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医師不足:市立若松病院、内科を規模縮小 入院患者に転院要請へ /福岡

 市立若松病院(若松区浜町1)が今年6月以降、医師不足から内科の規模を縮小することが分かった。市病院局が2月市議会で明らかにした。6月から新規入院を受け付けず、外来診察に充てる医師も現在の4~5人から1~2人程度に減らす方向で調整している。

 病院局によると、同病院の内科にはこれまで、大学病院から派遣された常勤医師6人と、非常勤医師3人がいた。しかし、同じく医師不足にあえぐ大学病院側が5月までに派遣医を大学病院に戻すと通告。市が後任を探したものの見つけられず、規模を縮小することにした。

 6月からの新体制は、非常勤医師3~4人で運営される可能性が高い。このため同院は新規入院患者の受け入れを中止し、2月末現在で48人いる入院患者に、遅くとも5月末までの転院を要請する考えだ。転院先については「今後患者と個別に相談する」(総務課)という。

 平日の外来診察は継続されるが、充てられる医師数が現行の半分以下になりそうなことから、現在1日平均100人前後の外来患者受け入れ数が減るのは避けられないという。

 市立病院の医師不足は深刻で、八幡病院(八幡東区)は救急医療部門の運営体制を見直し、市立医療センター(小倉北区)も、平均在院日数短縮と病床利用率90%以上を目指すなどの対応を迫られている。【平元英治】

 ◇利用者に戸惑い 院長、文書で「申し訳ない」

 若松病院の玄関には29日、院長名で「転院をお願いするか、あるいは入院をお受けできないなど多大なご迷惑をおかけすることになり、まことに申し訳なく思っております。今後とも、内科医師の確保に全力を尽くします」とお知らせが張り出された。

 入院中の知人の見舞いに来た若松区内の主婦(70)は「この地域にはほかに大きな総合病院がない。内科がなくなると困ります」。八幡西区から外科を訪れた男性(61)も「入院患者が多いので内科がなくなったら大変ではないか」と驚いた様子だった。【佐藤敬一】

〔北九州版〕

毎日新聞 2008年3月1日

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