗司夫の遺言・第二章」を聴きに行った。
ちなみに前回の自分なりのメモと感想はこちら。
そう、第一章に続いて参加したわけだ。なんだかんだ言いながらも、岡田信者と呼ばれても反論できないな。
さて、実際のトークの内容についてなのだが、Mixiやらはてなダイアリーやらで詳しいレポートをアップしている人が一杯いるので、そちらを参照して欲しい。いつもながら、自分にとって印象的で面白いと感じたこと(だけ)を、自分にとっての備忘録として簡単にまとめておこうと思う。括弧内は私の感想だ。今回、会場内でとったメモが大量な割に判読不可能な部分がとても多く、まとめるのが面倒くさくなってしまったからでは決してないぞ!決して!
ちなみに前回の自分なりのメモと感想はこちら。
そう、第一章に続いて参加したわけだ。なんだかんだ言いながらも、岡田信者と呼ばれても反論できないな。
さて、実際のトークの内容についてなのだが、Mixiやらはてなダイアリーやらで詳しいレポートをアップしている人が一杯いるので、そちらを参照して欲しい。いつもながら、自分にとって印象的で面白いと感じたこと(だけ)を、自分にとっての備忘録として簡単にまとめておこうと思う。括弧内は私の感想だ。今回、会場内でとったメモが大量な割に判読不可能な部分がとても多く、まとめるのが面倒くさくなってしまったからでは決してないぞ!決して!
王立宇宙軍〜オネアミスの翼〜
森本レオ 弥生みつき 山賀博之

<「王立宇宙軍」ハリウッドでのプレミア上映話>
○ まず、前説をしたロフトのプロデューサーがイベント名である「遺言」を「遺書」と間違え大爆笑
○ 話は前回の「王立」フィルム完成の続きから。宣伝上ハクをつける為にハリウッドでプレミア上映することに。
○ 場所はチャイニーズ・シアター。昔は伝統と格式がある映画館であったが、今(「王立」公開当時も)は伝統と格式“しかない”映画館なので、どんな団体にもお手ごろ価格で小屋を貸してくれる。
○ アメリカ人は字幕なぞ観ないので、吹替版を作ったのだが、声優がヘボすぎて最悪なことに(押井守も「攻殻機動隊」の時に同じこと言ってた)。
○ アメリカ映画業界においてアニメの声優はヒエラルキーの最下層に位置している(でも、カートゥーンネットワークの英語サイトとか観ていると、今はそんなこと無いと思うぞ)。
○ 声優にプロ意識もなければ、勝手にジェフとかソニーとか呼び合う。盛り上げようと頭の悪いアドリブを入れたりする(ここいら辺、ビーストウォーズとは丁度逆だと思った)。
○ プレミア上映にて、スタッフの誰一人としてタキシードを着ていくという発送が無かった。よって皆キタナイTシャツもしくはアロハ姿でレッドカーペットの上を歩くことに。車もリムジンではなくマイクロバス。
<「王立宇宙軍」続編話>
○ 映画公開後、バンダイ社内での評価は成功派と失敗派の二派に分かれた。
○ 成功派の言い分としては、制作費8億円に対して配給収入は1〜1.5億円であるが、地上波放映権料やビデオ・LD化による利益を考えれば初期投資は回収できるので、今からでもどんどん宣伝攻勢をかけて黒字にしようというもの。
○ 大して失敗派の主張は、次の決算期までには資金を回収できず株主総会でつつかれるのは明白なので(生々しい話です)、このまま無駄金を使わず静かに撤退しようというもの。
○ どちらも正しい。
○ そのうちバンダイの成功派閥の人間から1年間52話のテレビシリーズにできないかという話がきた。
○ 山賀くんがノリノリになってプロットを考える。まず第1話は劇場版の最初をそのまま使い、第1クールは「オレ達ダメだ話」を延々と続けるという。
○ 第2クールからやっと宇宙開発の話となる。
○ ロケット開発というのは、第二次大戦中のドイツや大戦後の米ソ間のそれらがそうであったように、実は核開発とセットで語られるべきものである。核爆弾を世界の何処へなりと自由に打ち込める道具として、ロケット(大陸間弾道弾)は初めて意味を持つ。だから「王立宇宙軍」世界でも核開発話を入れるべきだ(もの凄く納得)。
○ 4月に番組スタートとすれば第2クールは7〜9月だ。終戦記念日近辺に位置する18話くらいでそれをやろう!
