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6カ国協議:北朝鮮代表、米にウラン濃縮問題の分離要求

 6カ国協議の北朝鮮首席代表を務める金桂冠(キムゲグァン)外務次官が、「ニューヨーク(NY)・フィルハーモニック」の平壌公演に同行したペリー元国防長官らに対し、シリアへの核拡散疑惑やウラン濃縮問題について「速やかな解決は困難だ。後回しにしたい」と述べていたことが1日、分かった。まずプルトニウム保有量を申告し、その他の事項を分離することで、6カ国協議の早期再開を求めたものとみられる。

 ペリー氏とともに訪朝したエバンズ・リビア元米国務次官補代理(コリア・ソサエティー会長)が、東京都内で毎日新聞の取材に答えた。

 リビア氏によると、金次官との意見交換はNYフィル公演当日の先月26日に行われた。民間人の立場で出席した米側は「後回しなどあり得ない」と反論。「今の機会を逃さずに(交渉を)進展させるべきだ」と強調した。

 金次官は「(見返りの)重油供与は遅れ、(米国の)テロ支援国家指定解除も行われていない」と不満を表明。「あまり欲張らないでほしい」とライス米国務長官に伝えるよう求めたという。

 6カ国協議は昨年10月、同年末までに北朝鮮がすべての核計画を申告することなどで合意した。米国は(1)プルトニウムなどの核物質保有量(2)ウラン濃縮問題(3)シリアへの核拡散疑惑--を含む「完全な申告」を求めているが、北朝鮮はこれに応じず、こう着状態に陥っている。

 米国は、対立点となっている「拡散問題を討議するため」(ライス長官)、ヒル国務次官補を先月末に続き、1日も6カ国議長国・中国に派遣、分離申告も含めた事態打開策を探っている。

 一方、NYフィル訪朝時の調整役も務めたリビア氏は、北朝鮮側の対応について「驚くほど気前よく、こちらの条件を受け入れた」と明かした。具体的には、NYフィル側が要請した北朝鮮国内でのテレビの生放送や、両国の国歌の演奏、指定した通りの音響工事などを挙げた。リビア氏は「米朝協力の可能性を示すことができた」と公演の意義を強調した。【米村耕一】

毎日新聞 2008年3月2日 2時30分

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