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【岐阜】

患者減少医師不足、来月から休診 関ケ原病院小児科

2008年3月2日

4月から小児科が休診となる関ケ原病院=関ケ原町で

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 関ケ原町の国民健康保険関ケ原病院の小児科が、患者数の減少を理由に4月から休診することが1日、分かった。数年前に常勤医師が不在となり、非常勤による外来診療を続けてきたが、近隣での小児クリニックの新規開業もあり、患者の流出に歯止めがかからなくなっているという。同病院は「地域の小児医療環境は充実しており、休診の影響は少ない」としている。

 1952(昭和27)年に開設された小児科は、岐阜大付属病院から常勤医師の派遣を受けていた。しかし、新しい医師臨床研修制度の余波で地方に赴任する医師が減り、常勤医師の派遣がストップ。2002年6月から、3人の非常勤医師が交代で週3日、午前のみの外来診療にあたっている。

 「小児科の患者は、急に調子が悪くなったときに診てもらうケースが多いので、非常勤では難しい。また、行くたびに医師が変わってしまったら、患者は定着しない」と瀬古章院長。近隣に小児クリニックが新たに開業した影響も大きく、患者数はここ数年で激減した。

 月間患者数の平均は、05年には249人だったが、07年は46人にまで減った。1日に2、3人しか患者が来ない計算となる。

 病院経営が苦しいことも、休診を決めた理由の一つ。1950(昭和25)年に開設した同病院は内科、外科、歯科など22の診療科を備え、ベッド数は計175床。町内をはじめ、隣接する垂井町や大垣市上石津町、滋賀県米原市などから患者が集まるが、赤字決算が慢性化している。

 小児科の専門医がいる医療機関は、関ケ原病院のほか、不破郡内に3施設。入院・救急患者は大垣市民病院が受け入れているため、休診による患者への影響は少ないとみられる。健診や予防接種などの保健衛生業務は、従来のまま続けていく方針。

 瀬古院長は「地域医療の一環として、常勤医師が確保できるようであれば、すぐに再開したい」と話しているが、めどは立っていない。

 (大垣支局・河郷丈史)

 

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