○ 例えば、いきなり南極に連れて行かれることとなる。
シロツグ「明日から南極に行くことになったんだよ」
リイクニ「まぁ、ペンギンさんに会えるんですね!」(爆笑)
で、南極にいくとサングラスやらなんやらを渡されて、キノコ雲を観た後訳も分からず帰るという話。
○ これを山賀くんは終戦記念日にやりたいという!放送ギリギリに納品して局のチェックをすりぬける、手塚治虫24時間テレビ方式じゃないと無理だ!
○ そもそも、そこまでして、監督生命をかけてでもやりたい話なの?と聞いたら「そこまででも無いんですけど、一回はそういうことがやりたいんですよねぇ」と山賀君(ガイナックスのクリエーター魂が炸裂した、実にイイ話です)
○ 他には、「銃を撃つバイトがあるんだ」と誘われて1週間ほど本当の戦場で戦う話(「主人公が巨人だった頃の初期案に近いですな」)とか、リイクニの実家の饅頭屋を手伝う話などがプロットとしてあった。
○ どれも高校生活と戦争が混交する話で、山賀君は「最終兵器彼女」のようなものをやりたかったのかもしれない。
○ しかし、どれも本筋ではなく枝葉の話ばかりで、今ならこれを「カウボーイビバップ現象」と呼びたい。
○ そのうち、テレビではなく映画で続編を作らないかという話がきた。全52話のテレビシリーズだと制作費+放映枠の費用で16億円必要だが、それなら2億円で映画を作ろうという。
○ でも、いくら前作のセルや音楽を流用しても、2億だと4億の映画の1/10のクオリティにしかならない。半分のクオリティというわけではない。アニメ映画は2億と4億と6億の間にクオリティの閾値がある。
○ でも一応プロット考える。思い切って100年後の話にしよう!1作目の登場人物は当然皆死んでおり、伝説の存在となっている。
○ 科学技術も上がり、ワープとか亜光速移動とかもできるようになっている。
○ オネアミスから一番近い、6光年ほど離れた惑星系に行くと同じような人間がいて、ファーストコンタクト話になるが、実は、その星は我々の住む地球だった!という話(きっとオネアミス王国の星はバーナード星系にあるんだな。トップ続編でもシリウスとか持ち出してきたオタキングのSFマインドが冴えるエピソードである)。
○ 地球とオネアミス、双方から恒星間戦争を描く為に2本作る(イーストウッド方式)。現用平気で宇宙戦争をやるとどうなるか?というのをやってみたかったが、当然ながら予算不足から企画は頓挫した(これが「蒼きウル」とどう違うのか、質問してみれば良かったと今更ながらに後悔)。
蒼きウル 凍結資料集

<幻のガイナックス版ガンダム話>
○ 「王立」以後のガイナックスは倒産寸前。倒産しないのは、役員が倒産を宣言しないだけという状態。スタッフへの給料不払いが続く。経営者としてものすごい恐怖を感じた。この時の経験から、赤字覚悟とかスタッフの持ち出しで製作なんてエピソードが全く美談に聞こえない。
○ そんな折、サンライズからガンダムの新作をやらないかという話がきた。
○ 企画案としてガンダムばっかり出てくるガンダムはどうか?と持ちかけられた。当時から、マーケティングでは正義側の玩具ばかりが売れて、悪者側の玩具はまったく売れないという事実があった。そこで、ガンダムでもライダーでもウルトラマンでも、正義側のキャラや登場人物を格段に増やし、正義側の人間ドラマを中心に話を展開させれば玩具もグッズも何倍も売れるであろう、というビジネスプラン。戦隊ものや、時代はもうちっと後になるがセーラームーンはこのようなコンセプトで作られた。
○ だが、ガンダムばっかり出てくるガンダムなんて誰が観たいんだよ!と一蹴した。しかし、俺達が間違ってた。Gガンダムってなんだよ!ストライクってなんだよ!(ライダーはもとより、バンダイグループの一員となった円谷プロもそんなウルトラマンを作りそうな気がする。怪獣ばっかりのが良いなー)
機動武闘伝 Gガンダム DVD BOX 1
関智一 天野由梨 大塚芳忠

仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL ディレクターズカット版
特撮ヒーロー 須賀貴匡 松田悟志

