Archives [Full Details] - B / 221 Albums
Jacket B.B.STEAL 60
On the Edge (1991)
可も不可もないが、デフ・レパくりそつは困り者。

Jacket BABYLON A.D. 76
Babylon A.D. (1989)
良さそうなものは持ってるのに、R&Rに逃げてしまうので心配。

Jacket BABYLON SAD 78
Kyrie (1994)
呪術の香りに包まれた、テクニカルなプログレッシヴ・デス。Gすんげーうまい。

Jacket BACKSLASH 74
Insanity (2001)
女性シンガーをフィーチュアした80年代初頭型ジャーマン・パワー・メタル。
チョイ垂れ巨乳を強調した Bitch 系風貌ながら意外とロリ・フェイスな Heike Grebita 嬢の歌声は多分に Doro 風なこともあって、その音像はいかにも WARLOCK 的。
パワー一辺倒ではなく、キャッチーなメロディの端々にちょっとしたさり気ない女性らしさを滲ませるあたりや、ツボを得たメロディ運びには耳を奪われるが、ツインギターを配しつつもいささか類型的な楽曲展開にはチト醒めぎみ。

Jacket BAD ENGLISH 87
Bad English (1989)
曲良し。高水準の産業ロック。

Jacket BAD ENGLISH 65
Backlash (1991)
1STはいいのに、この2NDは全然だめ。なぜ?

Jacket BAD HABIT 80
Revolution (1995)
元気係HRを基本にしながらも、北欧の哀愁も忘れない。安定した演奏も魅力。

Jacket BAD HABIT 74
Adult Orientation (1998)
髪を切ったせいか、はたまたそのものズバリのアルバム・タイトルのせいか、前作までの元気系の正統派北欧メタル的なイメージは完全に払拭されたが、その全体に深みを増した落ち着いた音像/アレンジは、BADHABIT が以前から放射していたグッド・メロディの魅力を増しこそすれ、なんらマイナスではない文句なく「成長した」と確信できるものだ。
希望に満ちた明るい空気に包まれながら端々に仄かな愁いを振り撒く、暖かみあるシャープな楽曲は、シンガー Bax Fehling の力強くも繊細さと温かさを伝える声質・唱法のせいもあって、時に FAIR WARNING のソフト・サイド的な感触を得ることもある。
テクニシャン Sven Cirnski がマイルドでありながら芯のある北欧HR的音色で弾く叙情ソロの詫び寂びも、悪い物が落ちて清らかになった心にグッと迫ってくる。
・・・とメッチャ誉めつつ、もっと噎せ返るような哀愁漂うのが好みな私としては、こんな点数でドーモスイマセン。((c)三平師匠/苦笑) でもホント、悪かないですヨ。

Jacket BAD HABIT 82
Hear-Say (2005)

スウェーデンのメロディック・ハード・ロック・バンド BAD HABIT の7年振りとなる 4th アルバム。

前作で感じた「A.O.R. 化した FAIR WARNING」なスタイルから大勢の変化はないものの、ところどころで目立つ今更ぁ?な90年代的ダーク&ヘヴィ風味のせいもあってか、随分と「ちゃんとハード・ロックしてる」印象だ。

力強く伸びながら侘び寂びを操る Bax Fehling (vo) の明快な歌唱と Sven Cirnski (g) のウェットなギター・ワークがリードするウォームかつ透明感に満ちた北欧ハード・ポップ/ロックは、一聴するに「あぁ〜やっぱこーゆーのはいいよなぁ〜」と蕩けそうになるもので、地に足の着いたアダルト風味と前述の復活したハードなフィーリングのバランスが品質高く交わる様がなんとも心地良いんだよなぁ。

ってか、Sven Cirnski ってば、その北欧のギタリストらしいテクニカルな見せ場を交えながらのコシと粘りのあるエモーショナルなプレイに聴き惚れてたら、Richard Andersson の近作 "The Ultimate Andersson Collection" でも弾いてた元 SNAKE CHARMER のその人だったんだ!?(無知 ^-^;)  (Dec. 29, 2005)


Jacket BAD MOON RISING 73
Bad Moon Rising (1991)
いい曲とつまらん曲の差がある。Gダグは良い。

Jacket BAD MOON RISING 70
Blood (1992)
哀愁が似合うはずなのになぜかそれをしないのが不思議。

Jacket BADLANDS 91
Badlands (1989)
レイギランのVに尽きる。凄いっ!乾いた音で疾走する各曲もグー。

Jacket BADLANDS 76
Voodoo Highway (1991)
よりマニアックな方向へ行ってしまった。

Jacket BAI BANG 71
Cop to Con (1991)
北欧の美味しいメロディはたまに顔を出す程度。悪くはない。

Jacket BALANCE OF POWER 78
When the World Falls Down (1997)
かっちりまとまった正統派パワーメタルよりのHR。

Jacket BALANCE OF POWER 84
Book of Secret (1998)
シンガーとギタリストという、HM/HRバンドにおいては「顔」とも言える部分を共にチェンジしての、まさに「再出発」にふさわしい力作。そのメランコリックなフィーリングたっぷりのドラマティックなハードロックは、80年代の英国の伝統を今に伝えることに成功している。(英国特有の「ダサさ」は未だ残ってはいるが・・・)
前作 "When the World Falls Down" は、メタルバンド然としたエッジの立ったメタリックなリフにまとわりつくPOPな部分が、どうにも中途半端な印象を植え付けていたが、本作では同様なPOPパートが、いい意味での「キャッチーさ」として機能するようになったのが最大の収穫。
この成功の何もかもが新メンバーによる活性の成果だろう。個性的とは言い難いものの明快で良く伸びる Lance King の声は、聴く人を惹き付ける何かしらスペシャルなものを持ち合わせているし、Pete Southern (ex.VANDAMNE) のツボを得たネオクラシカル・ギターヒーローぶりは全く持って頼もしいの一言で、その扇情的なフレーズの数々は、出来の良い楽曲と共に本作の最大の聴き所となっている。

Jacket BALANCE OF POWER 69
Perfect Balance (2001)
British Dramatic Metal BALANCE OF POWER の 3rd Album。
Band の新しい顔として定着した感のある Lance King の分厚い Chorus Harmony を纏ったハイ・トーン Vocal、そして Pete Southen による Neo=Classical に熱く攻める Guitar が乱舞する出来のよい楽曲、各 Member の演奏の安定した Quality、迫力ある Sound Production、幻想的な Artwork、そしておまけに恵まれたルックス・・・と、パッとしないその Band Name 以外は(汗)ほぼすべての要素が A 級の佇まいを見せている。
にも関わらず、全ッ然響いて来ないんだな。(涙)
重厚な正統派 Dramatic Metal を看板に掲げているように見えて、中途半端な Hard Pop Band が正体であるかのような一般層を狙ったと思しき変な色気の出し方(決して Catchy な Pop Feeling が聴けるからという安直な理由でなく、もっと根本的なものを感じる)や、前作でも Debut Album でも感じた「ダサさ」・・・っていうか、Break の入れ方一つにしても現代 Metal の何たるかをよく解ってない感じがするんだよね。オレだけだと思うけど。
そてにしても、ふと思ったんだけどこの Band、メチャクチャ Zero Corporation 向けじゃない?(苦笑) もし今 Label が存続してたら、絶対花形 Band だって。
ってゆーかってゆーかってゆーかぁ、同日リリースの HELLOISE となぜかジャケ被ってるンデスけど!(苦笑)

Jacket BALANCE OF POWER 77
Heathen Machine (2003)
英国産正統派ヘヴィ・メタル・バンド BALANCE OF POWER の 5th アルバム。
「正統派ヘヴィ・メタル・バンド」と言われつつメロディック・ハードへの色気が妙な中途半端さを感じさせていたこれまでの作品と比較して、本作はそのあたりの迷いが解消された感のある、これまでになくメタリックな方面に焦点が絞れてる印象。
スマートな旋律感で包み込まれた硬質なエッジがタフにドライヴする緻密に構築された楽曲群は、前任の Lance King よりシンガーの座を譲り受けた新シンガー John K の歌唱が Geoff Tate (meets Bruce Dickinson) な風味に満ちていることもあって、音像的には「プログレッシヴ・メタル・バンド」のソレに近付いたと言えるかも。
破綻を感じる部分が皆無の相変わらずクオリティ激高なそのサウンドは、Pete Southern (g) のネオ=クラシカルなテクニカル・ギター・ワークも過去最高な勢いで乱舞しまくってたりする、要素的にはマジで My ツボど真ん中な逸品であるハズなんだけど、これまで同様にどこか優等生過ぎる部分が退屈さを運んできているのもまた事実なんだよな・・・。
ホント、内容的には確実に平均点以上の悪くない出来だけに、その「普通さ」が足を引っ張るってのにちょいとやり切れなさを感じてみたり・・・。
ってか、いっつも思うんだけど、このバンドってイメージの湧きづらいバンド名が最大の弱点なんちゃうの?(汗)  (Dec. 24, 2003)

Jacket BAL-SAGOTH 90
Battle Magic (1998)
この思わずウハハと笑ってしまうほどの極端なまでのファンタジックな雰囲気はどこかで・・・ そうだ! RHAPSODY だ! それどころか本作のいわんとするドラマ性は、その RHAPSODY をも上回っているかもしれない。
英国の暗黒鋼鉄騎士団 BAL-SAGOTH の新作は、まるでフル=オーケストラ楽団の中でBLACKMETAL バンドが演奏している如きのゴージャスな音像の中、圧倒的スケールで一大ファンタジー絵巻が描かれている。
考え得る限りのシンフォニックなアレンジを施した疾走するメロディック・ブラック・メタル・ナンバーの数々は、合間に挿入・配置されたS.E.(どう聴いても出来の良い交響曲の一部だ!)と共に、中世を舞台としたファンタジー映画のサウンドトラックをも上回るクオリティで聞き手に迫ってくる。流れ出るメロディの出来もかなり美味しいもので、その哀しくも勇壮な旋律には、思わず胸を掻き毟られてしまう。
ドラマーが本職でありながらすべての楽曲の作曲とシンセによるオーケストレーションを手がける Jonny Maudling の才能も絶句モノであるが、何といっても特筆すべきは、デス=ブラックシーン屈指の詩人である、語り部 Byron Roberts の描き出す物語である。詩的な表現を編み込んだその出来の良い歌詞はさすが英国人というべきか・・・

Jacket BAL-SAGOTH 86
The Power Cosmic (1999)
衝撃のシンフォ・ワールドを展開してくれた前作、"Battle Magic" が「ディズニー・デス」とすれば、この新作はその宇宙ロボっぽいジャケから受ける印象からか、「スペース・ウォー・デス」って塩梅でしょうか。Byron も今度はライト・サーベル持ってるし。(笑)
いやはや、相変わらずの大仰さに満足、満足。そのうえ本作では前作よりもメタルっぽさ激増で、それぞれの楽曲がきちんッと「ヘッドバングさせてくれドコロ」を心得ているのが、なんとも高ポイント。
しかしこのクオリティ高きシンフォニック・チューン群のすべて創り出す鍵盤野郎 Jonny Maudling って、ホントに凄いわ。何者なんだろう!
全40分と短いのがチョットもの足りないが、「やっぱ英国!」という誇りに満ちた、壮大なる名作だと思うわ、コレ。

Jacket BAL-SAGOTH 81
Atlantis Ascendant (2001)
もはや「BAL-SAGOTH 節」として定着した感のある超ゴージャスなコズミック・シンフォニーは、今回も相変わらずの凄絶なるクオリティ!
・・・なんだけど、正直ここまで代わり映えしないと、サスガに飽きてきちゃいました。(汗) この路線では "Battle Magic" で極めちゃってるからねぇ。もしコレまでの BAL-SAGOTH の記憶を喪失させた状態で聴いてたら、きっと92点くらいなんだろうけど。(苦笑)

Jacket BAL-SAGOTH 85
The Chthonic Chronicles (2006)

True Kings of Bombastic Baroque Britannic Battle-Metal バンド(長い!/笑)BAL-SAGOTH が5年振りに放つ待望の 6th アルバム。

Wacken 2004 で体験した「あ〜ぁ、観なけりゃよかったよ…」的な激ショボ・ショウの悪印象から、本来なら期待高まりまくりのハズだったこの久々の新譜にもイマイチ食指が伸び辛くなってたけど・・・こうしてスタジオ作では完成度高く仕上げてくるのはやっぱり流石だなぁ。

ド派手なオーケストレーションを伴ったシンフォニック・ブラックの上で、Byron 先生の朗読ヴォイスが古語を交えながら H.P. Lovecraft インフルエンスな文学的暗黒歌詞世界をミステリアスに綴る超ドラマティックな一大叙事詩は、これまでと全く不変の BAL-SAGOTH 以外の何者でもない出で立ち。 本作は初期に通じるアグレッシヴなブラック・メタル色を随分と取り戻しているようで、そのせいで前々作 "The Power Cosmic" 〜前作 "Atlantis Ascendant" で強く感じられたマンネリ感がいくらか軽減された感じがするのが好印象だ。

最初、オーケストレーション/メタル・パート双方から感じたやや軽めのチープさに前述のライヴ時の悪夢が脳裏をよぎったりしたけれども、中盤 #4 "The Obsidian Crown Unbound" あたりから爆発的に盛り上がり始め、完ッ全に映画音楽な #9 "To Storm the Cyclopean Gates of Byzantium" を頂点としてラストのデビュー作への回帰を暗示する終曲 #12 "Return to Hatheg-Kla" まで一気に雪崩れ込む怒涛のスペクタクルは、結果的にスゲー楽しめたデス。 今後リピートするにつれ色々見えてきそうな奥深さアリな所も◎。

DRAGONFORCE に移籍した Dave Mackintosh (dr) の穴は、後任に就いた Dan Mullins (dr/THE AXIS OF PERDITION) の凄腕っぷりのおかげで全く影響ナッシング。  (Apr. 10, 2006)


Jacket BALTIMOORE 76
Double Density (1993)
北欧にしてはストレートなHR。テクニック派のGはいいかも。

Jacket BALTIMOORE 84
Orginal Sin (2001)
北欧ハード・ロック・バンド BALTIMOORE 久々の新作は、ギタリストの座に北欧随一の名手 Thomas Larsson を再び据えたと聞いちゃあ、外すわけにはイカンでしょう。
収録された楽曲は DEEP PURPLE ライクなオルガンを掻き鳴らしながらの疾走チューンから典型的な北欧哀愁メタル、ブルージーなバラード、そして横須賀あたりの米軍バーの全部で3畳あるかないかのステージで演奏されているかの如きアダルトなオールド・ロックまで、ヴァラエティに富んでいるが、Bjorn Lodin の独特なハスキーなケロケロ蛙声のために意外なほど統一感がある。
「北欧の David Di Pietro 」の異名をとる(とってないない/笑) Thomas Larsson のソウルフルかつテクニカルなアメイジング・プレイは言わずもがな!

Jacket BALTIMOORE 73
Ultimate Tribute (2004)
スウェーデンのメロディック・ハード・ロック・バンド BALTIMOORE によるロック・クラシックスのカヴァー・アルバム。

1. Kill The King (RAINBOW)
2. Rock Candy (MONTROSE)
3. Beggars Day (NAZARETH)
4. Never Say Die (BLACK SABBATH)
5. Samurai (MSG)
6. Freedom (JIMI HENDRIX)
7. She (KISS)
8. Love Child (WHITESNAKE)
9. Mississippi Queen (MOUNTAIN)
10. Solid Gold Brass (SWEET)
11. Riff Raff (AC/DC)
12. The Rocker (THIN LIZZY)

#5 "Samurai" の選曲の意外さが嬉しかったりするんだけど、中心人物であるシンガー Bjorn Lodin の特徴的な潰れ気味の声が相変わらず違和感を感じさせていたり、全体的なアレンジからイマイチ「愛」が感じられなかったり・・・と、アルバム全体の出来としてはウーンな感じ。。。
だけど、大好きな Thomas Larsson が弾いてるギター・パートが存在してるってだけで全然アリっすわ。アリアリ。
Thomas Larsson って、ブルージーなエモーションと北欧のクラシカルなエッセンスのバランスがホント理想的なんだよなぁ。  (Jan. 29, 2004)

Jacket BANCO DEL MUTUO SOCCORSO 76
Come in Un'ultima Cena (1976)
イタリアンプログレの名作。構築美がものすごい。

Jacket BANGALORE CHOIR 86
On Target (1992)
期待に反して?すごくいい。LAメタルの王道。Gいいっすよ。

Jacket BARILARI 83
Barilari (2003)
RATA BLANCA のシンガー Adrian Barilari のソロ・アルバム。
RATA BLANCA での盟友 Walter Giardino (g) の他、Emppu Vuorinen (g), Jukka Nevalainen (dr), Sami Vanska (b) という NIGHTWISH の3人、そして Jens Johansson (Key) という驚きの布陣で制作された本作は、元鞘 RATA BLANCA に通じるチョイと様式入ったオーソドックスな80年代風ハード・ロック/ヘヴィ・メタル。
ほとんどが英詞ながらスパニッシュ風味な癖を端々に滲ませる Adrian の歌唱は、多少の違和感を感じつつも、聴くほどにその老獪な表現力で歌われるメランコリックなメロディに心を奪われる味わいアリ。
楽器陣の働きも申し分なく、2人のギタリストがテクニカル&エモーショナルに綴るクラシカルな旋律はスリリングに響いてくるし、普通だったらやや野暮ったさを感じるだろうオールド・スタイルの楽曲をシャープな音像に仕上げた NIGHTWISH のリズム隊の仕事も実に見事だ。
そして何といっても Jens Johansson がマジ素晴らしい! 全編に亘って彼独特のトーンがコレでもかと弾きまられる様は、Adrian には失礼ながら本作の主役とさえ思えるほどに魅力的で、ココ最近の Jens のプレイの中ではベストなパフォーマンスと思えるテイクがてんこ盛りなのがとにかく嬉しいわ。  (Aug. 10, 2003)

Jacket BARILARI 60
Canciones Doradas (2007)

アルゼンチンのベテラン・ハード・ロック・バンド RATA BLANCA のシンガー、Adrian Barilari が有名ロック曲の数々を歌い上げるカヴァー・アルバム。

聴き慣れた名曲がスペイン語の歌詞で歌われるその様が、南米バンド独特の魅力を通り越して馴染み難い違和感を生んでいるのが難点。 珍品としては面白くなくもないが・・・。

1. Todavia No Encontre Lo Que Estoy Buscando (I Still Haven't Found What I'm Looking For) / U2
2. Como Yo Nadie Te Ha Amdo (This ain't a Love Song) / BON JOVI
3. Amor De Mi Vida (Love of My Life) / QUEEN
4. Para Estar Contigo (To be with You) / MR. BIG
5. Ni Un Segundo Quiero Perder (I Don't Want to Miss a Thing) / AEROSMITH
6. Angel / ROBBIE WILLIAMS
7. Asi Es La Vida (That's Life) / FRANK SINATRA
8. Pasion Prohibida / ALIANZA
9. Fragilidad (Fragile) / STING
10. Todo Lo Que Hago Lo Hago Por Ti (I Do It for You) / BRYAN ADAMS

ちなみに、RATA BLANCA から Hugo Bistolfi (key) がゲスト参加。  (Jan, 16, 2008)


Jacket BARONESS 84
Red Album (2007)

米ジョージア州のヘヴィ・ロック・バンドの BARONESS の1stフルレンス・アルバム。

豪胆に爆発する原始的なパワーとアンビエントなアトモスフェアが交歓するアーティスティックなサウンドの壮大なスケール感からは、デビュー作にして既に堂々たる風格が漂っている。

プログレッシヴな浮遊感の中でグルーヴするヘヴィなロック・ボトムとツイン・ギターのアンサンブルが醸し出す70年代っぽさがメッチャ心地良い。 MASTODON より好きかも〜。  (Nov, 02, 2007)


Jacket BATON ROUGE 73
Shake Your Soul (1990)
アンサンブルがすごくいい。ラジオサウンドながら、聞き入ってしまう。

Jacket BATTLELORE 87
...Where the Shadows Lie (2002)
Weapons! Weapons! Magical Weapons! Weapons!

