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地域保健医療福祉推進協が定例会〜遠紋圏医療の中核は「遠軽厚生病院へ」
(3月2日付け)
 北海道総合計画に連動した北海道保健医療福祉計画が平成19年度で終了することから道では平成20年度から向こう10年の「新らしい保健医療福祉計画」を進めているが、これらと連動した各種の医療計画では、2次医療センター病院として位置づけられている紋別道立病院の機能が同じセンター病院である遠軽厚生病院へのシフトする流れになっていて西紋地域では危機感が強まっている。
 遠紋地域の保健医療福祉政策を総合的に行おうとするため、遠紋の市町村長や医師会や社会福祉協議会メンバーからなる遠紋地域医療福祉推進協議会(地推協、会長・宮川良一紋別市長)の定例会が29日、市文化会館で開かれ、紋別地域保健部(紋別保健所)から道の取り組みなどが報告された。
 現在道が策定を進めているのは「新しい保健医療福祉計画」(仮称)と「北海道医療計画(仮称)」、「北海道周産期医療システム整備計画」(改訂版)、「小児科医療の重点化計画」(構想)、「自治体病院等広域化・連携構想」。各計画は平成20年度から平成29年度の10年間。今年3月までに策定される。
 これまでの医療整備推進計画では比較的高度で専門性の高いサービスを提供する概ね保健医療のサービスの完結を目指す地域単位を第2次保健医療福祉圏としている。当地域では遠紋が1つの圏域となり、地域センター病院として「道立紋別病院」と「遠軽厚生病院」を指定し整備に当たってきた。新たな計画でも遠紋地域を2次医療圏としているものの療養病床と一般病床の基準病床を既存の1238病床を850床と大幅に減らした試算をしている。
 北海道周産期医療システム整備計画(改定版)では医師の減少から3医育大学などから医師の派遣をうける病院を序列化し、地域周産期センターにおいても@優先的かつ重点的に医師の確保を図るものB優先的に医師確保を図るものB産科医療を提供するものとに分けて医師確保の優先順位を付けている。遠紋圏では遠軽厚生病院をAとし、紋別道立病院はBの扱いとなっている。紋別道立病院の産婦人科医の減員分を遠軽厚生病院に産科医を集中する現実を見捉えてたものとなっている。
 さらに「小児科医療の重点化計画」では医師確保に向けて新たに重点化病院が位置づけられる。遠紋圏では遠軽厚生病院を指定している。これまで遠紋圏では東紋地域は遠軽厚生病院、西紋地区は紋別道立病院がそれぞれセンター病院として同じ力点がおかれてきたのだが…。
 素案に対して宮川良一紋別市長ら地推協は2つの病院を等しく重点化病院とすることを訴えてきたが、道はあくまで重点化病院は遠軽厚生病院とするとしている。
 紋別道立病院への医師手配が後順位となれば小児科までが廃科の恐れがあり、道立病院そのものの存立さえ危ぶまれる。
(遠紋の首長や医療・福祉関係者が集まった遠紋地域医療福祉推進協議会定例会=写真=)

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