○ 2つほどプロットを考えた。一つはモビルスーツの起動シークエンスを3分かけて丹念に描写するというマニア向け企画。
○ もう一つは、モビルスーツメーカーのメンテナンス要員を主人公にした話。当時のガイナックスはコピーを信じられないくらい大量にとっていた。当然、コピー機も良く壊れ、その度にゼロックスのメンテの人を呼ぶ。すると、僕達がいくらイジってもどうにもならないコピー機の具合が、奇跡のように改善する。あまりにもそんな事が続くので、遂にはメンテの人が「縮小はレンズの位置からいって此処におかなきゃ駄目なんですよ!」とお客様である我々に説教するまでになった。
○ このことが非常に印象的だったので、モビルスーツメーカーのメンテナンス要員がパイロットに説教する話を思い付いた。「ドムはこう使うんですよ!重力下では歩くんじゃなくてホバーですよ!」とZIMAD社のメンテ要員が黒い三連星に説教する話、みたいなもの。
○ あるいは「ジムが全然使えないよ−」とコボす士官と喧嘩になり、「あんたの乗り方が悪いんだ!」「じゃ、お前乗ってみろよ!」とエスカレート、遂には社運をかけてノーマルのジムでゲルググに挑む話、等々。
○ 当然ながら、我々には戦争体験や戦場での経験が無い。上記のようなやり方が、実際に戦争を経験していない世代が戦争を主題とした作品にリアリティを込める一つの方法だと思った。
○ また、戦争における「正義」も描けると思った。戦争を扱った作品で「正義」を描くことは難しい。何故なら現実の戦争がそうでないから。アメリカでは第二次大戦より後の戦争に「正義」は無いと考えられているし、ヨーロッパでは第一次大戦から既にしてそう。ガンダムはザビ家という悪をおくことで一定の回避をみた。しかし、同じ手はもう使えない。だが、メーカーのメンテ要員という視点で描けば、あいつらを救う為に良い武器を渡したいとか、生活の手段として良い機体を開発したいとかいったような、一生活者としての正義を描けると思った。
○ それは当然、生活の為に戦争を行う傭兵の話に繋がっていくのだが、戦争が無くなって職に溢れた彼らがシャアに資金援助を行ってアクシズ動乱をおこす、なんてストーリーも考えた。
○ だが、ガンダム正史とあまりにも繋がらないということでボツになった(でも、「逆シャア」や「0083」にはそんな描写があったし、ガンダムエースにはそんなマンガばっかり載っている。時代が追い付いたというやつか?)
デベロッパーズ―機動戦士ガンダムBefore One Year War
山崎 峰水 矢立 肇 富野 由悠季

この後、延々と「トップをねらえ!」話が続くのだけれど、長くなったので次回に続きますよ。
森本レオ 弥生みつき 山賀博之
<「王立宇宙軍」ハリウッドでのプレミア上映話>
○ まず、前説をしたロフトのプロデューサーがイベント名である「遺言」を「遺書」と間違え大爆笑
○ 話は前回の「王立」フィルム完成の続きから。宣伝上ハクをつける為にハリウッドでプレミア上映することに。
○ 場所はチャイニーズ・シアター。昔は伝統と格式がある映画館であったが、今(「王立」公開当時も)は伝統と格式“しかない”映画館なので、どんな団体にもお手ごろ価格で小屋を貸してくれる。
○ アメリカ人は字幕なぞ観ないので、吹替版を作ったのだが、声優がヘボすぎて最悪なことに(押井守も「攻殻機動隊」の時に同じこと言ってた)。
○ アメリカ映画業界においてアニメの声優はヒエラルキーの最下層に位置している(でも、カートゥーンネットワークの英語サイトとか観ていると、今はそんなこと無いと思うぞ)。
○ 声優にプロ意識もなければ、勝手にジェフとかソニーとか呼び合う。盛り上げようと頭の悪いアドリブを入れたりする(ここいら辺、ビーストウォーズとは丁度逆だと思った)。
○ プレミア上映にて、スタッフの誰一人としてタキシードを着ていくという発送が無かった。よって皆キタナイTシャツもしくはアロハ姿でレッドカーペットの上を歩くことに。車もリムジンではなくマイクロバス。
<「王立宇宙軍」続編話>
○ 映画公開後、バンダイ社内での評価は成功派と失敗派の二派に分かれた。
○ 成功派の言い分としては、制作費8億円に対して配給収入は1〜1.5億円であるが、地上波放映権料やビデオ・LD化による利益を考えれば初期投資は回収できるので、今からでもどんどん宣伝攻勢をかけて黒字にしようというもの。