フィンランドから突如出現した True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE は、もし RHAPSODY のメンバーがこの BATTLELORE の存在を知ったら号泣しながら地団駄踏んで悔しがることが容易に想像できる究極の「ロール・プレイング・メタル」。
なんつっても、メンバーが

Thrangull (Miika Kokkola : Bass)
 種族:Human
 職業:Fighter
 武器:Hand-Axe, Shield

Lalaith (Kaisa Jouhki : Female vocals)
 種族:Wood-Elf
 職業:Ranger/Scout
 武器:Longsword, Hunter's Bow

Scaurum (Jyri Vahvanen : Guitar)
 種族:Human
 職業:Magician
 武器:Spells, Staff

Uglur (Henri Vahvanen : Drums)
 種族:Half-Orc
 職業:Thief/Assassin
 武器:Dagger, Knives

Halltar (Maria : Synthesizer)
 種族:Half-Elf
 職業:Sorceress
 武器:Spells

Azog (Patrik Mennander : Clean male vocals)
 種族:Uruk-hai
 職業:Warrior
 武器:Battle-Axe, Mace

Gwaeron (Tommi Havo : Raging vocals, Guitar)
 種族:High-Elf
 職業:Paladin
 武器:2xBroadsword

ってな、鎖帷子の戦士/美しきエルフ嬢/手から光線発する魔導師/小賢しげな盗賊半オーク/超美女な半エルフ魔女/全身緑色のオーク戦士/とんがり耳で顔色の悪いエルフ剣士・・・の7人パーティだもの。(苦笑)
で、そんなこけおどし臭いコスプレ軍団が繰り広げる、J.R.R.Tolkien の名作「指輪物語」をモチーフにした古代の剣と魔法の世界はきっとイロモノ寸前の失笑ファンタジー・メタルに違いない・・・と思いきや、これが驚くことに意外にもまとも・・・ってゆーかハイ=クオリティとさえ言えるヘヴィでメタリックな力強さを打ち出した上質な音世界。
ファンタジー系によくあるオーケストラル/クラシカルなシンフォニック・アレンジはホンの味付け程度に控え、ダーク・メタルなリフ攻撃に耽美ゴシックの暗黒美が絡みこれまた意外にもインダストリアルなデジ=ロックの風味までもを垣間見せる多彩なる表情は、まさにドラマティックで、余裕あるテクニックと細部まで気を遣ったクリアなプロダクションが見事な安定感を与えている。
このファンタジーの語り部となっているのはデス・ヴォイス、クリーン・ヴォイス(緑色のクセに!/笑)、そして女声なんだけど、このとんがり耳を持つキュートな Lalaith@Kaisa 嬢の声色そして歌われるメロディがホントに超ストライクなんだよね。特に "Journey to Undying Lands" なんかでのフワフワながら芯の通った声がたまんネーっすよ。メッチャ好みだっつーねん!
まぁギター・ソロらしいギター・ソロが殆どないのをはじめ、楽器陣のスリリングな見せ場という意味では少々物足りなさが残るのがチョットだけ残念ながら、この馬鹿馬鹿しい突き抜け方は天晴れ天晴れ。メタル人生のなかで忘れられない一枚になりそうだ。

Jacket BATTLELORE 87
Sword's Song (2003)
フィンランドの True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE 待望の 2nd アルバム。
種族やら職業やら使用武器やらといった馬鹿馬鹿しくも面白すぎるクレジットは姿を消し、メンバーの名前表記も源氏名から普通の人間の名前に。(笑) ただし、メンバーショットだけは前作以上にコスプレ度大幅アップ。エントやゴラムになってるヤツまでいて(笑)いったいどれが誰なんだか・・・もう全然わかんないッス!
で、肝心の音楽の方なんだけど(苦笑)、ゴシック色もありながら実はモダンなデス・メタルな側面が強かった前作と比較して、本作は正統メタル寄りのヘヴィなシンフォ・ゴシック風味をグッと増した印象。
小気味良いリズムで刻まれるヘヴィ・リフを包み込む、あるときはシンフォニックにあるときはデジタルにと楽曲の空気を支配するが如く活躍する Maria 嬢のキーボード・ワークが「より風景的になったんじゃん?」って感覚を醸し出す楽曲は、暗黒風味をやや減少させその代わりに洗練されたメロディックな構築美を強調したもので、上手く活字にはできないけれどその音像にこの BATTLELORE 独特と言える佇まいが備わりつつあるのが、なんだかイイな。
なんといっても嬉しいのは前作では数曲でのみ聴かれた尖り耳の女声シンガー Kaisa Jouhki タンの激萌えなフワフワ・ヴォイスが全曲に亘って響き渡っていることで、メランコリックにドライヴするノリノリ・ゴシック #4 "Buccaneer's Inn", #10 "Forked Height"、壮大なプロローグ #8 "Horns of Gondor" に続くヘヴィかつアトモスフェリックな #9 "The War of Wrath" あたりの可憐な歌いまわしにゃオジサンもうタマンナイぞコリャって感じデス。
そんな Kaisa 嬢と絡みを見せる前作ではウルク・ハイ役だった(笑)男性シンガー Patrik Mennander の男声も、普通声と濁声を適度にミックスした非常に聴き易いものになっているし。
疾走することもなく派手さにはイマイチ欠ける堅実な楽曲は一聴して地味に映るが、確かなクオリティに支えられたそのヘヴィで緻密な寓話世界は、聴けば聴くほどにのめり込んでゆくのですわ。(^^)  (May 26, 2003)

Jacket BATTLELORE 78
Third Age of the Sun (2005)

フィンランドのファンタジック・デス=ゴシック・メタル・バンド BATTLELORE の 3rd アルバム。

ゴシッキーにドライヴする硬質のヘヴィネスをファンタジックなシンフォニーでうっすらと包み込んだミドル・テンポの楽曲が持つ独特の雰囲気は健在なんだけど、なんだか前2作で感じられた「スペシャルな響き」が聴こえて来なくなっちゃったような?

せっかくとがり耳の歌姫 Kaisa Jouhki タン(ちょっと太った?)による魅惑のフワフワ・ヴォイスが映える BLACKMORE'S NIGHT に通じるメロウな叙情パートが大幅に増加したのに、そのパート単位には「ヲヲヲ!」と身を乗り出しつつ、楽曲としての淡白な展開にその悶絶は長く続かなかったり・・・。

うーん、惜しい。 非常に惜しいわ。 コスプレも飽きてきたしなぁ。(汗)  (Sep. 26, 2005)


Jacket BATTLELORE 84
Evernight (2007)

フィンランドのファンタジック・ゴシック=デス・メタル・バンド BATTLELORE の4thアルバム。

本作は、その見栄えがすっかり普通のカッコイイ人間7人組になってしまったと同時に、音の方にも「本格派」の香り漂うダークなシリアスさを滲ませ出した意欲作。

一聴するにやや地味になったような印象も受けるけど、中途半端なフワロリ歌唱が逆に魅力な Kaisa Jouhki タン (♀vo) と意外な漢気を放つデス・ヴォイスを武器とする Tomi Mykkanen (♂vo) のデュエットをはじめ、これまで堅実に楽曲の体を形成するに留まっていた各メンバーのプレイがアーティスティックな表現力を発し始めたのはカナーリ高ポイント。 それらが全編で描くタメの効いた荒涼感は、なかなかの美味しさだ。

てかね、聴く度に去年の Wackenで 見た Kaisa タンの微乳っぷりが瞼の裏に浮かんできて、トテーモ切なくなるんデスケド。。(苦笑)  (Mar, 07, 2007)


Jacket BBM 86
Around the Next Dream (1994)
夢の顔合わせ! ゲイリーの持ち味が十二分に発揮されたおとなのブルーズロック。

Jacket BEATLES 84
Oldies (1966)
中学のときよく聞いた。

Jacket BEATS WORKING 68
Calm (2000)
Burrn!の新宿レコードの広告に書いてある通り、GARY MOORE"Wild Frontiers" ・・・・というより近年の DARE を思わせる哀愁のケルティック・ハードエッジド・ロック。
基本的には、それっぽい曲が入ってる、普通のポップ/ロックバンドってとこなので、死ぬほど退屈な曲も入ってますのであしからず。

Jacket BEAU NASTY 59
Dirty But Well Dressed (1989)
ところどころはいいが、全部は辛い。Gはうまそう。

Jacket BEFORE THE DAWN 77
Deadlight (2007)

フィンランドのメロディック・ダーク・メタル・バンド BEFORE THE DAWN の4thアルバム。

ゴシック・メタル色が強かった初期から作毎に徐々にメロディック・デス風味を増加させていった結果、本作では暗黒面に染まった SOILWORK がメランコリックな悲哀系ゴシック・メタルに手を出したかのような(謎)面白いスタイルになっている。

なんとなくの先入観からくる地味めのイメージとは裏腹に、その楽曲は洗練されたカラフルなヴァラエティを纏った重厚な装丁で、3〜4分台とコンパクトな尺にまとまりながらも、各曲に決して短さを感じさせないドラマティックな抑揚を封じ込めるその構築力の高さはなかなかのもの。

自国のナショナル・チャートでリーダー・トラック #2 "Faithless" が2位に食い込むなど、もしかしてブレイクの兆しあり?  (Dec, 11, 2007)


Jacket BEHIND THE SCENERY 77
Nocturnal Beauty of a Dying Land (1998)
ドイツの新鋭デスメタルバンド BEHIND THE SCENERY のデビュー盤 "Nocturnal Beauty of a Dying Land" は、疾走するリズムに乗ってツインギターのドラマティックなフレージングが哀愁を振り撒く、DARK TRANQUILITY 型メロディック・デスの優等生的な音といえるだろう。
収録された楽曲はどれも従来の伝統的なHMの方法論に則って、緩急巧みに造られていて、デス耳でない人にも比較的すんなりと受け入れられそうな聴きやすさを備えている。
特にツインギターのプレイに関しては、完全に普通のメタルバンドの感覚だ。
本作でまず一番に耳を捕らえるのは、間違いなく後の展開を嫌でも期待させるイントロのアコギ。そのイントロ、そしてアウトロなどで聴けるアコースティックギターパートでの絶妙な「タメた」ピッキングが醸し出す哀感センスは、故 Randy Rhoads (ex.OZZY OSBOURNE)に迫らんとしているのには驚くばかりだが、そのセンスの曲中へのフィードバックがちょっと稀薄な点がイマイチ歯痒いんだよなぁ。

Jacket BEHIND THE SCENERY 82
...of Honesty Forbidden (2000)
ドイツ産メロディック・デスの2nd@NUCLEAR BLAST。
甘美なピアノの調べから始まり、ツインギターを主軸にしたドラマティックな疾走が展開する初期 DARK TRANQUILITY を想わせるメロディック・デスの優等生的スタイルは、デビュー作 "Nocturnal Beauty of a Dying Land" から聊かの変貌もないが、驚いたのは前作でもそのセンスの片鱗を見せていたギターの泣きのフレージングが、よりクラシカルにそしてよりバロッキーにという方向に劇的に進化していて、相当に泣き度がアップしていること。
どの曲にも織り込まれたグッと来る泣きのツインギター・パート、そして静のパートの一級品のタメ(アコギのタッチは CROWN OF AUTUMN とともに天下一品)は、数多いメロディック・デス・バンドの中にあって決して埋没することのない独特の泣きセンスを誇っている。うーむ、いいバンドになったなぁ。
泣きが荒れ狂う "Pierce the Eyes" は至高の一曲。

Jacket BEHOLDER 83
The Legend Begins (2001)
悶絶 Italian Symphonic Kusa-Metal の超新星 BEHOLDER は、男女ツイン・ヴォーカル、ツイン・ギターそしてキーボード奏者を擁する 7 人組。
Gorgeous なその編成を生かして全員が持ち味を発揮しつつ一丸となってクッサクサに疾走する様は、なぜか持ち合わせた北欧ライクな透明感、そして Flavor としてたまに顔を出す Orchestral Arrangement の Epic な Spice から受けるのは、SONATA ARCTICA meets NIGHTWISH meets RHAPSODY という、ここだけ読んだらヨダレ物の印象。
というのも、Performance も Sound Production もまだまだ B 級で、なにかにつけて粗さが目立つのよねー。がしかし、この BEHOLDER、それらを超越して「もっと聴きたい!」と思わせる天性の Tasteful な旋律の組み立て方のセンスの良さを持っているのが怖い。その Melody の魅力は、中心人物である男性 Singer Patrick Wire の失笑を禁じ得ない程の超弩級にヘッタクソな歌唱力(苦笑)ですら、「味だ!」と錯覚させるほどだ。
そしてそのパートナーとして Duet をカマす女性 Singer Leanan Sidhe もなかなかにツボな存在。その Powerful で Charming な歌唱は、Member Shot から受けるやや大人しそうな印象とは裏腹な引きの強さを感じさせるし、その癒し系の東洋風少女っぽい見た目(写真がイマイチ不鮮明ながらきっとそうに違いない/妄想込み)もメイニヤにはきっとタマンねぇとあって、この Ireland で語られる美しき妖精の名を芸名に持つ魅力的な diva(歌姫)が新たな Female Metal Idol になる予感もアリ。
マジでこの BEHOLDER、なんだか妙な勢い感じるし、今後ひょっとするとひょっとするかもね。ってゆーか、ひょっとして欲しい!

Jacket BEHOLDER 86
Wish for Destruction (2002)
男女2人のシンガーを擁するイタリアン・シンフォニック XaMetal バンド BEHOLDER の 2nd アルバムは、前作 "The Legend Begins" で得られた期待感に充分に応える力作。
ツイン・ギター+キーボードを駆使したゴージャスな音像は前作譲りだが、キラキラ度はそのままに骨太さとテンションの高さを増した非常にダイナミックな印象だ。
近未来の不条理システムへの警告をテーマとしたコンセプト・アルバムと思われる本作のその雰囲気を上手く表現した細部に亘るサイバーなアレンジと、随所で聴かれるこの手の XaMetal バンドとしては珍しい70年代 HR 的なイナタさが融合したプログレッシヴなアプローチの立体的な空気感が何気に新しくて心地良い。
聴き物はやはり溌剌としたメタル歌唱に萌えちゃう女性シンガー Leanan Sidhe 嬢(ルックスもなかなか魅力的ぃ〜 ^-^)と男声シンガー Patrick Wire の鬩ぎ合いで、頻繁にスイッチを繰り返しながら耳を捉える魅力に満ちたメロディを生み出してゆくそのスリルの高さは、この手のデュエット物の中では髄一かも。
嬉しいのは、前作ではかな〜りヤヴァげなド下手っぷりを披露していた Patrick Wire の歌唱の成長の著しさ。相変わらず決して上手くはないものの、瞬火 (陰陽座) に通じる成り切りっぷりが出てきたのはなかなか頼もしいな。そんなにテクニシャンではないにも関わらず、実力以上に上手く聴かせる術を心得た2人のギタリストのエモーショナルなギター・ワークも◎だし。
ブルータルな導入から徐々にメロディックに展開してゆく #5 "Beyond Science"、サイバーに疾走するテーマとそれと相反するようにレイド・バックしたソロ・パートの対比が悶絶な終曲 #10 "Ultimate Elimination" あたりには、星の数ほどのイタリア勢の中でもこの BEHOLDER は抜きん出た物を持っていると信じさせる何かを感じるッスわ。

Jacket BEHOLDER 83
Lethal Injection (2004)

イタリアン・メロディック・メタル・バンド BEHOLDER の、有り得ないジャケの 3rd アルバム。

S.E.を絡めてみたりしながら近未来チックなプラスティックの手触りを感じさせつつ展開するヨーロピアン XaMetal は、ますます表現力を激増させた Patrick Wire (♂vo) のヘタウマ(ウマ…微妙…/汗)・エキセントリック歌唱と、溌剌とした中に柔らかな色気を漂わせる Leanan Sidhe 嬢 (♀vo) の魅惑の女声が絶妙にパート・チェンジを繰り返しながらアドレナリンの噴出を促す、前作までの延長線上のスタイル。

テンション高くアグレッシヴに刻まれるサウンドの中、今回はアコギやピアノが響く静のパートが催す悶々とした愁いがこれまで以上にフィーチュアされ、さらに各々のプレイの余裕と安定がある種の風格まで滲ませ始めた印象だ。

中でも、楽曲に知的な冷ややかさを加味し、それを完全にこの BEHOLDER の「色」にまで昇華させている鍵盤奏者 Mark Vikar のプレイは、前作のリーダー・トラックの P.V. で世界を震撼させた衝撃のパフォーマンスが伊達ではないほどに本作で効果的に響きまくっているのが誇らしいね。多分、鍵盤噛むだけじゃなくてちゃんと弾かせても相当凄いッスよ、コイツ。(笑)

ただ、安定感を増した分、悪い意味での落ち着きが出てきてしまったのもまた事実で、美味しいパートが連続しつつも決め手の曲が惜しくも見当たらない無いせいもあって「おぉ〜、なかなかいいんじゃん〜?」と思いっぱなしでいつの間にか終わってる感もアリ。

ピアノ・バラード #7 "Far Away" にて Roberto Tiranti (a.k.a. Rob Tyrant/LABYRINTH) がびしょ濡れ歌唱を披露。同一アルバムの中に比較対象が出来ちゃうと、Patrick・・・ちょっと辛いね。。。(^o^;  (Aug. 29, 2004)


Jacket BELIEVER 88
Dimensions (1993)
弦楽や女声を取り入れた大作をフーチュア。聞きごたえたっぷりのデス。

Jacket BELLFAST 66
Faraway Prayers (2001)
名古屋のケルティック・ハード・ロック・バンド BELLFAST の6曲入りデビュー MCD。以前はバンド形態で活動していた様だが、このデビュー作ではベースの 松本 周二(オレの大切な友人なのデス)を中心にゲスト・プレーヤーを迎えたプロジェクト的な構成となっている。
喩えるならば、'83年頃にロシアから数百キロあたりの小都市に生息する西洋のヘヴィメタルに色気を見せる真性プログレッシヴ・ロック・バンドがメンバーの実家である農具小屋で録音したかの如き、色々なものをどう差し引いても辛いものを感じざるを得ないプロダクションで展開されるのは、プログレッシヴな感性をオーソドックスなハード・ロックの手法で現実化したアート・ロック世界。
ハード・ロックを基本としながらも、曲によっては優美なピアノが空気に溶け込みヴァイオリンとウェットなメタル・ギターがロマンティックに舞いながら、唸るフレットレス・ベースと巧妙なアンサンブルを見せる全曲英詞な楽曲は6者6様のスタイルだが、中でも「ピアノ、ヴァイオリン、アコギ、そして清廉な女声」という女声ゴシック・メイニヤにとっては垂涎のキーワードが羅列されるアコースティックな "Who Saw My Lady?" はかな〜りイイ味を出している。
残念なのは、前出の女声シンガーの他に2人の男性シンガーがゲストとして参加しているのだが、彼らの歌唱がどーにもこーにも(以下友人につき自主規制)。
そう感じながら、ラストに収録されているボーナストラックである 松本 の敬愛する RUSH のカヴァー "Limelight" で聴ける松本自身の歌唱を聴いて超ビックリ! 本人は洒落のつもりで歌ったのかもしれないが、その日本人離れした見事な「英国プログレ声」は実に味わい深く、なぜ彼よりも圧倒的に魅力に劣る他のシンガーをゲストに迎える必要があったのか?・・・と全く理解に苦しむばかり。本作でゲスト男性シンガーに歌わせていた曲をもし松本自身が全曲歌っていたのであれば、確実に20点アップ。マジでマジで。 松っちゃん、次作はその線でヨロシク!!

