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【社会】

米環境団体、捕鯨船妨害 薬品投げ込まれ3人けが

2008年3月3日 夕刊

 水産庁は3日、南極海を航行中の調査捕鯨船団の母船「日新丸」が同日午前7時10分(日本時間)ごろ、米環境保護団体シー・シェパードの抗議船から、薬品の入った瓶や白い粉が入った袋計100個以上を投げ込まれた、と発表した。

 日新丸に乗船していた海上保安庁の保安官2人と、乗組員1人が、飛び散った薬品が目に入り、軽傷を負った。シー・シェパードが今シーズンの調査捕鯨船団を妨害したのは3回目だが、負傷者が出たのは初めて。

 水産庁によると、薬品は異臭を放つ化学物質である「酪酸」とみられる。瓶が甲板に落ちた際に飛び散った。3人は目の痛みを訴えたが、洗浄するなどして症状は治まった。瓶などを投げ込む妨害行為は約1時間にわたり続いたという。

 水産庁は外務省を通じ、シー・シェパードに母港を提供したオーストラリアや、船籍を与えたオランダの両政府に対し、再度抗議する方針。

 町村信孝官房長官はこの日の記者会見で「公海上で合法的に活動しているわが国船舶の乗組員に不当な危害を与えるもので、誠に許し難い行為だ。シー・シェパードの妨害行為を政府は強く非難する」と述べた。調査捕鯨船団は昨年11月に日本を出港した。帰港は今年4月ごろの予定。

 また外務省は同日、東京都内でアフリカやアジアなど11カ国の政府関係者を招き、捕鯨継続を訴えるセミナーを開催。この中で小野寺五典外務副大臣はシー・シェパードの抗議について「このような暴力的な妨害は決して許されるべきではない」と語った。

 

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