○ 大して失敗派の主張は、次の決算期までには資金を回収できず株主総会でつつかれるのは明白なので(生々しい話です)、このまま無駄金を使わず静かに撤退しようというもの。
○ どちらも正しい。
○ そのうちバンダイの成功派閥の人間から1年間52話のテレビシリーズにできないかという話がきた。
○ 山賀くんがノリノリになってプロットを考える。まず第1話は劇場版の最初をそのまま使い、第1クールは「オレ達ダメだ話」を延々と続けるという。
○ 第2クールからやっと宇宙開発の話となる。
○ ロケット開発というのは、第二次大戦中のドイツや大戦後の米ソ間のそれらがそうであったように、実は核開発とセットで語られるべきものである。核爆弾を世界の何処へなりと自由に打ち込める道具として、ロケット(大陸間弾道弾)は初めて意味を持つ。だから「王立宇宙軍」世界でも核開発話を入れるべきだ(もの凄く納得)。
○ 4月に番組スタートとすれば第2クールは7〜9月だ。終戦記念日近辺に位置する18話くらいでそれをやろう!
○ 例えば、いきなり南極に連れて行かれることとなる。
シロツグ「明日から南極に行くことになったんだよ」
リイクニ「まぁ、ペンギンさんに会えるんですね!」(爆笑)
で、南極にいくとサングラスやらなんやらを渡されて、キノコ雲を観た後訳も分からず帰るという話。
○ これを山賀くんは終戦記念日にやりたいという!放送ギリギリに納品して局のチェックをすりぬける、手塚治虫24時間テレビ方式じゃないと無理だ!
○ そもそも、そこまでして、監督生命をかけてでもやりたい話なの?と聞いたら「そこまででも無いんですけど、一回はそういうことがやりたいんですよねぇ」と山賀君(ガイナックスのクリエーター魂が炸裂した、実にイイ話です)
○ 他には、「銃を撃つバイトがあるんだ」と誘われて1週間ほど本当の戦場で戦う話(「主人公が巨人だった頃の初期案に近いですな」)とか、リイクニの実家の饅頭屋を手伝う話などがプロットとしてあった。
○ どれも高校生活と戦争が混交する話で、山賀君は「最終兵器彼女」のようなものをやりたかったのかもしれない。
○ しかし、どれも本筋ではなく枝葉の話ばかりで、今ならこれを「カウボーイビバップ現象」と呼びたい。
○ そのうち、テレビではなく映画で続編を作らないかという話がきた。全52話のテレビシリーズだと制作費+放映枠の費用で16億円必要だが、それなら2億円で映画を作ろうという。
○ でも、いくら前作のセルや音楽を流用しても、2億だと4億の映画の1/10のクオリティにしかならない。半分のクオリティというわけではない。アニメ映画は2億と4億と6億の間にクオリティの閾値がある。
○ でも一応プロット考える。思い切って100年後の話にしよう!1作目の登場人物は当然皆死んでおり、伝説の存在となっている。
○ 科学技術も上がり、ワープとか亜光速移動とかもできるようになっている。
○ オネアミスから一番近い、6光年ほど離れた惑星系に行くと同じような人間がいて、ファーストコンタクト話になるが、実は、その星は我々の住む地球だった!という話(きっとオネアミス王国の星はバーナード星系にあるんだな。トップ続編でもシリウスとか持ち出してきたオタキングのSFマインドが冴えるエピソードである)。
○ 地球とオネアミス、双方から恒星間戦争を描く為に2本作る(イーストウッド方式)。現用平気で宇宙戦争をやるとどうなるか?というのをやってみたかったが、当然ながら予算不足から企画は頓挫した(これが「蒼きウル」とどう違うのか、質問してみれば良かったと今更ながらに後悔)。
蒼きウル 凍結資料集
<幻のガイナックス版ガンダム話>
○ 「王立」以後のガイナックスは倒産寸前。倒産しないのは、役員が倒産を宣言しないだけという状態。スタッフへの給料不払いが続く。経営者としてものすごい恐怖を感じた。この時の経験から、赤字覚悟とかスタッフの持ち出しで製作なんてエピソードが全く美談に聞こえない。
○ そんな折、サンライズからガンダムの新作をやらないかという話がきた。