ちなみにウチの BBS の常連 Makoto が、数曲でチラッとナイスなギター・ソロを弾いてマス。

Jacket BENEDICTUM 71
Uncreation (2006)

米サンディエゴを本拠とするパワー・メタル・バンド BENEDICTUM のデビュー・アルバム。

米産バンドらしい安定した技量で骨太に邁進する欧風USパワー・メタルは、男勝りの Bitch な熱唱を弾けさす女性シンガー Veronica Freeman 姐さん(爆乳)の存在感の雰囲気やら何やら、HELLION の名を連想させるもの。

Craig Goldy (g/DIO), Jimmy Bain (b/ex-RAINBOW) がゲスト参加してたり、プロデューサーが Jeff Pilson だったり BLACK SABBATH のカヴァー #7 "Heaven and Hell", #11 "The Mob Rules" を演ってたりする「Ronnie 絡み」なスペックも、妙に HELLION とカブるね。  (Jun, 02, 2006)


Jacket BENT WIND 72
Sussex (1969)
カナダのアシッドモンスター。ぐりぐり。

Jacket BEREAVED (THE) 76
Darkened Silhouette (2004)

スウェディッシュ・メロディック・デス・メタル の若き新鋭 THE BEREAVED のデビュー・アルバム from Black Lotus。

クリアな切れ味と共に疾走するデスラッシーな基盤に叙情ハーモニーを奏でまくる2本の扇情ギターを乗っけた AT THE GATES meets 初期 SOILWORK 的なサウンドは、世に言う“超モヒ・タイプ”(笑)としての王道路線。

良い意味でブルータリティが希薄な楽曲は、実は CHILDREN OF BODOM も好きなんだろうな〜と思える瞬間もある非常にキャッチーな聴き易いもので、仄かにネオ=クラシカルな扇情力の高いギター・ワークの構築力もたいしたものだ。

そんな楽曲の出来の良さとは裏腹に、迫力のない潰れた呻き型デス声やトリガー掛け過ぎで平坦極まりないパタパタ・ドラム(しかもリズム感もメッチャ悪い…)などの旨味に欠けるプレイや、あまりお金と時間を注ぎ込んでないと思えるやや雑なプロダクションなどの“質”には、Black Lotus の限界をしみじみと感じてみたり・・・。

ただ、狙ってる方向性とそれぞれの曲はホントにイイんですわ。 #4 "Vital Organ Theft"#8 "Devil's Deal" などは、もしCD屋の店頭で流れ出したらその瞬間にほとんどのメタラーが「Now Playing」のコーナーに目を遣るだろう殺傷力メチャ高なテーマ・メロディを持つ、明らかに“キラー・チューン”と呼べるものだし。

そんな風に、マジで今後大化けそうな気配をプンプンと漂わせてはいるので、次作にはカナーリ期待しちゃうかも。  (Mar. 16, 2005)


Jacket BERLIN 80
Count Three & Pray (1984)
普通のポップスだが、その辺のメタルよりはパワフル。

Jacket BERND STEIDL 71
Psycho Acoustic Overture (1993)
アコギで、荘厳かつクラシカルな音世界を構築している。

Jacket BERNIE MARSDEN 72
And About Time Too (1979)
バックメンバーの豪華さで買った。

Jacket BESEECH 91
...from a Bleeding Heart (1998)
マニア心を嫌でもくすぐるユーロ・プログレ的雰囲気バリバリのジャケを手に聴き始めるや、冒頭の "Shadowscape" からいきなり溢れ出る「本物の」弦楽器の響きに秒殺だ!
スウェーデンの新鋭 BESEECH がデビュー作である本作 "...From a Bleeding Heart" で体現している「耽美さ」は、今年個人的にヒットしたゴシック・デスである EMBRACED, EVEREVE らが発散する「狂おしき耽美」とは明らかに体臭が違う。
その理由はなんといっても「歌」。この系統のバンドでここまで「歌」にこだわったバンドは皆無だろう。暗黒面を演出するディープ・デス・ヴォイス、荒涼とした風景を想起させる朗々と歌うプログレ的普通声、そしてここぞとばかりに哀しみを振り撒くエンジェリックな女声ヴォーカルが絶妙のコンビネーションで配置されている。ゲスト扱いながら大幅にフィーチュアされた女声ヴォーカルがソレ好きな我々にとって非常に魅力的なのは当然ながら、それだけに頼らないしっかりとした作りの男声Vo.パートまでが哀愁を発散させる様には、驚きを禁じ得ない。
ヘヴィなリフと泣きのギターで構築されたモダン且つキャッチーなヘヴィ・サイドとチェロ、ヴァイオリン、フルート、ピアノといったモノホンの楽器群が得も言えぬヴァイヴを生み出すアコースティック・サイドを行き来しながら淡々と進みつつも、全体ではしっとりとしたウェットな情感に包まれた、まさに「ロマンティック・ゴシック」の味わい。もしかしたらいままでのデス声が収録された作品のなかで唯一、パンピーの彼女とデートをもオシャレにしっぽりと演出可能な一枚しれない。(失敗時の責任はご容赦を/笑)
収録された全10曲は、低音Voの魅力全開のキャッチーな "Rainbowman"、アコースティックな憂いに満ちた切ない "Eagleheart"、激泣きギターが絶品の "Dimension" をはじめどれも魅力的で、それぞれの聴き所を余すところ無く含みつつ見事なまでにキャッチーに纏め上げられている。
この BESEECH、「普通のロックバンドとして」のポテンシャルの高さが手に取るように見て取れ、メジャー級大物の風格まで感じさせる・・・コリャ要チェックだぞ!

Jacket BESEECH 87
Black Emotions (2000)
前作 "From a Bleeding Heart" が、その魂を震わす男の哀愁でこのオレを完膚なきまでに骨抜きにした、スウェディッシュ漢系耽美ゴシッカー BESEECH のなぜか METAL BLADE からドロップしての新作。こういうのを事前情報なく突然店頭で見つけると、ホンッットに嬉しいんだよね。
本作ではその前作よりもややアンビエントな空気密度を上げながらも、男くさい哀愁とクラシカルに綴られる繊細さのバランスの取れた、なかなか秀逸な出来。
ま、前作と比較したら正直アレだけど、あれを超えるのはまず無理だから。そこまで期待するのは酷ってもんだ。
"Little Demonchild" ~ "Ghoststory" の流れは必殺。

Jacket BESEECH 82
Souls Highway (2002)
1998年にリリースした奇跡のデビュー盤 "...from a Bleeding Heart" で独特のウェットな極上耽美世界を聴かせていたこのスウェーデンの BESEECH には当時「世界で最もロマンティックな漢系ゴシック・メタル・バンド」という形容を冠していたが、そんな90年代後半に美醜渦巻く耽美さを誇っていた欧州ゴシック・メタル勢のうちの多くが世紀の移り変わりと共に次々とアンビエントなポップ色を増していった結果、「ロマン」というキーワード的にはこの BESEECH の際立ちは徐々に薄れていったように思う。
が、その後 2nd アルバム "Black Emotions" を経てレーベルを Napalm に移しての本 3rd アルバムにおいても、この BESEECH が持ち合わせている「ロマンティック・ゴシック」たる本質は、実は些かも緩いではいない。
このバンドも前作以来やはり周りと同様に時流に寄り添う姿勢を見せてはいるが、ディープな低音ヴォーカルに女声が絡む哀愁のヴォーカル・メロディを重視した独特のサウンドは健在。ポイントを巧く押さえたキャッチーな楽曲は、ヘヴィさとそれに相対する耽美さがそれぞれの質をこれまでよりやや現代的な方向にシフトさせながらも、流行のフィンランド系ノリノリ哀愁ゴシックとは全く異なる進化の過程を見せている。
本作からメインの男性シンガーが Erik Molarin(てんびん座/オレと一緒・・・ってどーでもいいな/汗)に替わっているが、声質こそ異なるもののその低いレンジでの艶やかな歌声がこの BESEECH の世界によくマッチした好人選。そしてもう一つのトピックは、3作目にして初の女性シンガー Lotta Hoglin ちゃん(水がめ座)の正式メンバーへの招聘だ。これまでの作品でも要所要所で楽曲の肝となっていた女声だが、本作での単なるアクセントに留まらない大胆な女声の導入は「女声ゴシック」とさえ呼べそうな雰囲気も呼び込んでおり、ここに来て今後のさらなる展開への期待も出てきた感じ。

・・・と BESEECH を愛する自分を納得させようと色々書いてみましたが、うーん、古城に住まう貴族の如き中世の衣装に身を包んだメンバーによる 1st 当時のあの耽美さが希薄なのは・・・やっぱ残念・・・。コレはコレで決して悪かないんだけどね。

Jacket BESEECH 67
Drama (2004)
1998年のデビュー・アルバム "...from a Bleeding Heart" を歴代の耽美ゴシック・アルバム群の頂点近くに位置する超神盤として崇め奉ってしまっているオレ的には、このスウェディッシュ・ゴシック・メタル・バンド BESEECH は、作を重ねる毎にその魅力を確実に減退させていようともどうしても贔屓目に見てしまうし実際新作が出る度に買い続けていたけど・・・この 4th アルバムに至ってやっとこさ諦めがついたかなって感じ。
耽美さを醸し出すピアノの響きを身に纏ったメタル・リフが骨太にドライブする楽曲のロマンチックな出で立ちや前作から加入した男声シンガー Erik Molarin のそのアイ・ライン同様のエロ声からは「BESEECH らしさ」の面影が未だに感じられてはいるし(#1 "Drama", #7 "Come on in" は顕著かな)、ダークなグルーヴが気だるく拡散する細部のアレンジにこだわったクオリティの高いサウンドは、思い入れ云々を差し引いて考えれば決して悪いものではないんだけど、BESEECH が提供してくれるはずだった物に対する満足度としては・・・こんな感じだな。
女声シンガー Lotta Hoglin ちゃんの歌声にイマイチ魅力が希薄なのも惜しまれるが、#4 "Forever Falling", #8 "Friend Emptiness" らで得られるアトモスフェリックなトリップ感が新たな魅力として見つけられたのは、ちょっとだけ得した気分かも。  (Feb. 03, 2004)

Jacket BESEECH 84
Sunless Days (2005)

スウェーデンの男女混声ゴシック・メタル・バンド BESEECH の 5th アルバム。

デビュー作 "...from a Bleeding Heart" のあまりの衝撃のデカさにその後ずっと惰性で買い続けているが(苦笑)、今回は(まったく期待してなかったせいもあるかもだけど)なかなかどうして意外と悪くないかも!?

相変わらずヘヴィネスの質がモダンだったりエレクトロなアレンジが幅を利かせていたりと「進化形ゴシック・メタル」であることを主張しつつも、本作ではこれまでの作品以上に歌姫 Lotta Hoglin タンの円熟の萌え歌唱を大胆にフィーチュアし、王道フィメール・ゴシック本来の美麗な魅力をきっちりと生み出しているのが非常に頼もしい。

個々の楽曲としても作品全体としても細部に亘ってベテランらしい重厚な完成度の高さを見せ付けている本作をもって、やっと「混声バンド BESEECH」としてのアイデンティティが結実したような感じを受ける力作だわ。 あ〜、前作 "Drama" で見限らなくてよかった。(^o^;  (Dec. 12, 2005)


Jacket BETO VAZQUEZ INFINITY 83
Beto Vazquez Infinity (2002)
アルゼンチンのベース・プレーヤ Beto Vazquez を中心としたこのシンフォ・メタル・プロジェクト、どうやら本来は地元のメンツにて活動しているようなのだが、デビュー・フルレンスとなる本作でもはや「暴挙」とも言えようカナリ大胆な作戦を取ってきた。
その作戦とは名付けて「豪華ゲスト大作戦」!(そのまんまやんけ/笑) なんとこの作品でシンガーを務めるのは、

Tarja Turunen (NIGHTWISH)
Sabine Edelsbacher (EDENBRIDGE)
Candice Night (BLACKMORE'S NIGHT)
Fabio Lione (RHAPSODY)

というなんとも贅沢な4人で、そしてドラマーの座にはあの Jorg Michael (STRATOVARIUS) が・・・と、どうしてこんな人選が実現できるのか謎は深まるばかり。(笑)
主宰者 Beto Vazquez 自身の「己」を控えめに主張するベース・ラインを押し出しながらもバランスよくクリアにまとまったドラマティックなシンフォニック・メタルのやや野暮ったいハードさと適度に和み&癒しの入ったその風合いからは、LANA LANE のメタル・サイドに近いものを連想させられる。
普段と比較して明らかに精彩を欠く Jorg Michael のお仕事感満点のドラミングは置いといて(汗)、幻想を清らかに紡ぐ Tarja Turunen、清々しさをクリアな優しさで包む Sabine Edelsbacher、純朴な叙情を吐露する Candice Night、そして勇壮に闘いに向かう Fabio Lione と、適材適所に配された4人のシンガーの働きっぷりは実に素晴らしく、それぞれのシンガーの元鞘バンドにおけるボーナス・トラック以上の充実を見せている。なんつっても TarjaSabine がハーモニーを奏でるなんてアンビリーバブルな光景も繰り広げられるし!
中でも、フルートが舞うフォーキーでトラディショナルな響きが心地よい5部構成の組曲 "Voyagers of Time" では、常日頃シンガーとして力量的に軽視されがちな Candice Night のその存在意義を見事に発揮した味わい深い歌唱を披露しているのが嬉しね。他の曲も所々ででチープに感じる部分がありつつも、決して悪い出来じゃないしぃ。
あ、2002年2月21日には日本盤も出るらしいッス。

Jacket BEYOND FEAR 71
Beyond Fear (2006)

Tim 'Ripper' Owens (vo/ICED EARTH ex-JUDAS PRIEST) が新たに立ち上げたヘヴィ・メタル・バンド BEYOND FEAR のデビュー・アルバム。

Daniel Heiman (vo/HEED, ex-LOST HORIZON) の領域に拮抗せん現世で唯一の人物と名高い Ripper の強靭なスクリームの凄みは十分に堪能できるんだけど、ザクザクとしたモダンなアグレッションに包まれた正統的なUSパワー・メタルな楽曲はかなり地味ぃな感じ。

John Comprix (g/13 FACES, SPAWN) のテクニカルなギター・ワークは意外と悪くない。  (May 06, 2006)


Jacket BEYOND THE EMBRACE 82
Against the Elements (2002)
Metal Blade から飛び出した、平均年齢23歳の若き米国産メロディック・デス・メタル・バンド BEYOND THE EMBRACE のデビュー盤。
米国らしいと言われてみれば米国らしいと思い込むかも(苦笑)的なザクザクしたスラッシュ風味も所々で見せてはいるものの、ツイン・ギターのメロウな叙情フレーズを常に鳴り響かせながら勢いよくドライヴィングを重ねるシンコペーション多様なその楽曲スタイルは、疑う余地なく北欧メロディック・デス・・・そう、IN FLAMES 型そのものだ。
相当な泣きフィーリングを持ち合わせたリード・ギタリスト Oscar Gouveia と、彼にハーモニーを付加する Jeff Saude(こいつが Bjorn Gelotte 意識したルックスで笑える/笑)2人のギター・ワークが発散するエモ〜い感触も◎だが、この BEYOND THE EMBRACE 最大の特徴は、やはりシンガー Shawn Gallagher(なかなかにグッド・ルッキン!)の歌唱だろうな。
何といっても、激情に喚くデス・アジテートと共にたっぷりと配されたメロディック歌唱パートで聴かせる声質/唱法が、James Hetfield に酷似しているのが面白い。その歌声が運ぶ明快な空気は、曲名までなんとなく IN FLAMES っぽい(汗)#9 "Embers Astray" に代表される節々で IRON MAIDEN からの直接的な影響を強く感じさせる楽曲の質も相俟って、このバンドがデス云々ではなく純なパワー・メタルとしても充分なポテンシャルを持ち合わせていることを確信させる。
たまにリズムの甘さ/雑さの加減が醸し出す勢い重視のドタバタ感を強く感じたり、アレンジの未整理な部分が気になったりするが、そのあたりはまぁ今後に期待かな。
アコースティックな泣きを浮遊させる #5 "Drowning Sun"、初期 DARK TRANQUILLITY に通じる慟哭をドラマティックに綴った #10 "The Riddle of Steel" という2曲のインストの充実振りも◎。

Jacket BEYOND THE LABYRINTH 82
Signs (2005)

ベルギーの6人組プログレッシヴ・メタル・バンド BEYOND THE LABYRINTH のデビュー・アルバム。

明快なヴォーカル・ラインとよく弾くギター&ふくよかなキーボードによる叙情アンサンブルが職人的に空間を埋めるサウンドは、それなりにテクニカルながらもいわゆる現代プログレ・メタルのシャープ感からすると整合感には乏しい「ダイナミック&ハードなシンフォ・ポンプ」といった趣。

喩えるならば SHADOW GALLERY が自身に点在する野暮ったい田舎臭さを増幅させたかのスタイルではあるんだけれど、B級インディー・テクニカル・ロックたるプログレ魂を自らの誇りに、あくまでプログレッシヴ・ロック側からのアプローチとしてハードかつスリリングにドラマを形成しようとする12曲70分は、聴き応えたっぷり。

ゲストとして Daniel Flores (dr/MIND'S EYE, XSAVIOUR), Marcel Coenen (g/SUN CAGED), Richard West (key/THRESHOLD), Rogue M. (vo/ex-SHADOWKEEP), Frank de Groot (b/ARABESQUE) らが参加。  (Mar. 07, 2006)


Jacket BEYOND TWILIGHT 85
The Devil's Hall of Fame (2001)
Tommy Hansen の Produce による Denmark / Sweden / Norway 混成の Dark Progressive Technical Metal Band BEYOND TWILIGHT の聴き応え満点の Debut Album。
この作品で Singer として歌っているのはなんと Jorn Lande!。第一声が流れ出た瞬間に、その圧倒的な存在感が周りの空気を支配し始めるのはさすが。
同じ多国籍 Progressive Technical Metal でも ARK とは全く異なる、Doomy とさえ言える Dark な質感に包まれたその Sound は、伝説の名 Band ABSTRAKT ALGEBRA を想起させる感触。
超テク Guitar Player Anders Kragh を筆頭とする難易度の高い Fast Play も安定した水準でこなす各 Member の Tecnical な演奏は、中心人物 Finn Zierler による過剰ではない Keyboard Ochestration が効果的に作用して近未来の不条理世界を見事に描いている。
Slow で Heavy な Title Track "The Devil's Hall of Fame" から Piano のインスト小曲 "Closing the Circle" を経て挟んで Operatic な終曲 "Perfect Dark" までのラスト3曲の、美しくも Psycho で Strange な流れは圧巻。酔う酔う。

Jacket BEYOND TWILIGHT 88
Section X (2005)

スウェーデン・ベースの多国籍ダーク・プログレッシヴ・メタル・バンド BEYOND TWILIGHT の 2nd アルバム。

MANTICORA にもゲスト参加してその非凡な才能の一部を付与しているデンマーク人鍵盤奏者 Finn Zierler を中心とした技巧派メンバー陣が緻密に構築するプログレッシヴ・パワー・メタルがダークなドゥーム・ヴァイヴを震わす本作は、前作と比べて音の解像度をグッと上昇させたかのスケール感とクオリティに満ちた超力作。

が、スタートしてまもなく聴こえてきた歌声が・・・アレレ? Jorn Lande っぽいではあるけど、ちょっと雰囲気違うような? 慌ててブックレットのクレジットを見ると・・・「Kelly Sundown Carpenter - Vocals」。 うわ!? いつのまにかシンガー Jorn Lande ぢゃなくなっとるやんケ!(焦)

