国土交通省が進める霞ケ浦導水事業を見直そうと、専門家や漁業関係者、一般の人たち約170人が1日、城里町桂公民館に集まり、市民団体「霞ケ浦導水を考える県民会議」などが主催するシンポジウムに参加した。
同事業の那珂川取水口建設を巡っては、県内3漁協などが今月下旬に工事差し止めの仮処分を求める訴訟を起こす予定。
長年アユの生態系を研究している「とちぎ地域自治研究所」(栃木県壬生町)の研究者石島久男さんは「導水事業が始まれば水質、栄養分は維持できず、アユなどの餌もなくなってしまう」と訴えた。
参加者からは「アユをはじめとした生態系の研究成果を県民と共有できないか」(水戸市・男性)、「県内外から来る釣り人に、川や生き物の保護を呼びかけたらどうか」(横浜市・男性)などとする意見が出された。