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【グローバルインタビュー】北朝鮮は予期しないワナを仕掛ける (1/2ページ)
このニュースのトピックス:グローバルインタビュー
ニューヨーク・フィルハーモニックの平壌公演について、米国務省、国防総省で朝鮮半島問題を担当、「北朝鮮の交渉戦略」の著者として知られるチャック・ダウンズ氏に見解を聞いた。(ワシントン 有元隆志)
われわれの社会は、経験豊かな外交官でさえ、北朝鮮が合理的な国家になってほしいと願っている。ニューヨーク・フィルハーモニックは米国文化の至宝ともいうべき存在で、われわれは抑圧された北朝鮮の人々に演奏を聴く機会を設けたいと望んできた。だが、明白なことは金正日総書記の目的は体制強化であり、人権抑圧から人々の目をそらすことにある。絶対的な権力を補強するために政治宣伝があるのだ。
このようなリスクがあるとしても、米国がニューヨーク・フィルハーモニックを平壌に送ったのは、公演が北朝鮮の新たな開放につながればとの希望を持っていたからである。もっとも、北朝鮮との交渉で学ぶべきだったのに学んでこなかったことは、米国が期待したものよりも常に見返りは少ないということだ。
北朝鮮はわれわれが予期しないような“わな”をしかける。例えば、1968年に北朝鮮兵士が韓国大統領暗殺を狙って青瓦台襲撃未遂事件を起こした。ゲリラ部隊がソウル市内に入り、銃撃戦で多くの韓国人が死亡した。しかも、予想すらしなかったのは、北朝鮮がこの暴挙に続いて、(その2日後に)米海軍の情報収集艦プエブロ号を、公海上で拿捕(だほ)したことだった。人的影響は少なかったものの、戦略的衝撃は大きかった。北朝鮮は自由社会の最強国である米国から、彼らの目からみればわずか80数人を救う見返りとして、謝罪を勝ち取った。この事件は、今日まで続いている北朝鮮の挑発行為のひとつに過ぎない。
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