ところが、その Kelly Sundown Carpenter なる新たな米国人シンガー(地元テキサスでは OUTWORLD なるバンドにも在籍しているらしい)が意外に凄い。 「明らかに Jorn Lande を想定したフレーズ」をブルーズ魂を込めながらワイルドに歌い上げると共に、大仰な歌劇的パフォームをも堂々と演じることも出来る「ヲイヲイこいつどっから見つけてきた!?」って感じのカナリの実力派だ。

効果的に配されたS.E.と大胆な場面転換が生むシアトリカルな空気が、淀んだクローン人間社会の悲劇を描くドラマティックな音像は、そんな Kelly の歌唱が Jorn Lande はもちろん Mats Leven, Russell Allen, John Oliver らにも通じる表情を見せるせいもあってか、ABSTRACT ALGEBRA, SYMPHONY X, SAVATAGE を調合したような風合いもアリ。 切れの良いテクニカル・プレイと叙情的な旋律を要所で輝かせながらも、全体を不条理な暗黒色で覆い尽くした中世と近未来が交錯するようなプログレッシヴ・ヘヴィ・サウンドの濃密な味わいは、ホント格別だわ。

うーむ、まさに「災い転じて福と成す」な一枚ッスな。  (Apr. 20, 2005)


Jacket BEYON-D-LUSION 84
Intuispection (2005)

フランスのメロディック・デス・メタル・バンド FURIA の鍵盤奏者 Mehdi Khadouj (key, g) と英国人女性シンガー Alexandra Bernard 嬢を中心とした、フレンチ・ゴシック・メタル・バンド BEYON-D-LUSION の 1st フルレンス・アルバム。

とにかく一聴して圧倒されるのが、Alexandra 嬢の超絶な歌の上手さ。 Anneke van Giersbergen タン (vo/THE GATHERING) のフォロワーであるのは明白ながら、そのしとやかな情感歌唱の抑揚に満ちた表現力は、本家以上とも思える程に素晴らしいものだ。

ちょいデジ風味のモダンな空気感を伴ってへヴィにグルーヴする乾いたへヴィ・リフに、Alexandra 嬢の極上歌唱が絡まるようにミステリアスに舞う・・・というスタイルの楽曲も、その THE GATHERING の90年代中期作や初期 LACUNA COIL に準じた色彩。 正直、最初聴いた時には没個性で地味な印象を受けたけど、Alexandra 嬢 の歌声の美しき魔力に誘われてリピートを重ねるうちに、各メンバーの高いミュージシャンシップから生み出されるマジカルなオーラが、この身にじわじわと沁みてきてマスよ。(継続中)

Mehdi と同じく FURIA にも籍を置くドラマー Julien Nicolas の有機的かつテクニカルなドラミングもカナーリ好みだし・・・コリャ FURIA のアルバムも買って聴かなくちゃだなぁ。  (Apr. 07, 2006)


Jacket BILL WARD 70
Ward One:Along the Way (1990)
サバス風からポップまでバラエティーにとんだ構成。

Jacket BIOMECHANICAL 93
The Empires of the Worlds (2005)

英国ベースのハイパー・テクニカル・エクストリーム・メタル・バンド BIOMECHANICAL の 2nd アルバム。

中心人物である元 BALANCE OF POWER のギリシャ人シンガー John K のハイ・トーンとデス・ヴォイスを交錯させたハイ・テンションなブチ切れ歌唱をフィーチュアした、変態的なテクニカルさが攻撃的に驀進するスピーディーなモダン・メタルの威力はメッチャ強力!

80〜90年代の欧米の伝統的へヴィ・メタル・ルーツへの敬意を露わにしながら、全体を極端かつ整然とした狂気のアグレッションで覆い尽くした驚異的シアトリカル・サウンドは、まるで初期 FLOTSAM & JETSAMPANTERAWATCHTOWER の生霊が憑依したかの独特な味わい。

要所で見事なアクセントとなっているシンフォニックなオーケストレーション、そして Jamie Hunt & Chris Webb のギター・チームによる超テクニカルなファスト・プレイの応酬も美味しすぎ。

圧倒的なメタル・エネルギーに充ちた極上の混沌を堪能できる名盤の登場だ。 Awasome!!  (Aug. 14, 2005)


Jacket BISCAYA 93
Biscaya (1984)
これぞ北欧の権化。透明感溢れる繊細な音作り。超名盤。

Jacket BISHOP OF HEXEN 87
The Nightmarish Compositions (2006)

イスラエル産シンフォニック・ブラック・メタル・バンド BISHOP OF HEXEN の2ndアルバム。

DIMMU BORGIRCRADLE OF FILTH の系譜に華麗なるシアトリカル・シンフォ・ブラック・サウンドには、個性云々を超越したシネマティックな美味しさアリ。 メロウ・パートの叙情味も◎。  (Sep, 10, 2006)


Jacket BLACK AND BLUE 42
Nasty Nasty (1986)
録音は優秀だが、退屈な内容。

Jacket BLACK BONZO 91
Black Bonzo (2005)

スウェーデン産レトロ・ハード・ロック・バンド BLACK BONZO のデビューアルバム。

鍵盤奏者 Nicklas Ahlund がこれでもかと鳴らしまくるオルガン/シンセ/メロトロンがヴィンテージに響く70年代風ブリティッシュ・ハード・ロック・サウンドは、否が応にも初期 URIAH HEEP、第一期 DEEP PURPLE の名を想起させる激ヤヴァなノスタルジック路線!

URIAH HEEP の秘蔵音源だと言われたらオレは瞬時に信用しちゃうだろう(苦笑)#1 "Lady of the Light" をはじめ、クラシカルなハード・ドライヴィングにサイケデリックなユートピアン・フィール〜カンタベリー・ジャズ・ロック風味を絡めながらダイナミックな緩急を見せるプログレッシヴな楽曲群の手触りは、まさに当時の“英国アート・ロック”そのもの。 所詮焼き直しのパチモンだと解っちゃいるんだけど、'70s Love なヲサーンの“泣きのツヴォ”を心得過ぎている懐かしくもハイクオリティな狡猾なる音像の前には、悔しくも悶絶を禁じえないですわ。

Joachim Karlsson (g) のいかにも北欧的な豊潤ギター・ワークをはじめ、100%懐古主義なサウンドに潜む現代的なシャープなテクニックが生む、21世紀に生きる今のバンドとしての完成度の高さも◎。

ただ、この手の音で全12曲70分(日本盤ボーナストラック込み)はチト長いなぁ。 ちゃんと46分テープに収まるように(しかもA面/B面構成で)してくれんと!(古)  (Apr. 29, 2006)


Jacket BLACK DAHLIA MURDER (THE) 79
Unhallowed (2003)
米デトロイト産のデス・メタル・バンド THE BLACK DAHLIA MURDER のデビュー作。
メタTを着用してること以外は見た目にメタルっぽさは希薄な19〜21才の米国の若者5人が奏でるのは、ツイン・ギターの愁いがちょい前の IN FLAMES を想わせるスウェディッシュ・ルーツのメロディック・デス・メタルなのだが、その骨格は MORBID ANGEL らに代表される U.S.ブルータル・デスのものである・・・ってのが面白いな。
シンガー Trevor Strnad のゴボゴボしたディープ・グロウルと喚き声のスイッチの巧みさや、ドラマー Cory Grady の魂を高揚させる突進ドラミングには目を見張るし、なによりバンド全体から漲る「凡百のフォロワーバンドではないスペシャルな何か」を感じることはできるけど、この生々しい(いい意味ではあるんだけど)アンダーグラウンド感覚に溢れた音像が、オレ的にはちょっと聴き続ける気を削がれる感じ・・・。
ま、やってること自体は決してキライではないんで、今後どうなってくかをちょいと気にしてみようかな。
おまけのライヴ映像・・・コレ、メンバーの誰かの家の中とかじゃないの?(苦笑)  (Jul. 07, 2003)

Jacket BLACK DAHLIA MURDER (THE) 80
Miasma (2005)

米デトロイト産のデス・メタル・バンド THE BLACK DAHLIA MURDER の 2nd アルバム。

1st より更にブルデス度を高めたかの容赦ないエネルギーを噴射させると同時に、メロディックなギター・ワークの威力も激増。 前作では北欧臭を感じさせていた旋律美の質が、より 80's U.S.スラッシュを思わせるもの接近してきたのも面白い。

なにより、「学生バンド」的な初々しさに変わって「大物新人バンド」堂々とした恰幅が身についてきたのがチゴイネ。

SOUNDHOLIC から Metal Blade Japan に出世(?)してしまったことによって、ここ日本のメタル・メイニアの間では“One of Them”的な扱い/認識になってしまったのが惜しいけど、なんとか頑張ってホシイね。  (Oct. 03, 2005)


Jacket BLACK JESTER 79
Diary of a Blind Angel (1993)
むせ返るほどの様式美プログレ。しかしVが激弱。

Jacket BLACK JESTER 81
Welcome to the Moonlight Circus (1994)
超弱いVが情けないがバック陣は高品質な様式プログレッシヴHM。

Jacket BLACK LEAGUE (THE) 74
Ichor (2000)
SENTENCEDTaneli Jarva、そして元 LEGENDA, IMPALED NAZARENE 他のメンバで構成された期待のフィニッシュ・ダーク=ウェーヴ・ゴシック・メタル。
ロック本来のダイナミズムをも感じさせるソリッドでストレートなスタイルを基調としながらも、ドゥーミーな絶望感/荒涼感、そしてほんの味付け程度にアコギ/鍵盤による耽美な叙情を塗したサウンドは、漢(おとこ)クサいカッコ良さに満ち溢れている。
が、そういったカッコイイ!と思うところも山ほどあるし、楽曲も全体的に悪くはないんだけど、どうも突き抜けて来ない感じ。
ついつい耳を惹く安定したテクで弾きまくる現代的なソロイスト・タイプのハイテク・ギターは、早弾きのパッセージで指癖が顔を出すのがタマにキズながら、なかなかの聴きドコロかも。

Jacket BLACK MAJESTY 76
Silent Company (2005)

オーストラリアのメロディック・パワー・メタル・バンド BLACK MAJESTY の 2nd アルバム。

正統メタルのオーセンティックなベースをモダンで美麗なスピード感で包んだサウンドは、なかなかハイ・クオリティ。 シンガーの堂々たる歌唱の妙も耳を惹くね。  (Sep. 07, 2005)


Jacket BLACK MESSIAH 87
Oath of a Warrior (2005)

ドイツは Essen を本拠地とするシンフォニック・ヴァイキング・メタル・バンド BLACK MESSIAH の 2nd アルバム。

薄汚れたヴァイキング装束&武具に身を包んだ6人の屈強な戦士たちが繰り広げるのは、エピックなオーケストレーションを美しく輝かせながらパワー・メタリックに爆走するヴァイキングなブラック/デス・メタル。

キラッキラな大疾走の雰囲気がこのバンドを EQUILIBRIUM と同類項に属することを宣言してはいるが、「若さ」の代わりに「老獪なる悲愴感」を前面に打ち出したこの BLACK MESSIAH からは、より“ヴァイキング”な勇猛さを感じ取ることができる。

激泣き超速疾走チューン #3 "Blutsbruder"、勇壮極まりない哀愁ドラマ #7 "Christenfeind"、ヘナチョコ女声ヴォーカルがいい味出してる疾走ヴァイキンガー #10 "My Way to Asgaard" らに代表される非常にインプレッシヴな楽曲群は、サウンド・プロダクションこそ EINHEIT PRODUKTIONEN なる無名レーベルならではのややチープなものでありながらも、ツイン・ギターが紡ぐ赤面ものの激クサ旋律、そして中心人物 Zagan (vo, g, violin, mandolin) がヴァイオリンとマンドリン(!)を鳴かせて啼かせて泣かせ尽くすジプシー&フォーキーな調べが響くコッテコテの哀愁メロディの殺傷力は抜群だ。

凪を漕ぎ進むヴァイキング船・・・豪雨の中の進軍・・・そして死を賭した闘い・・・。 愛憎渦巻く極北の戦地に妄想を馳せる至上の快感に、心地よく浸ることができる好盤デス。  (Oct. 06, 2005)


Jacket BLACK MESSIAH 84
Of Myths and Legends (2006)

ドイツはEssenのシンフォニック・ヴァイキング・メタル・バンド BLACK MESSIAH の3rdアルバム。

激クサ哀愁旋律を勇壮に疾走させるパワー・メタリックなエピック・ヴァイキング/デス・メタルは EQUILIBRIUM と同系と言えるんだけど、笛、ヴァイオリン、マンドリンによるジプシー風味と妙にベテランっぽい「じじぃオーラ」(笑) は独特の風合いで、本作では準大手AFM Recordsへの移籍によってそのクオリティが一気に上昇。 …つってもまだまだドタバタしてはいるんだけど。(^-^;

本作のハイライトはなんといっても Dschingis Khan のカヴァー #10 "Moskau" でしょ。 目を閉じるとあの空耳フラッシュの映像が・・・。(笑)  (Dec, 29, 2006)


Jacket BLACK SABBATH 84
Black Sabbath (1970)
怖い。なにかが取りついているような怨念のHM。

Jacket BLACK SABBATH 94
Paranoid (1970)
とにかくいい曲が多い。Bラストは、サバスの中でも特に好き。

Jacket BLACK SABBATH 88
Master of Reality (1971)
アコースティックな部分が目立つ。トニー主導を思わせる。

Jacket BLACK SABBATH 83
Black Sabbath Vol.4 (1972)
だんだん繊細な音つくりもするようになってきた。

Jacket BLACK SABBATH 92
Sabbath Bloody Sabbath (1973)
Kリック・ウェイクマンの様式美と、見事に融合。ドラマティック。

Jacket BLACK SABBATH 86
Sabotage (1975)
前作と一転してソリッドな面を表す。

Jacket BLACK SABBATH 79
Technical Ecstasy (1976)
駄作といわれるが、そんなに悪いわけじゃない。

Jacket BLACK SABBATH 99
Heaven and Hell (1980)
私は今でこそ「真の BLACK SABBATH といえば Ozzy Osbourne 時代だ」と主張しているが、初めて本格的に接したアルバムは本作だ。
理由は簡単。「Ronnie James Dioが入ったから」。
発売を前にしてラジオで"Neon Knights""Children of the Sea"を聴いた瞬間に完全にノックアウトされてしまった。それまでの私の中での BLACK SABBATH のイメージは「Ozzy なんとかっていう奇人が変な曲に合わせて甲高い声で歌うバンド」だったが、スピーカーから流れてきたのはヘヴィなリフに暗く美しいメロディが乗ったあくまで正統的なハードロックだったのである。そして発売と同時にアルバムを購入・・・凄い! ラジオで聞いていた2曲はもちろんのこと、ドラマティックな展開を見せるタイトルトラック"Heaven & Hell"、様式を撒き散らしながら疾走する"Die Young"・・・と全曲捨て曲無しの内容に卒倒しそうになった。このアルバムでは Ronnie の持ち込んだ中世の香りが BLACK SABBATH 独自の魅力である邪悪な暗黒イメージと見事にブレンドされ、これ以上ないほどの「背徳の美」を体現している。
そしてこのアルバムを携えた初の来日公演、高校をサボって大阪フェスティバルホールまで足を運び・・・そして驚愕した。Ozzy Osbourne 時代の曲がカッコイイのだ! この日を境に、私の中で BLACK SABBATH は「大好きな Ronnie の居るバンド」から「大好きなバンド」になった。そしてこのアルバムで彼らと出会い、さらにのめり込んでいった事によって現在の私のドゥーム嗜好が形成されたのは、言うまでもない。
BLACK SABBATH はこの Ronnie 期("Dehumanizer" も含む)の次作 "Mob Rules"(実は "Heaven&Hell" より好きかも !!) はもちろん、Ozzy Osbourneらオリジナルメンバーの初期、Tony Martin をフューチュアした様式美期、そして Ian Gillan、Glenn Hughes が歌う混沌期と、どの作品にも良い見せ場があり甲乙つけがたく気に入っている。

Jacket BLACK SABBATH 86
Live at Last (1980)
これでサバスの古い曲を知った。かなりきてる。

Jacket BLACK SABBATH 94
Live in U.S.A. (1981)
海賊版。しかし音質極上。

Jacket BLACK SABBATH 98
Mob Rules (1981)
邪悪なロニーが最高にはまっている。泣き度は前作より上。

Jacket BLACK SABBATH 90
Born Again (1983)
駄作と言われているが、そんなことはなく、破壊力は一番あるかも。

Jacket BLACK SABBATH 96
Live Evil (1983)
うわずるほど調子のいいロニーのV。組曲構成もみごと。

Jacket BLACK SABBATH 88
Eternal Idol (1987)
これ、ロニーじゃないの~と思った。が、それなりに楽しめる。

Jacket BLACK SABBATH 89
Headless Cross (1989)
腐っても鯛。COZYだ。Vも一番あっている。全曲良し。

Jacket BLACK SABBATH 80
Tyr (1990)
どれも似たような雰囲気になってしまった。

Jacket BLACK SABBATH 95
Dehumanizer (1992)
90年代のサバス。意識した無機質さがかっこ良い。

Jacket BLACK SABBATH 85
Cross Purposes (1994)
再びHEADLESS CROSS路線に挑戦。ドラマティックな曲で成功している。

Jacket BLACK SABBATH 78
The Ray Gillen Years (1995)
故レイ・ギランの唄うサバスだ! このメンツで1、2枚作って欲しかったなぁ。

Jacket BLACK SABBATH 85
The Dio Years (2007)

この度 HEAVEN AND HELL として再結成することとなった Ronnie James Dio (vo) 在籍時の4作から名曲群をセレクトしたベスト盤。

こうして改めて聴くと、当時の自分の中でこの時期の BLACK SABBATH の存在が如何に大きかったかを思い知らされるわ。

新しく録られた3曲の新曲は・・・正直どれもまぁボチボチって感じ。。  (May, 28, 2007)


Jacket BLACK SABBATH FEATURING TONY IOMMI 79
Seventh Star (1986)
内容は今一歩だが、グレン・ヒューズの歌がいい。

Jacket BLACK STONE CHERRY 88
Black Stone Cherry (2006)

GODZで呑んでる時に流れてたのを聴いて、あまりのカコヨサに翌日池袋ウニオンで即買いした、米国はケンタッキー出身の4人組ハード・ロッカー BLACK STONE CHERRY のデビュー・アルバム。

いわゆる70年代テイストの原点回帰系レトロ・ハード・ロックなんだけど、LYNYRD SKYNYRD 風味の泥臭いサザン・ヘヴィ・ロックに現代的なメタル・エッジを加味したダイナミックな音像の、マヂな男惚れを誘いまくりのカッコよさは異常。(悶)

グルーヴィにうねる肉感ボトムとラウドなエモーショナル・ギター、そして漢クサいイケメンヴォーカルが相互に反応し合う骨太なエネルギー自体に心を揺さぶられるのはもちろんのこと、キャッチーにドライヴするテンコ盛りの哀愁メロディの存在も心憎いばかりで、#8 "Hell & High Water", #11 "Tired of the Rain" らから放射される漢の哀感はあまりにも美味し過ぎでヤヴァイす。

こ、コリャ SPIRITUAL BEGGARS に対する米国からの回答だ!・・・ってゆーか、この手のサウンドは元来こっちが本家ですよねぇ。。サーセン!(苦笑)  (Nov, 06, 2007)


Jacket BLACKMORE'S NIGHT 93
Shadow of the Moon (1997)
素朴で哀愁たっぷりの中世風トラッドサウンド。田舎を運転しながら聴きたい。
これを聴くたびに、師・Ritchie Blackmore と一体になれたような感覚に陥る。初めて彼のギターを耳にして以来、ずっとこの音を欲していたような・・・。
しかしここで聴ける「師の愛人」の歌声素晴らしさは、何と表現すればいいのだろう。ここまで見越しての関係だったら、「さすが師匠!」と、尊敬し直します。

