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沖縄に複雑な波紋、「綱紀粛正続けて」…米兵不起訴

 沖縄県で女子中学生への強姦(ごうかん)容疑で逮捕されていた米海兵隊員が29日、生徒の告訴取り下げにより不起訴になった。県内では米軍への反発が高まり、日米両政府による再発防止策の策定も進んでいただけに、関係者に複雑な波紋を投げかけた。

 「容疑者を本日釈放した」

 那覇市樋川の那覇地検で午後9時45分から始まった記者会見で、山舖(やましき)弥一郎検事正はこう切り出した。

 記者からの質問は、生徒が告訴を取り下げた理由に集中。山舖検事正は「それを述べることは被害者の心情を害すので差し控える」と硬い表情で繰り返し、最後に「もうそっとしておいてほしいということのようです」と被害者の声を代弁した。取り下げなければ起訴できたかどうかについては、「事案の内容に踏み込むことになる」とかわした。

 事件を担当した県警の幹部は「処分についてコメントできる立場にない」としながら、「性犯罪に関してはこういうことが十分ありうる。初めから想定はしていたが……」と悔しさをにじませた。

 生徒が2等軍曹に声をかけられた現場となった沖縄市の東門美津子市長は「事件の反響が大きく、生徒もつらかったのだろう。ただ、米兵の犯行自体はなくなったわけではないので、国、米軍には二度と起こしてはいけないと強く抗議し続けたい」と話している。

 仲里全輝副知事は「被害者はまだ中学生で、耐えきれなくなったのだろう。察するに余りある。騒ぎが大きくなりすぎたことも影響したかもしれない」と同情し、「米軍の綱紀粛正や日米両政府の再発防止策は深めてもらわなければならない」と強調した。

 超党派での県民大会を計画している県婦人連合会の小渡ハル子会長(78)は「被害者の気持ちは分かるが、告訴は取り下げてほしくなかった。このままじゃ同じような事件はなくなりません」と訴え、「県民大会の開催に支障を来さないか心配」と話した。

 一方、日本政府は釈放に関係なく、米兵不祥事の再発防止策の強化を今後も粛々と進めていく方針だ。

 福田首相は29日夜、「このような事件が起こらないよう、日米協力してしっかりやらないといけない。引き続き全力を挙げたい」と語った。高村外相も「遺憾な事件であることには変わりないので、日米で取り決めた再発防止策をきっちり進めていく方針に変わりはない」と強調した。



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