「産後うつ治療ミスで妻自殺」 遺族が宮城県を提訴名取市の宮城県立精神医療センターに産後うつ病で入院していた妻=当時(40)=が自殺したのはセンターが適切な治療を怠り、漫然と外泊許可を出したためだと、石巻市の夫と長女が3日までに、センターを運営する県に計約6900万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。訴えによると、妻は2004年5月に長女を出産。初めての子育てで生じた疲れや不安を和らげるため別の医療機関を受診し、産後うつ病と診断され、抗うつ剤投与などの治療を受けた。 同年8月、妻が自宅で首つり自殺を図り、夫は妻の実家で静養させることにした。実家でも落ち着きがなくなったため同月中旬、同センターに入院。退院間近だった同年12月初旬の外泊許可時に石巻市のビルから飛び降り、死亡した。 夫らは「センターの医師は治療計画の策定を看護師任せにした上、外泊を含む治療方法について家族と話し合い、合意を得ることも怠り、自殺の危険性を十分検討しなかった」などと主張している。 夫は昨年4月、仙台簡裁に訴訟と同じ内容の調停を申し立てたが、県が法的責任を否定したため不調に終わった。県病院局は「訴状の内容を検討中で、現時点ではコメントできない」としている。
2008年03月03日月曜日
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