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 93
Under a Violet Moon (1999)
いや~癒されるぅ。
御大 Ritchie Blackmore の新章である BLACKMORE'S NIGHT 待望の新作は、やはり期待を裏切ることのない素晴らしい出来栄え。(嬉)
前作同様のジプシー風アコースティック・ミュージックだが、今回はよりクラシカルかつ牧歌的なアプローチで統一されていて、前作以上に中世の風景が目の前に迫ってくるような非常に映像的な嬉しい仕上がりだ。
所々に聞き覚えのあるメロディやアレンジを散りばめながら、終始優美に、暖かく、そして悲壮感さえも漂う哀愁を発散する楽曲は、今回、初期 RAINBOW に通じる大仰で中世的なクラシカルな方向性を見せている。
初来日公演ですでに演奏していた印象的な "Under a violet moon"、クラシカルで軽やかな哀愁舞踏曲 "Morning star"、まさに「北イタリアの山間に沈む夕日」が目に浮かぶ涙のインストゥルメンタル "Beyond the suset"、その名のとおりスパニッシュな情熱が魂を高揚させる "Spanish nights (I remember it well)"、牧歌的ながら哀しみ漂うワルツ "Fool's gold"、バッハをモチーフにしたイントロから郷愁に満ちた素晴らしいヴォーカルメロディに酔いしれる "Now and then"、そして RAINBOW 初期のウルトラ名曲 "Self portrait" の素晴らしいバージョンでの再演・・・と、聴き所を挙げればきりがない名曲揃い。
その随所で大胆にフィーチュアされたバロック調のクラシカルなパッセージをはじめ、ピッキングやスライド、プリング/ハマリングに漂いまくる彼独特の指使いのクセ・・・いわゆる「Ritchie Blackmore 節」に、我々「ブラックモアズ・チルドレン」は狂喜乱舞せざるを得ないだろう!
そして本当の主役 Candice Night も驚くほどの実力派ではないが、その実直な歌声は、ほのぼのとしつつも哀愁溢れる清楚なメロディを上手く表現している。イメージ的にも「美女」ってのは強いしね。(笑)
しかし良いわ。聴けば一瞬でも日々の忙しさや悩みから開放してくれる、メランコリック・ヒーリング・ミュージックの傑作。といいつつ、リラックスしつつも何気に高揚してしまうがね。(苦笑)

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Fires at Midnight (2001)
うーん、確かにその前2作で体感できた心地よさをそのまま継承した期待通りの素ン晴らしい出来ではあるのだが、一通り聴いて・・・悶絶っちゃあ十分に悶絶なんだけど、「師匠! もうやり尽くしましたぜ!」ってな第一印象・・・と思いきや、繰り返し聴くうちにあっという間に撤回デス。(苦笑)わっははは。
美しき歌姫 Candice Night 嬢の、師匠を腑抜けさせたその SIREN の如き純朴な歌声が発散する安堵感と、その歌声(だけではなく「肉体」にものハズ/笑)に見事に骨抜きにされ、今やすっかり色ボケ吟遊詩人となった感のある我が神 Ritchie Blackmore 大先生の Melancholic な哀感を発散する悶々とした Guitar Play が交錯する、前2作同様の中世 Europe 的佇まいの Fantasic な Renaissance Music は、より「民族色」を強めながらもこれまでより現代的な輪郭でまとめた印象で、やっぱ超魅力的なのよね。
これまで以上に Feature されている Electric Guitar Play が映える Rock Tunes "Written in the Star", "Village of the Sand"、Trad 色の強い Title Track "Fires at Midnight" から 儚く哀しい "Hanging Tree" の圧巻の流れ、お得意の Arabian Taste 満点に疾走する(んだな、コレが!)"The Storm"、そして上質の POP Song な味わいに満ちた "All Because of you"・・・を始め、よく聴くといい曲も満載だし。
ただ、この手の曲で全17曲70分っつーのは、やっぱ多いし長過ぎよね。そしてジャケの出来も師匠の歴代の作品中、下から数えて・・・・。

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Past Time with Good Company (2002)
2002年5月3日のオランダ Groningen 公演の模様を収録した、バンド初の2枚組ライヴ・アルバム。
いやいや、もうねぇ、Ritchie Blackmore ・・・彼の生み出す音の全てが、完全にこの身に染み込んでるわ。そりゃそうだよなぁ、オレがメタリアンになるきっかけとなった人なんだもん。プレイ・ボタンを押して流れ出てきた 名曲 Disc1-#1 "Shadow of the Moon" でのアコースティック・ギターのピッキングのニュアンスを感じ取った瞬間に、早くも悶絶しちゃった。(馬鹿)
それにしても、こうしてライヴで聴く BLACKMORE'S NIGHT、厳かで静粛な楽曲がライヴならではの情熱的な装い&有機的な響きに包まれて、更なる愁いの魅力に輝いてる。
超名曲 Disc1-#6 "Under a Violet Moon" は何度聴いてもノリノリで電車の中でも掛け声を上げてしまいそうだし、雰囲気のドンピシャな DEEP PURPLE の名バラード Disc1-#7 "Soldier of Fortune" の収録も嬉しい・・・が、最大の聴きどころは RAINBOW の楽曲である Disc2-#1 "16th Century Greensleeves"。久々に聴く Ritchie の炎のようなエレクトリック・プレイ・・・マジたまらんッ!!号泣!! p(TwT)q
どの曲でも、まるで旅の途中のジプシーが炎を囲んで宴を繰り広げているような得も言えぬ楽しげな和やかさが新鮮で、Candice Night たんの非常にリラックスした M.C. がこれまたなんともイイ感じなんだよねー。
その Candice の歌、オレは全然問題なく好きなんだけど?(苦笑)

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 93
Ghost of a Rose (2003)
ライヴ盤を挟んでの 4th アルバム。 ルネッサンス宮廷音楽風味のジプシー・フォークは、これまで通り“唯一神”Ritchie Blackmore 様独特のメランコリックな息吹きがたっぷりと詰まった逸品揃い。
これまでの作品に比べて緻密なアレンジが施されている印象で、豊かなコーラスや壮麗なシンフォニーなどをたっぷりと配してグッと奥行きを増したそのサウンドは音像こそ素朴なフォークだが、内包したそのスピリッツは紛れも無くバロックに根差したハード・ロック。こりゃもう“アコースティック・ハード”って呼んでイイっすか?
いやね、やっぱね、Ritchie の爪弾く一音一音に揺れ動くフィーリングの妙を聴いただけで降参デス。I Surrender。(笑) 焔が燃え上がるようなスリリングなエレクトリック・プレイも意外な程にたっぷりと堪能できるし。
ってね、やっぱオレのメタル人生の「キッカケ」ってことで、Ritchie については冷静な判断は出来ないね。(苦笑)
そして愛人 Candice Night 嬢の朴訥な歌声も、以前から特にマイナスな印象を持ってはいなかったけど(むしろ激萌え/笑)、本作では艶と表現力が共に飛躍的に増した感じでホントいいッス♪  (Jul. 07, 2003)

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 86
Beyond the Sunset: The Romantic Collection (2004)

楽聖 Ritchie Blackmore 師匠率いるルネッサンス・ジプシー・フォーク/ロック・バンド BLACKMORE'S NIGHT の海外編集のベスト盤。

本作の目玉は、既発アルバムからのセレクト+αの珠玉(ってのは言い過ぎでやや外し気味/苦笑)の14曲が並ぶ本編ディスク・・・ではなく、付属のボーナス・ライヴ DVD と3曲の書き下ろしクリスマス・ソングが収録されたボーナス MCD "Chrismas Songs" だ。

DVD で楽しめる、欧州の古城の一角に組まれたの特設ステージで優雅かつエキサイティングに繰り広げられる吟遊詩人のパーティは、ライヴ・ショウこそがこの BLACKMORE'S NIGHT の存在意義だと思えるほどの素晴らしい内容。たった5曲というのが実に物足りないのぅ。。。。

そして、3曲のクリスマス・ソングが、どれも単なるおまけの粋を完全に超越した白眉の出来なのも嬉しすぎ。

これでたった1,523円(@Amazon.co.jp)とは・・・さすが我が師、Ritchie Blackmore。恐るべし。  (Nov. 03, 2004)


Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Village Lanterne (2006)

我が心の師 Ritchie Blackmore (g) 率いるルネサンス/ジプシー・ミュージック・ユニット BLACKMORE'S NIGHT の 5th アルバム。

前作で開花した歌唱力/表現力がますます増進した感のある愛人 Candice Night (vo) ナチュラルな美声と、到底還暦とは思えぬシャープな冴えっぷりを見せつける Ritchie の悶絶ギター・プレイが愛情を交感させながら中世の宮廷で繰り広げる華麗なる酒宴は、期待を690%裏切らない安心の出来。

ナイーヴな哀愁を孕んだ優美に和むクラシカル・フォークに混じって、随所でハードにロックしながら Ritchie の伝家のエレクトリック・ギターが泣きまくる場面が登場するメリハリも嬉しく、その Ritchie のギター・パートの意外にも緻密なオーヴァーダブを含めて、全体的にこれまで以上に時間をかけて詳細までしっかりと作り込んである印象だ。

後期 RAINBOW が遺した超名曲のセルフ・カヴァー #14 "Street of Dreams" も、世紀を超えて新たな魅力を発散。 Special Track for Limited Edition として追加収録された "Street of Dreams - featuring Candice Night, Ritchie Blackmore and Joe Lynn Turner" の存在も、我々盲目的な信者としては(笑)「RAINBOW の局地的再結成」的な感慨深さに溺れるね。うん、溺れる溺れる。  (Jan. 29, 2006)


Jacket BLACKMORE'S NIGHT 91
Castles & Dreams (DVD) (2006)

現在の BLACKMORE'S NIGHT の“全て”を封入した二枚組 DVD。

2004年にドイツの Veldenstein 城と Neuhaus 城でのライヴ・ショウを収録した本編は、まさに中世の城砦で繰り広げられるジプシー・パーティ・・・というナイスな雰囲気で、中世のコスプレに身を包んだオーディエンスと共にアットホームに展開するリラックスした空気の中、メッチャ楽しそうにノリまくる Ritchie 師匠の御姿が見目に眩しい・・・つか、やっぱ Ritchie 白いストラト似合いまくり!(号泣)

Disk2 に収録された PV、ドキュメンタリー、本編同様ドイツの Rheinfels 城 & Abenberg 城でのアコースティック・ギグ、出演した TV 番組の様子、インタビューなどの膨大な映像資料も、RitchieCandis の馴れ初めの話とかのどーでもいい部分も含め(苦笑)、見応えバッチリの美味しさだ。

いやもうとにかく、Ritchie 派としては、満腹必至のお得極まりない逸品ッスわ。  (Jan. 29, 2006)


Jacket BLACKMORE'S NIGHT 89
Winter Carols (2006)

Ritchie Blackmore 師匠率いるルネッサンス・ジプシー・フォーク/ロック・ユニット BLACKMORE'S NIGHT が送るクリスマス・アルバム。

クリスマス・シーズンにぴったりの穏やかに華やぐ楽曲を揃え、Candice 嬢の柔和な歌声が極上のリラックスを運んでくる・・・ハズが、Ritchie のあまりに神掛かり過ぎのアコギ・プレイがあまりに悶絶過ぎて全ッ然リラックス出来ん!(激怒)

激泣きインスト #3 "Winter (Basse Dance)"・・・テラヤヴァス・・・。  (Dec, 27, 2006)


Jacket BLACKSMITH 58
Fire from Within (1989)
スラッシュ有りバラード有りで、よくわからん。オーソドックスなGはいい。

Jacket BLIND FURY 81
Out of Reach (1985)
サタンの変名バンド。まあまあ。

Jacket BLIND GUARDIAN 84
Battalions of Fear (1988)
荒いながら、可能性を感じさせるサウンド。ハロウィンの押しを集めた感じ。

Jacket BLIND GUARDIAN 90
Follow the Blind (1989)
飛躍的に成長した2ND。引きも備えたドラマティックなつくり。

Jacket BLIND GUARDIAN 92
Tales from the Twilight World (1990)
とどまるところを知らぬ成長ぶり。頭を振らずにはいられない。

Jacket BLIND GUARDIAN 93
Somewhere Far Beyond (1992)
文句なく最高傑作。個性もでできて素晴しいバンドになったものだ。

Jacket BLIND GUARDIAN 80
Tokyo Tales (1993)
ジャパンツアーのライブ。

Jacket BLIND GUARDIAN 86
Imagination from the Other Side (1995)
あいかわらずのブラガ節が炸裂。壮大、緻密な感動の音世界。

Jacket BLIND GUARDIAN 83
Nightfall in Middle-Earth (1998)
BLIND GUARDIAN の持てるポテンシャル/センスがものの見事に発揮されたHM史不朽の名作 "Somewhere Far Beyond" に続く前作 "Imaginations from the Other Side" は、緻密になったアレンジとは裏腹にメロディそのものの魅力と構成力に決定的なものが感じられず、イマイチな結果となってしまった。
そして待つ事3年。J.R.R.Tolkien の名作ファンタジー物語をベースにした、BLIND GUARDIAN 初となる(意外!)の全面スト一リーアルバム "Nightfallin Middle-Earth" を聴いての感想は、喜び半分&あきらめ半分といったところだ。
オーケストラアレンジ力の向上による華麗な装飾やS.E.、語りなどによって、原作の壮大な雰囲気がよく再現されている。 Hansi Kurcsh のシンガーとしての成長も著しく、メロウなパートでのファンタジックでリリカルな哀愁は過去最高の域に達している。また、決定打に欠けた前作とは違い "Mirror Mirror""Time Stands Still" そして絶品の "Nightfall" と良い曲にも恵まれた。
ところが、肝心の「メタル」の部分が問題だ。曲のフックを、どの曲でも同じ色彩しか放たない単調極まりないギター・オーケストレーションでしか造り出せず、そのうえ篭ってしまって攻撃的なエッジのかけらもない酷い音質のリズムギターによって、非常に退屈なものになってしまっている。
この名盤となり得るアルバムを凡作にした戦犯は ・・・ギターパートの責任者 Andre Olbrich だ。
あと、やっぱ長いよぉ~。(^_^;) せめて60分に収めてぇー、お願い。

Jacket BLIND GUARDIAN 70
A Night at the Opera (2002)
約3年8ヶ月ぶりの 7th アルバム。
"Nightfall" という超悶絶級の名曲を擁しながらも全体的には物足りなさを感じた前作同様、本作でも「悪くはないんだけど・・・」っつー消極的な感想を得たッス。
Hansi Kursch が壮麗なクワイアを纏いながら特長的な声で唄うヴォーカル・パートがドラマティックな高揚感を生みつつも、その反面あまりにも絶え間無く歌うために「常に山場的な」平坦さを感じさせてしまうのがチト辛いな。
前作で「戦犯」呼ばわりした Andre Olbrich の、そのゆるやかなピッチベンドが特徴的なギター・オーケストレーションが、やっぱりどの曲でも同じ表情を見せているのも聴いて飽きを誘うしね。
って、"Somewhere Far Beyond" まではホント狂ったように熱狂してたんだけど、この醒めっぷりは大仰なファンタジー・メタルを標榜するバンドの増加、そしてそのそれぞれの極端なイッちゃい振りに慣れてしまったオレの感性がスレてるのかなぁ。。。(汗)
オヤヂ的には伝統的英国ロックへの懐古を感じられる部分は美味しいんだけどー。

Jacket BLIND GUARDIAN 47
A Twist in the Myth (2006)

メタル大国ドイツが誇るトップ・アクト BLIND GUARDIAN の約4年半振りの8thアルバムは、バンド史上もっとも魅力的な美麗アートワークに反比例するように、内容的はこれまでの作品中で最も魅力の薄いものに・・・。

細部までキッチリと創り込まれたビッグ・バンドらしい完成度の高さには唸らされるし、依然として Hansi Kursch (g) のあの声と Andre Olbrich (g) のあのギターが特徴的に鳴る BLIND GUARDIAN 独特のフォーマットに則ってはいるものの、違うステップ(それが上なのか下なのか横なのか奥なのか手前なのかは全く読めない)に歩を進めようともがいているかの妙なヴァラエティ感が、持ち味だったダークで壮麗なファンタジー色を大幅に殺いでしまっているのが辛過ぎ。 それでも楽曲さえ良ければいいんだけど・・・今回も前作同様に、特に耳を惹く曲は見つけらなかったし。 オレ的には MANTICORAPERSUADER の方が何倍も刺激的だわ。

これまで、アグレッションとのコントラストが輝かせていたメロウなフォーク・パートの神秘的な魔力が、疾走感の減衰によってその魅力を完全に失ってしまっているのも面白い。(ホントは全然面白くない)  (Sep, 14, 2006)


Jacket BLIND ILLUSION 76
The Sane Asylum (1988)
何故か手をのばしてしまう不思議なムード有り。結構テクニカル。

Jacket BLIND STARE 86
Symphony of Delusions (2005)

フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド BLIND STARE のデビュー・アルバム from ARISE RECORDS。

切れ味鋭いギター・ワークとキラキラなシンフォニック・キーボードが端整にドライヴィングするそのサウンドは、乱暴に分類してしまえば KALMAH, NORTHER らの CHILDREN OF BODOM チルドレンの流れにあるもの。(マインド/手法としては CADACROSS に共通点を見出せるかも?)

