じゃかるた新聞題字 2008年2月28日(木)のトップ記事全文

ホーム | この一週間の紙面

25年で65%が消える

リアウ州の森林減少

CO2排出量は豪州の6割

WWFインドネシア


 世界自然保護基金(WWF)インドネシアは二十七日、スマトラ島リアウ州の森林破壊と地球温暖化と動植物の絶滅に関する報告書を発表し、インドネシアの森林消失率は年二%と世界最速だが、特に東南アジア最大の泥炭を有するリアウ州では同一一%(二〇〇五─〇六年)と国内で最も深刻で、一九八二年から二〇〇七年までの二十五年間に州森林面積の六五%に当たる四百十七万ヘクタール(北海道の面積の半分)が失われたと明らかにした。
 計八十ページの報告書によると、森林破壊・劣化や泥炭分解・火災によるリアウ州の一九九〇─二〇〇七年の二酸化炭素の平均年間排出量は、〇五年のオランダの年間排出量の一二二%に相当する二億二千万トンで、同年の豪州の五八%、英国の三九%に相当する。
 最近では特に、冠水した状態で樹木やコケなど植物の残骸が数千年以上かけて分解されずに積み重なってできた泥炭上で森林破壊や水路の建設が行われ、泥炭が空気に触れて分解したり、乾燥して燃焼することで長年かけて蓄積された膨大な量の炭素が二酸化炭素として排出され続けている。
 一九八二年から二〇〇七年までの二十五年間の森林減少に伴い生息地を失われた州内のスマトラゾウの個体数は八四%減少して二百十頭に、スマトラトラは七〇%減少して百九十二頭に、森林減少速度を上回る速度で激減した。絶滅が危惧されているスマトラゾウやトラは生息地の減少と分断化により、食べ物を求めて人里への出没回数も増加し、捕獲や殺害される事例も増加。また森林減少により先住民の居住地も脅かされているという。
 WWFは、シナルマスグループのアジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)社とアジア・パシフィック・リソース・インターナショナル・ホールディング(APRIL)の大手国内製紙会社二社が(1)パルプ生産の原料となる自然林を伐採・消費(2)アカシア植林を開発(3)パーム油を採集するためのアブラヤシのプランテーション開発─を行い、二十五年間に森林破壊を引き起こしたと批判。
 今後の森林減少を最小限にとどめるため、取引企業に対しては両社との取引の停止、政府には保護価値の高い森林と膨大な炭素を蓄えている泥炭の保護強化、森林再生、両社には森林伐採の停止と荒地の植林による有効活用を提言している。
 今回の調査ではWWFの二〇〇〇年からの現地調査や衛星写真などを基に北海道大学大学院農学研究院の波多野隆介教授や高階史章博士、ドイツ民間機関の研究者らもデータの解析・分析に参加した。
 報告書を中心になってまとめたWWFの瓜生由美子さんは、日本にも例外なく地球温暖化の影響があるためリアウ州の森林伐採に注視する必要性を強調。「日本全国のコピー用紙の約二〇%がリアウ州を中心に森林伐採を続けるAPP社から輸入されており、日本とリアウ州の森林破壊は大変かかわりが深い。森林伐採の合法性も疑問視されているAPP社との取引を止めた企業も世界各国ですでに出ており、今後も商社やバイヤーへ取引停止を勧めていく」と語った。
リアウ州で張り巡らされた水路でパルプ用の木材が運ばれる。右側の森林が残った泥炭地は伐採された後にアカシアが植えられる見込み=WWF
リアウ州で張り巡らされた水路でパルプ用の木材が運ばれる。右側の森林が残った泥炭地は伐採された後にアカシアが植えられる見込み=WWF







会員ページでは、
すべての記事を全文
読むことができます

>>会員ページご案内

主要ニュース見出し
「粉ミルクがサカザキ菌汚染」
ボゴール農科大の調査に大騒ぎ
保健相「調査は信頼できない」
食品監督庁「消費者は冷静に」
GAM党、マークを変更
「自立」アチェ運動党に
政府や国会の批判受け入れ
新政党登録が終了へ
09年国会議員選挙
メガ─ムティアのペア
09年大統領選で
地元メディアが報道
10兆ルピアの機会損失
優遇税制措置導入で
民事訴訟続行に異議
相続人のトミー氏
スハルト氏の民事訴訟
スドモ氏を事情聴取
スハルト氏の元側近
ランプン虐殺事件
ガルーダ機にトラック追突
ングラ・ライ空港
保険業務を紹介
ボゴール農科大でセミナー
三井住友海上インドネシア
無償資金協力で975万円供与
山の村に生活用水を
日本政府
近くコアラも登場
タマンサファリ
10日間で違反1万8000件
交通安全キャンペーン
警視庁
ユドヨノ大統領
キューバ新体制に祝意
独立旗掲揚で求刑15年
マルク州アンボン
新ゼミ生と研修旅行
中部大の青木澄夫教授

日系企業などを訪問
ジャズの祭典過去最大に

世界のトップ歌手ら1500人

ジャワ・ジャズ、来月7−9日
ベビーフェイス、マンハッタン・
トランスファー、ジェームス・イングラム、
日野皓正、渡辺香津美、
櫻井哲夫、ジャミン・ゼブら
国内ミュージシャンにも注目
ムスリムの恋愛とは?
エジプトのイ留学生が主人公
[Ayat-Ayat
Cinta]
会社帰りのOL2500人が絶叫
バックストリートボーイズ公演
フラッシュ・ニュース











ホーム | この一週間の紙面
 Copyright © PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
 All Rights Reserved.