オシム前監督「こんにちは」、久しぶりの肉声
「こんにちは」
日本代表イビチャ・オシム前監督(66)の肉声を久しぶりに聞いた。
きょう、オシム前監督は、東京・国立競技場で行われたゼロックススーパーカップ鹿島―広島戦に視察に、突然、現れた。日本代表のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(1月30日)、タイ戦(2月6日)を視察した際には、出入り口を関係者、警備員が二重三重に取り囲み、近づくことはできなかったが、この日は関係者はまばら。
「こんにちは」
オシム前監督の日本語をはっきりと聞き取ることができた。うれしかった。
取材ノートをめくってみると、オシム前監督の肉声を最後に聞いたのは、昨年11月14日のことだった。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝で浦和がセパハン(イラン)を破り、Jリーグ勢として初優勝を飾った。「浦和の名誉は日本サッカー界全体の名誉です」と名将は笑顔で話した。まさか、その2日後に脳梗塞(こうそく)で倒れるとは思っていなかったが…。
まさかのアクシデントから、約3か月半。一時は生命さえ危ぶまれたが、強じんな肉体と精神力によって、確実に回復している。きょう、目の前で見たオシム前監督の顔色は、約1か月前のボスニア・ヘルツェゴビナ戦の時よりも明らかに良かった。車で送り迎えした日本サッカー協会関係者も「元気すぎるくらいだよ」と、うれしそうに話した。
「こんにちは」
それ以上の肉声が聞ける日は近いだろう。楽しみだ。(日本サッカー協会担当・竹内 達朗)
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