が、時にデス&ロール的とさえ思える荒々しいローリング・リフ・ワーク、そしてシンガー Eino Tuominen の絶叫/グロウルの二刀流歌唱と共にドラマを構築するクリーン・ヴォイス(ギタリストとドラマーの2人が担当)の朴訥メロディック歌唱が呼び込むヴァイキング風味などの要素が生む前述のバンド群以上の骨太で硬派な感触が、この BLIND STARE のデビューを単なるフォロワー登場以上のスペシャルな出来事としていると言えるだろう。

あくまで自身がドラマティック&シンフォニックな華麗なる様式系であることを前提として、その本来の持ち味の数々それぞれを研ぎ澄ますよりことによってよりエクストリームな高揚感を演出しよう・・・という、そういった視点で組み上げられたメロデスってなんだか久々な気がするなぁ。(嬉)

随所で発揮する素晴らしいセンスが耳を惹く Zacharias E. Aarnio (key) をはじめ各楽器のエモーショナルな息遣いが聴こえる非常にヒューマンな音作りも心地良く、スロー・パートでの重量感/浮遊感も十分。 うん、こりゃマジでいいバンドだわ。 次作とか相当ヤヴァそうな予感がプンプンだし、今後の展開に超期待デス。

そうそう、オフシャル・サイトによると、ex-DREAMTALE で現 TERASBETONIJarkko Ahola (vo) が歌う "Runaway" なる曲が日本盤ボーナス・トラック用として用意されてるんだけど・・・どっかから出るの?(謎)  (Jul. 24, 2005)


Jacket BLINDMAN 83
Being Human (1999)
国産らしからぬ David Coverdele 型の熱き歌唱と、各所でテクニカル&エモーショナルなプレイを決めるギターを中心とした骨太な HR は、第4期 DEEP PURPLE meets M.S.G. な LA メタルの変り種バンド・・・って印象かな。
多分に様式的な要素を持ちながらも、聴いてて気恥ずかしくならないのはさすが。なかなか "Remember My Name" みたいなフィーリングで曲を書ける日本人っていないよ。
しいて気になる点を挙げれば、キーボードの音色の軽さとシンガーの声がたまに「くぐもり過ぎ」に聞こえる点、そして楽曲の方向性のばらつきってとこかな。

Jacket BLINDMAN 84
...In the Dark (2000)
次作への期待を抱かせる・・・どころか、この新曲5曲だけでも十分に満腹になるほどに楽しめるミニ・アルバムで、全編でこれまでよりいくらか肩の力が抜けてきた感のある Manabu Takaya のソウルフルな魅惑の歌声と、世界的に見ても抜きん出たソロの構築センスに溢れる Tatsuya Nakamura のエモーショナルなテクニカル・ギターが満喫できる。
BLINDMAN の凄いところは、"Living Alone" のようにアーバンな空気を醸し出す大人っぽい曲が、見事にサマになっちゃうところなんだよな。(羨ましい・・・/苦笑)
望むならば、コーラス・ハーモニー・アレンジとサウンド・プロダクションについては、もっと外部の良質なインプットによって向上されていけばイイのでは・・・と思う。

Jacket BLINDMAN 79
Blindman (2001)
本作発売直後に行われた Tour 初日の Show では、実力派 Live Band たる流石の Live Performance でオレの身体と頭を見事に揺さぶってくれた BLINDMAN だが、長年の努力が実りめでたく Major Label からの 配給となった(祝!)3rd Full-Length Album となるこの銀板には、残念ながらそんな彼らの魅力が存分に詰まっているとは言い難いんだなー。。。
Blues Based の 正統的唄モノ HM/HR に、日本人好みの(つーか歴史的に血に刷り込まれている)Instrument 主導の様式的な Approach を施した High-Quality な Hard Rock は、その Blance が吉方向に転んだ時には絶大な高揚感をもたらしつつも、楽曲によっては見事なまでに凶方向に・・・。各楽曲の自体は、心に迫る非常に魅力的な骨格を持ち合わせた文んッ句なく上質なモノなのは確かなんだけど。
そして、どうにも発散しきれていないもどかしさを感じるんよ。それは、前述したその両面を担うそれぞれの Member である、Emotional Singer Manabu TAKAYA と Technical Guitar Player Tatsuya NAKAMURA が、お互いにいい意味での Ego で主張しつつも変なところで遠慮しあってると勘繰らせるような妙な「くすぶり感」。
個人的には、Smooth で Sophisticate された Play を聴かせる Tatsuya NAKAMURA, Tatsuya TODA 両名の弦楽 Combi に、Manabu TAKAYA に迫る荒々しい「トゲ」が出てくると面白いと思うんだけどな。特にちょいとお行儀が良過ぎる感のある後者にね。
看板 Singer、Manabu TAKAYA の Soulful な熱唱は、本作では意図的にかどうか不明だがコレまで彼を語る際に必ず付いて回った「Devid Coverdale 風」の Essence が封印気味で、一聴して感じ取ることのできるその暴力的な「粗さ」を伴った擦り傷が出来そうな Melody は、Algy WardTANK を思わせる(苦笑)風合いだ。ま、「ヲトコ泣き系」ってことでは一緒かな。(無理やりぃ)
元々の資質の高い Band だけにコレで終るはずもなく(と、期待したい)、Live Show で魅せてくれている自身の魅力を上手く封入する Know-How を身に付けて、今後何作目にかはわかんないけれど、いつか素晴らしい Album を作って欲しい。期待!

Jacket BLIZARD 85
Kamikaze Killers (1984)
ランのGに感動したものだ。様式っぽいつくり。

Jacket BLIZARD 65
Hot Shot! (1985)
ポップになったがなかなかいい。

Jacket BLIZARD 60
Blizard (1987)
歌謡曲みたいになっちゃった。

Jacket BLODEN-WEDD 78
Eye of Horus (2005)

南米チリ産パワー・メタル・バンド BLODEN-WEDD の本邦デビューとなる 3rd アルバム。

ANGRA 譲りの技巧と旋律がよく伸びるハイ・トーン・ヴォーカルと共に疾走するメロディック・メタル・・・かと思いきや、そういう側面の魅力も確かにありつつ、本質的には STORMWARRIOR, PARAGON, WIZARD らと同系のトゥルー・メトゥ精神に満ちているというのが面白い。

とりあえず #8 "Power Metal Pride" 最強。(笑)  (Jun. 23, 2005)


Jacket BLONZ 73
Blonz (1991)
凝った音作り。あまり感情が入ってなさそう。ラジオ向け。

Jacket BLOOD STAIN CHILD 83
Silence of Northern Hell (2002)
劇メロ伝道師、和田 "キャプテン" 誠 氏が自らの理念を貫くべく新設したレーベル、Captain Rock Records からの第一弾リリースが、この大阪の若き5人組 BLOOD STAIN CHILD
ネオ=クラシカルなテクニカル・ギター&キーボードをゴージャスなオーケストレーションで包み込み、その上でブラッキーなデス・ヴォイスがギャアギャアと喚くドラマティックなアグレッションに満ちたシンフォニック・デス・メタルの様子は、KALMAH, THRONE OF CHAOS, NORTHER 同様に「CHILDREN OF BODOM タイプ」と形容できるもので、オーケストラ・ヒットとともに「ッギャッ!ッギャウ!」って合いの手入れちゃうとこなんて、普通の神経だったら恥ずかしくてボツだろコリャ!ってほどソレっぽい。
って、確かにその成りきり具合ったら物真似を通り越して泥棒の域にまで達しようとしているんだけれども、本作を聴いて得られるカタルシスの理由であるその優れた楽曲構築力には、確実に「BLOOD STAIN CHILD ならでは」って部分が感じられるのがいいね。
特に、切ないメロディが炸裂する #3 "Under the Sin of Grief" とキーボードソロ手前の一瞬のメジャー転調がカッコ良過ぎる #5 "Requiem" は、彼らのメロディック・プレイに対するセンスの良さが滲み出た秀逸の出来。前者は、もしライヴでコレ演ったらユニゾンでデス・ハーモニーをかましながら、2コーラスめからはバックのギター・メロに合わせてアルバムには入っていないクリーン・ヴォーカル・パートを追加させるべく歌いまくりたいって感じっすわ。
ただ、平坦で奥まった作りのサウンド・プロダクションは、明らかにマイナス。この BLOOD STAIN CHILD の個性ともいえる程に麗しくも煌びやかなオーケストレーションの音色選択のセンスは非常にイイんだけど、アタックタイムのカーブが緩やか過ぎるというか、オン・ベロシティの弱々しさがどうにももどかしいし、パタパタと鳴る迫力に欠けるドラムも聴いててちょっとシンドイ。ドラムに関しては録音状態の問題だけでなく、早いパッセージを多用した曲構成のバンドでは一瞬のリズムのヨレがそれまでの緊張感を台無しにすることもある・・・ってことを、ドラマー自身も録音テイクにOK出す人も共に肝に銘じて欲しいなぁ。
とはいえ、我が国からこのタイプのバンドがココまでの高いレベルで出現したことは非常に嬉しいッス。聴いてて全7曲がどうにも物足りないくらいだし。次作以降にもチョー期待!

Jacket BLOODBOUND 86
Nosferatu (2005)

スウェーデンのメロディック・ハード・ロック・バンド STREET TALK のリーダー Fredrik Bergh (key, b) が新たに立ち上げた正統ヘヴィ・メタル・プロジェクト BLOODBOUND のデビュー・アルバムは、不死の悪魔ノスフェラトゥとの戦いを描いたストーリー・アルバム。

ジャケはご覧のとおり最悪レベルの酷さだわ、4人のメンバーは(メロハー野郎なハズの Fredrik も含めて/苦笑)何故かブラック・メタリックなコープス・メイクと共に邪悪なポージングを決めているわで妙に色物的な雰囲気を醸し出しつつも、演ってるのは至ってまともなクラシックなヘヴィ・メタルなのが笑える。(笑)

メロディックなギター・ワークが全体を引っ張る IRON MAIDEN ルーツの強固な地盤の上で近年の欧州メロディック・メタル的なキーパーな煌びやかさを走らせる楽曲は、さすがに一部でその名が引き合いに出されてる LOST HORIZON の域には全く達してない (^o^; ものの、シンガー Urban Breed (TAD MOROSE) によるちょい Jonny Lindqvist (NOCTURNAL RITES) 似の明快な勇壮歌唱(with 壮麗コーラス)が印象的なメロディを雄々しく歌い、ギタリスト Tomas Olsson のネオ=クラシカルな弾きまくりが冴え渡る、確かにピュア・メタラーの心をくすぐるツヴォを得た佳曲揃いだわコリャ。

パッケージングのニセモノくさい胡散臭さに一歩退きつつも、どう考えても名曲レベルのタイトル・トラック #3 "Nosferatu" に、メタル・パワー漲る握り拳を天に突き上げてる自分がいる。(苦笑)  (Dec. 20, 2005)


Jacket BLOODBOUND 86
Book of the Dead (2007)

STREET TALKFredrik Bergh (Key,b) 率いるスウェーデンのメロディック・パワー・メタル・バンド BLOODBOUND の2ndアルバム。

魅惑の正統クラシック・メタルをプレイしながらも見た目はブラック・メタリックなコープス・メイク・・・という奇妙なスタイルが生んでいた「ネタっぽさ」が、2作目リリースのNewsに驚きを運んできていたが、脱退したシンガー Urban Breed (ex-TAD MOROSE) の後任がなんとあの Michael Bormann 様 (ZENO, ex-JADED HEART) と聞いてさらに驚いた。

Bormann 様のこれまでのキャリアの中でもここまでのコッテコテのヘビメタは無かったハズなので、コリャどうなんだろう・・・と思いきや、蓋を開けてみたら流石の実力派たるハマりっぷりで一安心。

それどころか、前作でのハイライト "Nosferatu" の流れを汲む #6 "Flames of Purgatory", #11 "Seven Angels" という IRON MAIDEN 風味のギャロップ・メタル群よりも、新加入の隠れた名ドラマー Pelle Akerlind (dr/MORGANA LEFAY) の推進力満点のプレイを生かした #1 "Sign of the Devil", #4 "Bless the Unholy", #7 "Into Eternity", #10 "Turn to Stone" らの HELLOWEEN 的な明快な疾走感を持ったファスト・チューンの出来の良さが目立つ作風の中、本来マイルドなハスキー・ヴォイスに過度のエネルギーを注入しながら爆発させる Bormann 様の歌唱ってば、LETTER-X "Born into Darkness" 以来の名演となってるぢゃん♪(嬉)

注目の白塗りメーキャップが Bormann 様が許容しうるレベルに他の全員がトーンダウンするというヘタレな形(苦笑)に落ち着いてしまったのはオレ的には至極残念なんだけど、一般的には、それも含めてニセモノ臭いネタ体質が薄れたのは案外良い傾向なのかもね。  (Jun, 19, 2007)


Jacket BLUE BLOOD 48
Universal Language (1991)
前作よりはましだが退屈。

Jacket BLUE BLUD 39
The Big Noise (1989)
つまらん。

Jacket BLUE MURDER 87
Blue Murder (1989)
紛れも泣くJ・サイクスの音!フレットレスBもあってる。

Jacket BLUE MURDER 82
Nothin' But Trouble (1993)
メンバーを一新。らしさがかなりでてきた2ND。

Jacket BLUE MURDER 83
Screaming Blue Murder (1994)
J・サイクスはもちろん、ほかのメンバーの力量も楽しめる。

Jacket BLUE OYSTER CULT 68
Imaginos (1988)
大作は聞きごたえ有り。あとはちょっと...

Jacket BLUE TEARS 60
The Innocent Ones (2006)

アメリカン・メロディック・ハード・ロック・バンド BLUE TEARS が16年振りにリリースする復活作。(通算2作目)

BON JOVI がスケール・ダウンしたようなハードめのメロディック・ロックで、楽曲/プレイ共に決して悪くない感じなんだけど、当時のお蔵入り音源?と思えるようなショボさがちょいとシンドい。。  (Apr. 23, 2006)


Jacket BOANERGES 82
Senales Antes Del Fin (2000)
テクニカルなネオ=クラシカル・ツインギターを存分にフューチュアした、アルゼンチン産正統派 HM。クレジットからするとたぶん1998年の作品かな。
正直、プロダクションは超甘々でチープでアマチュアレベルではあるけど、この楽曲クオリティとセンスにはかなり耳が惹きつけられるよ。
確かなシンガーの歌唱力と、冒頭に書いたギターの魅力、そしてツボを得た楽曲センスに裏付けられたキラー疾走チューンも多いし。
ちなみにシンガーが女性だってのは、全然気がつきませんでした。(汗) 今聴いても・・・(さらに汗)

Jacket BOB CATLEY 97
The Tower (1998)
MAGNUM のシンガー Bob Catley 初の(?)ソロ。そんなに期待せずに買ったが、なんとこりゃ「超弩級名盤」として音楽史に永遠に語り継がれるに相応しい一枚なのではっ!?
オープニングの "Dreams" での DARE も真っ青の憂いに満ちたケルティック・フレーズが流れ出たとたんにもうメ~ロメロ。このまま雰囲気モノで行くのか(それはそれで好きな路線だからアリ)と思いきや、意外にもキャッチーな叙情ハードロック/ポップが満載で、その楽曲のどれもが喩えようもないもやっとした湿度の高い空気に包み込まれていてジャケットどおりまさに「曇天の英国田園」の趣がビンビンに伝わってくる。
そんな佳曲ぞろいの楽曲群の中でも Bob Catley の年輪を重ねたに相応しい、説得力ある暖かい歌声で綴られる壮大なる叙情絵巻 "Madrigal","The Tower" そして "Fear of the Dark" での哀歓に溢れた激情のドラマは言葉を失うほどに感動的。
この素晴らしい楽曲はすべて Gary Hughes(TEN) のペンによるもので、MAGNUM の大ファンであった彼が「Bob Catley かくあるべし!」と奮起した結果、本業以上に持てる力を出しきったのだろう。(←想像です ^_^;)相棒の Vinnie Burns もそれに呼応するように TEN でのどのプレイよりも素晴らしい仕事をしている。
すべてが終わり、アウトロである "Epilogue" が流れ出た瞬間、どっと溢れ出る崇高極まりない涙によって、すべての俗物は視界から消え去るでしょう。死ぬまで聴きつづける事決定。

Jacket BOB CATLEY 80
Official Bootleg - Live at the Gods (1999)
歴史的名盤として世に名を残す事になった"The Tower" で度肝を抜いた BOB CATLEY のライヴ盤。MUGNUM 時代の名曲が聴けるのと、スタジオワーク以上に自身の歌をコントロールする、BOBのシンガーとしてのテクニックの素晴らしさが堪能できるのがいいね。
ただし "The Tower" の幻想世界に耽溺したいのであればスタジオ盤の方がいい。演奏は安定しきっていて、ライブならでのスリリングさに欠けるし。

Jacket BOB CATLEY 88
Legends (1999)
完全にノックアウトさせられた前作と比較すると幾分ソリッド&コンパクトな印象ながら、そこはやはり湿り気と憂いに満ちた、威風堂々たる極上のハード・ロック・アルバム。
この歴史と伝統を感じさせる、人の悲しみを知り尽くしたかのような重厚な声が、たまんなく良いんだな。買った当初はあまり聞いていなかったけど、今(00/3月末)聴きまくってます!
。。。ただなぁ。。。ジャケがなぁ。。。(苦笑)

Jacket BOB CATLEY 86
Middle Earth (2001)
哀愁 HR 史上に残る傑作激泣デビュー盤 "The Tower" に続く前作 "Legends" が、良質のメロディが詰まりつつもややコンパクトで印象を受けた「地味盤」だったんでちょいと警戒していたが、この 3rd アルバムは良い意味でのコンパクトさを残しつつ煽情力/ドラマ性の高さが心地よい「気迫盤」となって一安心。
これまで同様 Gary Hughes のペンによる楽曲は、ハード・ポップのキャッチーさを持ち合わせた威厳に満ちた伝統的なハード・ロックをトラッド/フォークの牧歌的風合いで味付けしたファンタジックなもので、モチーフにされたファンタジー小説「指輪物語」の寓話世界を見事に描いている。
今回は、Vinny Burns の官能ギターを存分に配しながらもキーボードをより前面に押し出したややマイルドな作りで、そのためか Bob Catley の「悟り」を感じさせる老獪なる歌唱の乗りもよく、情緒を不安定にさせるほどのメロメロの哀愁の谷間に流れる安堵を誘うほのぼのとした暖かさが、心に響いちゃうんだよなー。

Jacket BOB CATLEY 87
When Empires Burn (2003)
Bob Catley の4枚目のソロ・アルバム。
本作ではこれまでの3作を楽曲提供/プロデュースしてきた Gary Hughes とは別れ、Gary と同じ TEN の鍵盤奏者で Bob とは HARD RAIN でのパートナーでもあった Paul Hodson の完全コントロールの下で制作。
NO SWEAT、現 PULSE のギタリスト Vince O'Regan の美味しいギター・プレイもたっぷりと聴けるが、司令塔である Paul Hodson がキーボード・プレーヤであることからか、冒頭の巨大スケールの映画音楽の如きシンフォニック・イントロダクション #1 "The Torment (intro)" に代表されるように、全体的にはこれまでにない程にシンフォニック・ロック的な壮麗さを強調した作風になってるな。
が、その重厚なるドラマティックな装いに包まれたポップとさえ言える程にキャッチーなメロディ満載の叙情ハード・ロックは、見事なまでにこれまでの流れを継承した「Bob Catley 風味」の感触を保っている。Bob 自身の威厳に満ちた堂々たる歌唱を聴いていると、本当に「伝統」の2文字が脳裏に浮かんでくるわ。いいね。
とにもかくにも、米国へ移民するアイルランド人の祖国に対する思いを綴った #11 "My America" の切なさに泣け過ぎ。(涙) (Aug. 10, 2003)

Jacket BOB CATLEY 73
Spirit of Man (2006)

英国のハード・ロック・シンガー Bob Catley (MAGNUM) の5作目のソロ・アルバム。

今回の楽曲は、前作でもプレイしていた Vince O'Regan (g/PULSE, ex-NO SWEAT) と LOST WEEKENDPaul Uttley (vo) & David Thompson (g) の3人がチームで担当。 前作で Paul Hodson (key/TEN, ex-HARD RAIN) が目指したメロディックな正統派ハード・ロック路線を引き継ぎながらも、いかにも「大英帝国のイデオロギー」云々という言葉が口を突いて出そうな靄(もや)の中に充満する湿り気は濃度を増し、全体を包むその空気感はかつて MAGNUM が発散していたそれに最も近くなった印象だ。

が、時代遅れの古めかしいアレンジメントと、その湿り気が悪い方向に作用したエッジの欠如・・・そして詰まるところ楽曲そのもののイマイチさはカナーリ残念なレベルで、Bob ヲジサンのいぶし銀歌唱もその老獪なエモーションがやや空回り気味。。

奇跡の銘盤 "The Tower" 再び!とまでは求めないけど、この「可も不可もなく・・・」的な地味ぃ出来は、なんとも不完全燃焼な感じ・・・。  (Jan. 20, 2006)


Jacket BOB KATSIONIS 85
Imaginary Force (2004)

IMAGINERY, CASUS BELLI, NIGHTFALL, SEPTIC FLESH, STAR QUEEN 等に参加し、最近では FIREWIND の来日公演での予想外のイケメンっぷりや MAGIC KINGDOM "Metallic Tragedy" へのゲスト参加の報が耳に新しい、ギリシャの売れっ子鍵盤奏者 Bob Katsionis の2枚目のソロ・アルバム。

メイン楽器であるキーボードの他ギターもプレイする Bob、そして Fotis Benardo (dr), Stavros Giannakopoulos (b) というグリーク・トリオが奏でるのは、超絶テクニックが炸裂するハイ=テンションなインストゥルメンタル・チューンズだ。

なにより、楽曲の傾向がガッツリと疾走する(時にはブラストをも厭わぬ!)シンフォニックな欧州メロディック・スピード・メタル的なものであるというのがまずは高ポイントっしょ。この手のハイ=テク・インスト物にありがちなアダルトなフュージョン・タッチが楽曲を支配する場面も無くはないが、それらが良い方に作用してスマートでプログレッシヴなクオリティを生むのに一役買っちゃってるという実に幸運(ってゆーかそんだけメタル・センスが優れてるってことよね)な一面もアリ。

