【ローマ=松浦一樹】中国からイタリアに昨年輸入されたステンレス鋼材約30トンから、放射性物質コバルト60が検出されたため、伊警察当局が押収、搬入ルートなどについて捜査していることが分かった。ANSA通信が1日、伝えた。
問題の鋼材は昨年5月、同国北部の商業港ラスペッツィアに陸揚げされたもので、イタリアの鋳物工場が中国の大手製鉄所から輸入した鋼材の一部。
警察では、鋼材の製造過程でコバルト60が混入した可能性があるとみて、国際刑事警察機構(ICPO)に通報したという。
コバルト60は人工的に造られた放射性物質で、半減期は5・27年。ガンマ線源として用いられ、がん治療など医療用のほか、工業用としても広く使われている。