【社説】韓国大統領、3回目の対日宣言
李明博(イ・ミョンバク)大統領は1日、今年で89周年を迎える三・一節(独立運動記念日)の記念式典でのあいさつで、「歴史の真相から顔を背けてはならないが、過去にとらわれて未来へ向かうことを遅らせることはできない」と述べた。李大統領は就任前にも、「日本に対して謝罪せよ、反省せよなどとは言いたくない。日本は形だけの反省で韓国国民の感動を呼び起こすことはできなかったが、日本も今後は成熟した外交を行うだろうと思う」と述べた。対日関係においては過去よりも未来に重点を置くという宣言だ。
過去において金大中(キム・デジュン)元大統領や盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領も同じような発言を行った。金元大統領は1998年に日本で、歴史問題を克服するという次元で「韓日パートナーシップ共同宣言」を発表した。盧前大統領は2004年に当時の小泉首相との首脳会談で、「自分の任期中には日本に対して歴史問題を取り上げることはない」と言い切っていた。
しかし日本では歴史教科書問題が繰り返され、島根県は「竹島(独島)の日」を宣言した。日本政府は元日本軍慰安婦の女性たちに対してはまったく無関心だ。小泉首相は韓国と中国があれほど反対したにもかかわらず、靖国神社への参拝を強行した。結局、盧前大統領は1年も経たないうちに「日本との外交戦争」を口にするなど、対日政策は180度転回した。
盧前大統領は当時、「今度こそは根本から対応する」とまで発言した。それ以前は「日本の悪い癖を直してやる」と語った大統領もいた。結果的に日本の悪い癖が直されることはなく、根本も変わらなかった。盧武鉉政権は独島水域に韓国式名称を命名しようとしたが、日本から独島近海の水路測定という逆襲を受け、結局は尻すぼみに終わってしまった。
新大統領就任前の日本と就任後の日本が突然変わるということはあり得ない。今後も独島、教科書、靖国、慰安婦問題、政治家の妄言などは続くだろう。そのたびに李大統領の対日政策が注目を集めることになる。
ドイツは日本とは余りにも異なっている。どうすれば日本をアジアのドイツとすることができるのかという問題は、一方の善意や理想だけで解決できる問題ではない。中国も日本から被害を受けた歴史と領土問題を抱えている。しかし中国は日本との新しい友好関係を築きつつある。中国の国力が日本を追い越すだろうという自信を持った中国国民が、国益を考慮した戦略的判断ができるからこそ可能なことだ。福田康夫首相は数日前に中国を訪問した際、北京大学の学生たちの前で、「互恵協力、国際貢献、相互理解と信頼という三つの柱により日本と中国でアジアと世界の未来を創造しよう」と呼び掛けた。中国の発展が続く限り、日本はこのように少なくとも中国の前では急ピッチで「アジアのドイツ」へと変わらざるを得ないだろう。韓国の新政府は韓日関係の現実と本質が何かを直視し、韓日関係の未来を考慮に入れながら政策を進めるべきだ。
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