いやー、インスト作である云々を超越して、「マイナー・キー主体のテクニカルなヘヴィ・メタル」としての悶絶ポイントが多数存在する、メタル・ヘッズとして自然にヘドバンを誘発されるなかなかの一枚に仕上がってると思うデスわ。そのメタル・エッセンスの原動力となってるドラマー Fotis Benardo のプレイが驚愕レベルの凄さに満ちていたっちゅーのも儲けもんだったし。(嬉)

しかしさ、鍵盤奏者としての達者っぷりはもちろん普通に「相当なテクニシャン」と呼べるほどに7弦ギターをも弾きこなすイケメンな Bob Katsionis 君、「超 Daniele Liverani タイプ(笑)」としてこれから更に引っ張りだこになっちゃうんぢゃないの〜?  (Jul. 18, 2004)


Jacket BOBBY KIMBALL 82
All I Ever Needed (2000)
元 TOTO のシンガーのソロ。TOTO 系 A.O.R./HR ファンのマストアイテムといっても過言ではないッスよ。マジ。
タルい曲も確かにあるけど、哀愁&高品質な必殺チューンも目白押し。いや~、出会ってよかった。

Jacket BON JOVI 90
Runaway (1983)
憂いを湛えたA1がたまらない。よく聞いた。

Jacket BON JOVI 89
7800°Fahrenheit (1985)
哀愁ハードロック度アップ。

Jacket BON JOVI 89
Slippery When Wet (1986)
アメリカのバンドだなあと、思い知らされた一枚。圧倒的なメジャー感。

Jacket BON JOVI 95
New Jersey (1988)
曲よし。元気も出るし、泣きもある。産業ロックになりえないところがいい。

Jacket BON JOVI 86
Keep the Faith (1992)
ハード・ロック・バンドから洗練されたアメリカン・ロック・バンドへ変貌。
楽曲の完成度はさすが。"Bed of Roses" 最高。

Jacket BON JOVI 88
Bed of Roses (1993)
名バラードのシングル

Jacket BON JOVI 80
These Days (1995)
うーん、どっから切ってもBON JOVIだな。悪かないけど。
タイトルトラック1曲が至上の輝きを見せている。名曲。

Jacket BON JOVI 70
Crush (2000)
本人たちが「"Slippery When Wet""New Jersey" に近い」とのたまってたとおり、いきなりの "It's My Life" は、マイナーキー主体の昔っぽい哀愁メロディック・ハード調チューンで、その後を期待させたが、そっから先はアダルトな大陸ロックにやや昔っぽい元気の良さを絡めた、ついつい聴き流してしまうような内容。
確かに、往年の情熱的な躍動感は消え失せたものの特徴的な声質(アヒル声)とフレージングが主張する「BON JOVI 節」はそこかしこに聴けるが、この中途半端な振りかえりかただったら、"Keep the Faith" の方が100倍いいね。だって名曲がいっぱいだもの。
バラードも悪かないけど響いてこないし・・・。ま、数年後に聴いて悶絶するかもしれんケドね。(苦笑)
あ~、極めて THUNDER 的な "Two Story Town" はカナリ気に入りました。

Jacket BON JOVI 79
Bounce (2002)
8th アルバム。(って、枚数的にはまだまだそんなもんだったのね/驚)
84年に登場した時はどっから見てもハード・ロック・バンドだったのが、"Keep the Faith" 以降はスッカリ垢抜けちゃって、今や「めざましテレビ」でも話題になるほどの一般向け洋楽アーティストの代表格だもんなぁ。(遠い目)
それでも未だに新作がリリースされる度にこの BON JOVI を買い続けてるってのは、インストゥルメンタル群が発するサウンドの質が変遷しつつも変わる事がない Jon Bon Jovi の歌がそこにあるからなんだろうな。きっと。
本作に収録されている楽曲も、モダン・ロックのヘヴィな味わいやドラム・ループの導入など時流に乗った様々なアプローチを見せているが、Jon があの独特のアヒル声で歌うその魅力的な躍動メロディはしっかりと健在。
ヘヴィに始まりメランコリックなサビに繋がってゆく #1 "Undivided"、もし Liv Kristine 嬢が歌えばきっとカナーリそれっぽい「超 THEATRE OF TRAGEDY タイプ」(苦笑)な #2 "Everyday"、初期 BON JOVI の魅力を今に伝える路線の名曲(でもよく聴くと「超 TO/DIE/FOR タイプ」かも/さらに苦笑)#11 "Bounce"、そして #5 "Misunderstood", #12 "Open All Night" という2曲の傑出した情感溢れるバラード・・・と、オレ的に "It's My Life" 1曲だった前作 "Crush" と比較しても、楽曲の出来も粒揃いな感じ。もちろん退屈な曲も少なくなかったけどね。
特に #12 "Open All Night" は、すんげーカラオケで歌いたい! カラオケ化されるために、是非シングルでのリリースを希望!

Jacket BON JOVI 77
Have a Nice Day (2005)

既に押しも押されぬ大御所の粋に達した感のあるアメリカン・ロック・バンド BON JOVI の 9th アルバム。

オープニングを飾るタイトル・チューン #1 "Have a Nice Day" が強く印象付ける哀感を包み込むダイナミクスの質感に「ハード・ロック回帰」的な匂いを感じはしたが、その後の流れ的には随所にハード・エッジな織り込んだ「BON JOVI に期待する線に近いスタイル」の曲が続くものの、やっぱり今一歩のめり込めない普遍的なアメリカン・ロック・・・って感じ。

つか、そんなハードかどうかってことは全然問題ではなくて、単純に楽曲が上述の #1 "Have a Nice Day" を除いてどれもイマサン好みじゃないんだよね・・・。 前作 "Bounce" の方が、退屈な曲も多かったが印象的で気に入る曲も多かったな、オレは。

ま、この次来日するタイミングで、ショウの予習としてまた聴いてみよう。 その時に今より曲が引っ掛ってきてくれたらラッキーってことで。  (Oct. 02, 2005)


Jacket BONFIRE 85
Don't Touch the Light (1986)
スコーピオンズそっくり。曲も似ているが、いい曲多し。

Jacket BONFIRE 88
Fire Works (1987)
泣き度が大幅にアップ。最高傑作。

Jacket BONFIRE 86
Point Blank (1989)
17曲入り!G交替でテクニカルなソロが顔を出すようになった。

Jacket BONFIRE 40
Knock Out (1991)
こんなはずではないはず!なんでこうなるのと叫びたいほどつまらん。

Jacket BONFIRE 82
Live... the Best (1993)
絶頂期のライブ。いい曲が多い事を再確認。

Jacket BONHAM 80
The Disregard to Timekeeping (1989)
Dはやはりうまい。あまりの大物ぶりについていけない部分もある。

Jacket BOOK OF REFLECTIONS 69
Book of Reflections (2004)

Lars Eric Mattson が仕掛けるユーロ・エピック・メタル・プロジェクト BOOK OF REFLECTIONS のデビュー・アルバム。

シンガーに Andy Engberg (ex.LION'S SHARE / SECTION A), Hubi Meisel (ex.DREAMSCAPE), Mikael Holm (WINTERLONG) の3人を、そしてキーボードに Vitalij Kuprij を配してネオ=クラシカル風味をまぶした劇的な欧州ヘヴィ・メタルという実に美味しい路線を標榜している。

・・・が、曲が非常に退屈で、そのうえ歌唱/プレイも地味というかなりツラめの内容。本当は誰一人この路線が好きな奴いないんじゃないの?って感じぃ。

そんな中、凄まじいファスト・プレイを弾きまくる Rusty Cooley (g) のプレイにだけは、「逸材発見!?」的な喜びを感じることが出来るかも。  (Jul. 18, 2004)


Jacket BOOK OF REFLECTIONS 69
Chapter II : Unfold the Future (2006)

Lars Eric Mattsson 社長が Lion Music 所属アーティストから選抜して臨むスウェーデンのネオ=クラシカル・プログレッシヴ・メタル・プロジェクトの2作目。

メンバー:
Bjorn Jansson (vo/TEARS OF ANGER)
Martin LeMar (vo/TOMORROW'S EVE)
Anand Mahangoe (g/SPHERE OF SOULS)
Lars Eric Mattsson (g,b,key,vo)
Eddie Sledgehammer (dr/MATTSSON, CONDITION, RED, VISION)
Mistheria(key/BRUCE DICKINSON BAND)

・・・このメンツから想像できるとおりの音。(汗)  (Jan, 06, 2007)


Jacket BORKNAGAR 86
The Archaic Course (1998)
BORKNAGARARCTURUS,ENSLAVED,GORGOROTH,MOLESTED といったノルウェー・ブラックメタルの有名バンドの猛者達が結成した耽美派ドラマティック・ブラック・メタル・バンド・・・なのだが、なんとデス声は全体の2割ほどで、大部分は3作目となる本作 "The Archaic Course" からシンガーの座に就いた ICS Vortex こと Simen Hestnas (ARCTURUS !)の魅力的な「普通の声」で歌われているのだ! それでも「ブラック・メタル」なのかな? まいっか、難しいことは言いっこなしだ。どのみちGOOD MUSIC には変わりないから!
その Simen Hestnas の歌声はメタリックな威圧感で責めるタイプではなく、ブリティッシュ・ポンプ・ロック真っ青の牧歌的な響きすら感じさせる独特のヴァイヴを持っており、その声質と複雑な展開を見せる楽曲が相乗し、時に「デスメタル的な攻め方をする生っ粋のテクニカル・プログレ・バンド」を聴いているような錯覚すら覚えるほどだ。そのうえデス声まで出すってんだからたまげる。これぞまさに逸材ってヤツですかね。
シンガーだけでなく各人のテクニックにももちろん何の不安も無く、デス・ブラック的音像で哀しみ系のメロを撒き散らしながら疾走するパート、アコースティックに浮遊するパート、壮大なオーケストレーションで圧倒するパートがバランス良く配合されている。芯にはブラックメタルが一本通っているが、プログレから70'sロック(オルガンがCool!)、クラシックなど本当に多彩な色彩を放つ奥の深いアルバムだ。
精力的にライヴ・ツアーも行っているようで、数少ない(!?)「実態のあるバンド」として近い将来のブレイクが期待できそう!

Jacket BORKNAGAR 85
Quintessence (2000)
"Empiricism" リリースに伴ってサンプルの在処とか色々調べてたら、この2000年リリースの 4th アルバム "Quintessence" をうっかり買い忘れてることを思い出して、速攻リカヴァー。
圧迫感を感じさせるほどに音密度の濃くありながら、なぜか絶妙な隙間をも感じさせる、一聴して BORKNAGAR と判るその音像の上に舞う、デス・ヴォイスと普通声を器用に操るシンガー I.C.S. Vortex の朗々たる朴訥ハーモニーが運んでくる独特の哀感が魅力の、名盤 "The Archaic Course" の延長線上の好盤。
インパクトこそ前作に今一歩及ばないのは事実ながら、ブラック・メタル、オールド・ハード・ロック、プログレッシヴ・ロックそれぞれの方向に1ステップずつ歩を進めた感のある一癖ある美旋律エクストリーム・ミュジックには、ついつい酔い痴れちゃうね。
シンフォニックでありながらオールド・プログレのフィーリングたっぷりのキーボード/オルガンが隠し味っぽく鳴ってる空気が、ホンットにタマンねっすわ。

Jacket BORKNAGAR 89
Empiricism (2001)
看板シンガー I.C.S. Vortex が、それまでもゲスト扱いで参加していた DIMMU BORGIR に正式に加入するために脱退するという致命的に近い痛手を負いながら、後任に贅沢にも Vintersorg (VINTERSORG, OTYG) を据えるという快挙を成し遂げた 5th アルバム。
プレイ・ボタンをプッシュすると流れ出る冒頭の "The Genuine Pulse" の美しいピアノの調べが一瞬にして激烈ブラストの進攻に変化したのに度肝を抜かれつつ、その後に差し込むデス・ヴォイス、そしてサビのクリーンなシンガロング・・・この時点で確信できた。BORKNAGAR は見事に再生したと。しかも確実に以前よりスケール・アップして!
これまでの延長線上ながら、より細部まで一層練られた印象のある一筋縄では行かない進行の濃密な美旋律プログレッシブ・ヴァイキング・ブラックな楽曲は、終盤の哀感に悶絶を禁じ得ない "Gods of My World"、美醜デュエットで歌われるサビの涙メロが圧巻のミドル・チューン "The Stellar Dome" などを筆頭に、泣き度は過去最高峰。
そりゃそうだよ、なんつっても Vintersorg の声なんだから。その Vintersorg の歌唱は実に見事で、大筋では I.C.S. Vortex 在籍時の音像から大きく逸脱しない「BORKNAGAR の個性」に沿ったうえで、彼よりも格段に高い歌唱力/表現力を見せつける。発声の端々に哀しみを滲ませるその歌声のなんと哀しいことよ! デス・ヴォイスと普通声の両方が必要という悪条件の中、実に的確な人選・・・つーか、他の選択肢があまり思いつかない中で、よくもまぁこの人事を実現できたなって感じ。
本作で BORKNAGAR は間違いなく DIMMU BORGIR, CRADLE OF FILTH と同じレベルで語られるべきバンドに成長したと思うよ。

Jacket BORKNAGAR 88
Epic (2004)

ノルウェーのプログレッシヴ・メロディック・ブラック・メタル・バンド BORKNAGAR の 6th アルバム。

DIMMU BORGIR に加入するため脱退したシンガー I.C.S. Vortex の後任に Andreas Hedlund (a.k.a. Vintersorg) を据えるという奇跡のシンガー人事が衝撃的だった前作に続き、本作でもその Vintersorg 君の哀愁朴訥ヴォイスが冴え渡るったら冴え渡る。

アグレッシヴに荒れ狂いながらもハモンドやピアノ等のレトロな音色のキーボードが温かみを演出するメロディック・ブラストが、独自の感性で構築されたやや不協なアンサンブルを独特のフックとして静かに広がる暗黒叙情美に鮮やかに場面転換する BORKNAGAR ならでは醍醐味はこの新作でも健在だ。

さらに本作は、たおやかな叙情パートの分量をグッと増量したこれまで以上にアーティスティック&プログレッシヴな印象で、それによってますますバンド VINTERSORG との差異が少なくなってきたような・・・。(^o^;

うん、やっぱホント好きだわ BORKNAGAR。程よい難解さが快感を呼び込む濃密な美麗ケイオス・・・タマランデス♪  (Aug. 22, 2004)


Jacket BORKNAGAR 85
Origin (2006)

ノルウェーのプログレッシヴ・メロディック・ブラック・メタル・バンド BORKNAGAR の7作目は、なんとアコースティック・アルバム。

これまでの BORKNAGAR はもちろん OTYG, VINTERSORG らの作品にも頻発していた静の部分から抽出したような荒涼たる哀愁をフルート、リコーダー、チェロ、ヴァイオリンが優雅に包むフォーキーな風合いに、Vintersorg (vo) の朴訥なノーマル・ヴォイスがナイーヴに響く様ったら、ほんとタマランね。

全部で35:54と短いのがちょいと物足りないねぇ。。 ま、早いトコ次のレギュラー・アルバム出してください。  (Dec, 26, 2006)


Jacket BOSTON 94
Boston (1976)
今聞いてもなんの遜色もない!素晴しいアンサンブル。

Jacket BOSTON 95
Don't Look Back (1978)
アメリカンネオプログレッシヴの超名盤。

Jacket BOSTON 90
Third Stage (1984)
プログレ産業ロックの基本中の基本! 泣きのGハモリが全開!

Jacket BOSTON 82
Walk On (1994)
うぉーっ!ぜんぜん変わらぬボストン節に涙だ!

Jacket BOZZIO LEVIN STEVENS 77
Situation Dangerous (2000)
わははは。いきなりの "Immigrant Song" ライクなリフで掴みはオッケー。(苦笑)
超テクの嵐かつコンテンポラリに迫る聴きドコロ満載のテクニカル・ハード・フージョンのスリリングなエキサイトメントが◎。
Steve Stevens のこのところのフラメンコ趣味を反映した繊細なアコースティック・パートの叙情も「泣き派」には嬉しいし、なんつっても Tony Levin の図太くうねるベースが、いつ聴いても心地良い限り。

Jacket BRAINSTORM 86
Unholy (1998)
ドイツの正統派パワー・メタルの2nd。最高傑作。  (Feb. 16, 2004)

Jacket BRAINSTORM 84
Soul Temptation (2003)
ドイツの正統派パワー・メタルの5th。 硬質かつメロディックな一点の曇りもないヘヴィ・メタル。  (Feb. 16, 2004)

Jacket BRAINSTORM 81
Downburst (2008)

ドイツ産ベテラン・ヘヴィ・メタル・バンド BRAINSTORM の7thアルバム。

質実剛健な堅実パワー・メタルという基本路線に、本作では Sascha Paeth プロデュース効果とも思えるキャッチーかつシンフォニックな味わいが加わり、これまで少々弱めだったメロディ面の魅力をアピール。

ずいぶんと聴き易くなってきたけど、彼らの本来の持ち味である「硬派な漢らしさ」が決して損なわれていないのがいいね。  (Feb, 07, 2008)


Jacket BRAVE 85
Searching for the Sun (2002)
米国ヴァージニアの女性プログレッシヴ・ゴシック・メタル・バンド ARISE FROM THORNS が心機一転 BRAVE に改名しての 1st フルレングス・アルバム。
ややポッチャリながら魅力的な Michelle Loose 嬢の素朴かつ繊細な女声をフィーチュアした、内省と開放が微妙に手を組んだその独特のサウンドは、あえて既存のバンドに類似点を求めるならば LACUNA COIL の名を挙げつつ、洗練されたアコースティック風味のキャッチーなプログレッシヴ・ロックって見地では、MARA の 名盤 "America" に通じるものもあるかも。
ヘヴィでありながらキャッチーな魅力に満ちた #2 "I Believe"、アコースティックな安堵が流れる #3 "Falling into Bliss"KINGSTONE WALL 真っ青にマジカルな #4 "Trapped Inside"、テンションの効いたカッティングが洒落たアダルトさを醸し出す #7 "Bleed into Me" をはじめとする楽曲の数々は、時にヘヴィにグルーヴしたりさり気なく変拍子をかましたりしつつ、全体の印象はアコースティックで「女性ヴォーカルもののロック」といっても充分に通用する癒さ具合。
シンフォ風味は必要最低限に押さえ、様々なキャリアを経た上でここに辿り着いたと思える懐の深すぎる熟練のプレイが人間味に溢れた自然体である・・・ってのが、この BRAVE の魅力だな〜。

Jacket BRAVE (THE) 72
Battle Cries (1993)
哀愁HRが美味しいクリスチャン。

Jacket BRAVE NEW WORLD 84
Monsters (2006)

PASSION STREET のシンガー Rick Cartey をフィーチュアした英国のメロディアス・ハード・ロック・バンド BRAVE NEW WORLD のデビュー作。

タイトなビッグ・リズムと明快なクリア・アレンジの上で快活メロディが放たれる様は NIGHT RANGER を想起させる。 ギタリスト Pat Heath (VAUGHN) のテクニカルな弾きまくりがツヴォ!!  (Sep, 23, 2006)