○ 企画案としてガンダムばっかり出てくるガンダムはどうか?と持ちかけられた。当時から、マーケティングでは正義側の玩具ばかりが売れて、悪者側の玩具はまったく売れないという事実があった。そこで、ガンダムでもライダーでもウルトラマンでも、正義側のキャラや登場人物を格段に増やし、正義側の人間ドラマを中心に話を展開させれば玩具もグッズも何倍も売れるであろう、というビジネスプラン。戦隊ものや、時代はもうちっと後になるがセーラームーンはこのようなコンセプトで作られた。
○ だが、ガンダムばっかり出てくるガンダムなんて誰が観たいんだよ!と一蹴した。しかし、俺達が間違ってた。Gガンダムってなんだよ!ストライクってなんだよ!(ライダーはもとより、バンダイグループの一員となった円谷プロもそんなウルトラマンを作りそうな気がする。怪獣ばっかりのが良いなー)
機動武闘伝 Gガンダム DVD BOX 1
関智一 天野由梨 大塚芳忠
仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL ディレクターズカット版
特撮ヒーロー 須賀貴匡 松田悟志
○ 2つほどプロットを考えた。一つはモビルスーツの起動シークエンスを3分かけて丹念に描写するというマニア向け企画。
○ もう一つは、モビルスーツメーカーのメンテナンス要員を主人公にした話。当時のガイナックスはコピーを信じられないくらい大量にとっていた。当然、コピー機も良く壊れ、その度にゼロックスのメンテの人を呼ぶ。すると、僕達がいくらイジってもどうにもならないコピー機の具合が、奇跡のように改善する。あまりにもそんな事が続くので、遂にはメンテの人が「縮小はレンズの位置からいって此処におかなきゃ駄目なんですよ!」とお客様である我々に説教するまでになった。
○ このことが非常に印象的だったので、モビルスーツメーカーのメンテナンス要員がパイロットに説教する話を思い付いた。「ドムはこう使うんですよ!重力下では歩くんじゃなくてホバーですよ!」とZIMAD社のメンテ要員が黒い三連星に説教する話、みたいなもの。
○ あるいは「ジムが全然使えないよ−」とコボす士官と喧嘩になり、「あんたの乗り方が悪いんだ!」「じゃ、お前乗ってみろよ!」とエスカレート、遂には社運をかけてノーマルのジムでゲルググに挑む話、等々。
○ 当然ながら、我々には戦争体験や戦場での経験が無い。上記のようなやり方が、実際に戦争を経験していない世代が戦争を主題とした作品にリアリティを込める一つの方法だと思った。
○ また、戦争における「正義」も描けると思った。戦争を扱った作品で「正義」を描くことは難しい。何故なら現実の戦争がそうでないから。アメリカでは第二次大戦より後の戦争に「正義」は無いと考えられているし、ヨーロッパでは第一次大戦から既にしてそう。ガンダムはザビ家という悪をおくことで一定の回避をみた。しかし、同じ手はもう使えない。だが、メーカーのメンテ要員という視点で描けば、あいつらを救う為に良い武器を渡したいとか、生活の手段として良い機体を開発したいとかいったような、一生活者としての正義を描けると思った。
○ それは当然、生活の為に戦争を行う傭兵の話に繋がっていくのだが、戦争が無くなって職に溢れた彼らがシャアに資金援助を行ってアクシズ動乱をおこす、なんてストーリーも考えた。
○ だが、ガンダム正史とあまりにも繋がらないということでボツになった(でも、「逆シャア」や「0083」にはそんな描写があったし、ガンダムエースにはそんなマンガばっかり載っている。時代が追い付いたというやつか?)
デベロッパーズ―機動戦士ガンダムBefore One Year War
山崎 峰水 矢立 肇 富野 由悠季
この後、延々と「トップをねらえ!」話が続くのだけれど、長くなったので次回に続きますよ。
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(08/01/18 15:34 レコーディング・ダイエットのススメ)
1月22日(火)のイベントのお知らせ
岡田斗司夫の@LOFT/PLUS ONE
岡田斗司夫の『遺言』第二章
【出...
岡田斗司夫の『遺言』第二章 1月22日開催【「エヴァ板とガイナスレ用だよ」Blog】at 2008年02月03日 00:51