Jacket BRAZEN ABBOT 83
Bad Religion (1997)
オーソドックスな準様式派HM。実力派3人のVが聞きどころ。

Jacket BRAZEN ABBOT 85
Guilty as Sin (2003)
ブルガリア人ギタリスト Nikolo Kotzev のプロジェクト BRAZEN ABBOT の、6年振り4枚目のアルバム。
DEEP PURPLERAINBOW ルーツの古典的とも言える芯線を往年の北欧メタル独特の透明感で包んだ、程度にドラマティックかつキャッチーな落ち着いたサウンドは、まさに聴いてて心の底から「和み」を感じる程よい匙加減。
今回 Nikolo プラス元 EUROPE 3人組 John Leven (b), Mic Michaeli (key), Ian Haugland (dr) による演奏の上で歌声を披露するのは、Joe Lynn Turner, Jorn Lande, Goran Edman の3人。Nikolo との相性の良さを見せつける Joe Lynn Turner の “RAINBOW 風味メーカー”として圧倒的な存在感、ここでも鬼神の如きオーラで全てを自分色に染め上げる Jorn Lande のやっぱり超絶な唯一神的歌唱もマジ凄いが、オレはやっぱり Goran Edman の歌に心惹かれるわ。「彼が歌えば北欧メタル」という「Mr.北欧メタル」な歌唱が生むその空気感には、何物にも替え難い居心地のよさを感じてしまうわ。
Nikolo 自身の、やや線が細いながらもセンスの良さを感じさせるプレイも何気に好きだな。何気ないオブリガードに漂う本格的にクラシカルな素養にグッと来るデス。 (Aug. 10, 2003)

Jacket BRAZEN ABBOT 86
My Resurrection (2005)

ブルガリア領オーランド出身のクラシカル派ギタリスト Nikolo Kotzev 率いる BRAZEN ABBOT の 5th アルバム。

DEEP PURPLE, RAINBOW の流れを汲む様式系ブルーズ=ベースド王道ハード・ロックを、北欧風味のクリアなシンフォ/クラシカル・エッセンスとキャッチーでアダルトな A.O.R.タッチで味付けしたオーセンティックなサウンドは従来どおりの作風だし、複数のシンガーを起用するというスタイルもこれまでと同様だけど、楽曲面においてその焦点が一気に定まってきたような充実を見せているのに驚いた。

本作でシンガーを努める Joe Lynn Turner (vo on 1, 4, 7, 10), Goran Edman (vo on 2, 5, 9, 12 / XSAVIOR), Tony Harnell (vo on 3, 6, 11 / TNT, STARBREAKER), Erik Martensson (vo on 8, 9, 10 / ECLIPSE) ら4人の声の相性も非常に良く、彼らそれぞれの熱演が全体の中でバランスよく形成するハイライトの連続はメッチャ聴き応えあり。

広瀬編集長悶絶必至の「超 "Bent Out of Shape" 収録曲タイプ」(笑)な #4 "Dreams" で「望まれる持ち味」を発揮しまくる Joe Lynn Turner と、ラストのアーバン・バラード #12 "Shades of Grey" をしっとりと締めくくる Goran 'Mr. 北欧ヴォイス' Edman のレギュラー・メンバーはもちろん、高エネルギーなハード・ドライヴィン・チューン #3 "Godforsaken" で自らが世界有数のハイ・トーン・シンガーであることを強烈にアピールする Tony Harnell、そしてメロウな哀愁 A.O.R. #8 "The Shadows" にて他の名シンガー3名に一歩も引けを取らぬ叙情歌唱を聴かせる Erik Martensson の2人の活躍が新鮮さを生んでいるのも◎。

Nikolo Kotzev が端々でしっかりと主張する独特のクラシカル・センスももちろん強力だが、今回それ以上に耳を捉えたのが、Nelko Kolarov (hammond, piano, key) の悶絶ピアノ・タッチ。 ななな何者だ!?と思ってググってみたら、どうやらソロ・アルバム出してるらしい。 買わネヴァ!  (Jul. 07, 2005)


Jacket BRIAN MAY 69
Back to the Light (1993)
正直いって少し物足りない。オーケストレーションを期待してはいけないのか。

Jacket BRIAN MCDONALD 85
Wind It Up (2000)
Beau Hill 人脈の裏方職人の約13年ぶりのリーダーアルバム。
緻密に構築されたアレンジが畳み掛ける壮麗でゴージャスな音の壁、コーラスワークの手法は、NOUVEHUX を超えるほどに(苦笑/なんつー喩えや)DEF LEPPARD そのもの。
そこにプログレ A.O.R. に通じる甘さと翳りのある良いメロディ、完璧なプロダクション、そして Reb BeachAlex Masi の超絶ギター! この音さ、このオヤジのソロ名義ではなくルックスよさげな若者のバンド名義だったら、日本で大爆発するって、ホンマ。
「職人オヤジが苦節ウン年やっと表舞台に・・・」的な作品としてやり過ごしてしまうと、割を食うかもよ!

Jacket BRIDE ADORNED 86
Blessed Stillness? (2004)

TOC でも活動するメンバーを擁するフィンランドのシンフォニック・ネオ=クラシカル・メタル・バンド BRIDE ADORNED のデビュー・アルバム。

華麗に響くシンフォニーと荘厳なクワイアが悶絶極まりないバロックなフレーズを交錯させまくる壮麗なるオーケストラル・メタルの、SYMPHONY X + ROYAL HUNT + THERION という贅沢なサウンド・スタイルの豪華さったらもう圧巻の一言すら出ないほど。

線が細い系ハイ=トーン・ヴォーカルによる存在する意味すら希薄なほどの当たり障りのない歌唱パートにこそ終始勿体無さを覚えまくりだが、それを差し引いて考えても、この劇的な欧州メタルの骨格を成す My 脳内に多量のエンドルフィンを滴らすに十分な極端なまでのクラシカル・エッセンスは、マジ美味しいですわ。 #5 "Otherworldly" 最強ッ!!

ただ、非常に良く出来た激高レベルの有機的なオーケストラ・パートに驚きつつも、逆に良く出来てるだけに求めてしまう「音」以上のもの・・・情念とかそういうものが伝わって来にくいことで、PC レコーディング技術の向上がもたらした功罪についてとかそーんな余計なコトを考え出しちゃったり。(汗)

滅多なことで「昔は良かった」的なことは言いたくない・・・ってかそもそもあんまりそう感じないんだけど、Yngwie Malmsteen をはじめとする「アノ頃」のギタリスト主導型な初期ネオ=クラシカル・メタルって、ある種の辛い肉体的訓練によって生まれた情念に満ちた、肉体性/獣性を持った最たる音楽だったと思うんだけど、PC レコーディングが訓練を不要にした現在は・・・。

ってことで、そんな風にネオ=クラシカル・メタルについて改めて考えを巡らせるきっかけとなる程に、ヘヴィ・メタル史にとって重要な一枚ってことで。(嘘)  (Nov. 13, 2004)


Jacket BRIGHTON ROCK 91
Young Wild & Free (1987)
良い曲ぞろい。ヴァンデンヴァーグ似のGも良い。

Jacket BRIGHTON ROCK 93
Take a Deep Breath (1988)
メロを大切にするGが良い。ポップながらパワーと泣きを備えたサウンド。

Jacket BRIGHTON ROCK 76
Love Machine (1992)
暗い曲が少し減った。

Jacket BRIMSTONE 79
Carving a Crimson Career (1999)
RUNNING WILD meet ACCEPT ! 80年代全半にヨーロッパのマイナーレーベルから山のよう出現した HEAVY METAL の心意気を唄う「HELLOWEEN 以前のジャーマン・メタル」的な、好き者には堪えられないバンドだな。ただしデス声(というよりダミ声だね、コリャもう)
ギターのテク、センスともに一昔前なのが泣ける(それが嬉しかったりして/笑)し、録音もショボめ・・・つまり「クサってる」のに、マニアのツボの抑え方だけはなぜか絶妙・・・という、まったくもって始末に負えない嬉しすぎるタイプ。(苦笑)
なんだかんだいって、硬派系正統派ヘヴィ・メタルとして充分に楽しんでマス。

Jacket BRITTON 85
Rock Hard (1988)
アメリカンハードの王道。スムーズなGが魅力的。

Jacket BROKE [N] BLUE 72
The Waiting (2005)

男女ツイン・ヴォーカルを擁するスウェーデン産メロディック・ロック・バンド BROKE [N] BLUE の 2nd アルバム。

2人のシンガーの歌唱も含めて決して特徴的ではないサウンドだが、清涼感と哀感をバランスよく配したソフト、マイルド&メロウなメロハー楽曲群は、たまに引っ張り出して聴きたくなるような魅力アリ。  (Sep. 01, 2005)


Jacket BRONZ 80
Taken by Storm (1984)
アメリカ指向だがやはりブリティッシュの音。悲しげな曲が良い。

Jacket BROTHER FIRETRIBE 87
False Metal (2006)

NIGHTWISH のギタリスト Emppu Vuorinen を擁するフィンランドのメロディック・ハード・ロック・バンド BROTHER FIRETRIBE のデビュー・アルバム from Spinefarm Records。

ちょいと自虐的なアルバム・タイトルからどんなのが飛び出してくるのかと思ったら、聴こえてきたのが真っ当な80年代風メロディック・ハード・・・しかも TYKETTO が壮麗なキーボードを身に纏ったかの素敵な方向性を極上のクオリティで仕上げた逸品でビックリ。

マイルドな清涼感とメランコリックな哀愁がパワー感たっぷりに展開するキャッチーな楽曲はどれも粒揃いで、それだけに、シンガー Pekka Ansio Heino (vo/LEVERAGE) の声質/歌唱が(今でも決して悪くはないんだけれど)もうちょい魅力的だったら・・・という贅沢な欲求も頭をもたげてくる。

それにしても、本作での Emppu のギター・プレイはメチャいいねー。 NIGHTWISH でのプレイとは異なる、ポップな音像の中でコンパクトにまとめているからこその「クラシカルな小技の際立ち」には、耳を惹かれまくりデス。  (Jul, 11, 2006)


Jacket BRUCE DICKINSON 77
Tattooed Millionaire (1990)
別物として聞けば問題はない。クォリティーは高い。

Jacket BRUCE DICKINSON 82
Balls to Picasso (1994)
意外にも暗めのHMソングが多くてよかった。エモーショナルなGもいい。

Jacket BRUCE DICKINSON 77
Skunk Works (1996)
ロックである事を主張し、本来の持ち味が少し隠れ気味。

Jacket BRUCE DICKINSON 89
Accident of Birth (1997)
やっぱこれだよ! BRUCE はッ! 計ったかのようなドンピシャのメタルサウンドが最高に気分を高揚させる。
IRON MAIDEN 的方向に批判的な向きもあるようだが、Adrian Smith と Roy Z のギターコンビが作る独自の聴き所も多く、"No Prayer for the Dying" 以降の IRON MAIDEN のどの作品よりも明らかに優れた内容を誇っていると思う。

Jacket BRUCE DICKINSON 98
The Chemical Wedding (1998)
ウォ! カッコイイ! いきなり飛び出すウルトラヘヴィで破壊力抜群の強力リフからして前作とは質感がまるで違う。
恐ろしく生っぽいリアルでクリアな録音ながら、なぜか重厚で濃密、圧迫感すら感じるドライヴィング・グルーヴなサウンドはとてつもなくヘヴィ。
「ヘヴィネス」の導入というと近年の DIO の悪夢や JUDAS PRIEST の挑戦が頭をよぎるが、本作においてフューチュアされているのはそれらのような「モダン化」ではなく、70年代的世界観に基づいたプログレッシヴ且つドゥーミーなヘヴィさで、ふんだんに盛り込まれた狂おしくも美しき「静」の部分も手伝って、正統派メロディックHM への期待を何ら裏切るものではない。
中世イングランドの森深い古城の地下で蠢くが如きその音像は、喩えるならば BLACK WIDOW 的要素に目覚めた SOLITUDE AETURNUS が超A級に成長した感じ。(・・・って余計にわからんってば ^_^;;) 繊細な哀愁美とケイオティックなヘヴィさの両立という点では KING CRIMSON を引き合いに出す事もできるかもしれないが、いま的確な比喩を思い付いた。これは「弱点を完璧に克服した MERCYFUL FATE 」だ。 MERCYFUL FATE ファンは全員買うべし。(笑)
とはいえ、哀感を伴ったキャッチーなメロディと華麗なツインギターを配した最上級のドラマティックHM であることには間違いなく、通常の「正統派」の許容範囲・・・というよりは前出の味付けによって、より正統派HM としての魅力が増してすらいる。
なにしろ Bruce Dickinson (My most favorite singer!!)の扇情的な歌唱は深遠なるテーマを得てこれまで以上の凄みに溢れ、今や最強のギターコンビとも言える、情炎の泣きを噴出する Roy Z & 思慮深く様式美を構築する Adrian Smith の2人は思わず顔がにやけてしまう美旋律を紡ぎ続けているのだから。
ひたすらオカルティック/ファンタジックに暗黒の寓話世界を追求する歌詞を軸に、アートワーク・音色・楽曲・メロディと、すべてが理想的にパッケージされた素晴らしいコンセプトアルバムだ。
しかし凄い・・・本当に凄い! まるで別世界の異形の生き物のように大粒の鳥肌が全身を包み、ナイアガラ級の滝の様に涙が溢れ出る。本編で顔面に付着したその涙が、これまた凄まじきボーナストラック "Return of the King" での激情のヘッドバンギングによって飛散し、美しき虹を描き出す様は実に壮麗。メタル・ファンで本当によかった! MY 殿堂入り決定。

Jacket BRUCE DICKINSON 84
Scream for Me Brazil (1999)
HM 史上未曾有の MY 大傑作、"Chemical Wedding" の収録曲をたくさん演ってるとなれば、買うでしょ、普通。(笑)
つっても、スタジオ盤に封じ込められていた緻密な暗黒伝統様式の再現による、目が眩むような重苦しさの再現は最初から望んでなくて、このライヴアルバムのホット・ポイントは、何といっても師匠 Bruce Dickinson の溌剌としたパフォーマンスと、Adrian Smith & Roy Z のライヴならではのハジケ具合。
特に Roy Z は凄い! 音の粒一つ一つに自らの血の熱さを封入することが出来る数少ないギタリストの一人だわ。Adrian Smith にしても、うっかり「過去の人」みたいな接し方をすると強烈に痛い目を見るほどに「凄み」を発散してるしね。
あぁ、聴けば聴くほどこのライヴ、観たかったなぁ~・・・。早いとこ IRON MAIDEN 辞めちゃってまた・・・あわわわわ!(笑)

Jacket BRUCE DICKINSON 92
Tyranny of Souls (2005)

我が師 Bruce Dickinson (vo/IRON MAIDEN) の、前作からは7年振りとなる 6th ソロ・アルバム。

本作は1999年の IRON MAIDEN 復帰劇以来初めてリリースされるソロ作品となるんだけど、聴けば聴くほどにこの充実したソロ・ワークこそが本職であり、向こうはパイロット業以下(笑)の単なる余興でしかない・・・と再認識させられるばかりの素晴らしさッスわ。

心地好くダークな破壊力と力強くもキャッチーな叙情メロディが近世寓話世界の深遠なる魔力で溶け合ったその作風は、ミステリアス&ヘヴィな暗黒美に覆われた神盤である "Chemical Wedding" と快活な MAIDEN 風メロディック・メタルの好盤だった "Accident of Birth" のちょうど中間あたりに位置すると思えるもの。

バランス/ヴァラエティに長けた粒の揃った楽曲は、不穏なヘヴィ・イントロ #1 "Mars Within" に続いてヘヴィネスとメロディが理想的な融合を見せながらドライヴィングするオープニング・チューン #2 "Abduction"、ヘドバン必至の強靭なリフ攻撃から哀愁コーラスへと雪崩れ込むドラマに悶絶な #3 "Soul Intruders"、勇壮な中に哀しき叙情が浮遊する #4 "Kill Devil Hill"TRIBE OF GYPSIES を想起させるセミ・アコースティックな穏やかさに和む #5 "Navigate the Seas of the Sun"、英国らしいダークな格調を備えたダイナミック・チューン #6 "River of No Return"、重量感溢れる愁いに満ちた疾走メロディック・メタル #7 "Power of the Sun"、サバシーな地下グルーヴと郷愁コーラスの対比にグッとくる #8 "Devil on a Hog"、サイケデリコが闇の中でヘヴィに蠢く様がまさに Evil な #9 "Believil"、そしてダークな混沌を珠玉の旋律で包み込んだ終曲 #10 "A Tyranny of Souls"・・・と、まさに「捨て曲ナシ」という言葉に偽りなき圧巻のラインナップだ。

うわずるほどの情熱はもちろん、狂気を滲ませた穏やかさの魅力も光る Bruce のさすがの極旨歌唱こそが主役として看板を張っているのはもちろんだが、プロデュース、作曲、そしてギター・パートという本作の根幹をなす部分を形成する「もう一人の主役」、Roy Z の魅力もまたたっぷりと味わえるのも嬉しいポイント。

エモーショナルな叙情フレーズを交えた凄絶なる鬼弾きソロ・パートをはじめ、全編に大胆にフィーチュアされた熟達ギター・プレイの奥深い味わいは悶絶モノで、所々でやや感じられる歌メロのパターン化をヘルプするように見事に新鮮なフックを与えているそのパッショネイトな存在感の強さは、まるで本作がスター・シンガー Bruce Dickinson を迎えた Roy Z 自らのソロ・アルバムであるかのようだ。(笑)

っとに、早いとこまた IRON MAIDEN 辞(以下略)  (Jun. 08, 2005)


Jacket BRUFORD 79
One of a Kind (1979)
BILL BRUFORDのリーダーアルバム。テクニカル。

Jacket BRUNOROCK 84
Interaction (2005)

イタリア人シンガー/ギター・プレーヤー Bruno Kraler のソロ・プロジェクト BRUNOROCK の 3rd アルバム。

主役 Bruno Kraler (vo,g,key) のスマートなハスキー・ヴォイスをサポートするのは、Fredrik Bergh (key/STREET TALK), Rachel Bolan (b/SKID ROW), Bobby Altvater (gu/AFFAIR), Alex De Rosso (g/HEADRUSH, ex-DOKKEN)、そしてプロデュースは大御所 Michael Wagenerという燻し銀的に豪華な布陣。

その非常に洗練されたポップなメロディック・ハード・ロックは、緻密に作り込まれた抜群の整合感(やや人工的な無機質さを感じさせるが…)で紡がれる都会的な哀愁に心惹かれるもので、アメリカ的な乾燥質と欧州風味の旋律美が融合した雰囲気が後期 WINGER、後期 GIFFURIA の姿を思い起こさせたな。

イントロに続くオープニングにうってつけの哀愁ドライヴァー #2 "It's Been Done 4 Me"、腰の据わったアーバン・ミドル #3 "Now Dies The Truth" の強力哀愁ハード2連発、TERRA NOVA 風味の郷愁ライト・チューン #8 "Hard Working Day"、そしてドラマティックなハード・チューン #9 "No More Promises" らの佳曲が並ぶ一方、やや退屈な平坦な曲も確実に存在するではあるが、全編で悶々と弾き紡がれる Alex De Rosso (g) のエモーショナルなソロ・パートが全ての曲をオレの興味の対象としているのが嬉しいわ。

中でも名曲 #9 "No More Promises" でのその Alex のプレイは特に凄まじく、ベンドに込める情念には Neal Schon と同質の魂が見えた!  (May 20, 2005)


Jacket BULLET BOYS 58
Bullet Boys (1988)
ヴァンヘイレンっぽい。

Jacket BULLET FOR MY VALENTINE 75
The Poison (2005)

英国ウェールズ出身のへヴィ・メタル・バンド BULLET FOR MY VALENTINE の 1st フルレンス・アルバム。

ポップな声質にスター性を感じるシンガー Matthew 'Matt' Tuck がハードコアに解き放つ怒号とエモいメロディックなクリーン・ヴォイスが交錯する北欧メロディック・デス・メタル由来のメタルコアは、強くアピールされてるキャッチーな側面とメタリックなへヴィネスとのバランスが良好な感じ。 

まぁ、メロディも曲もどこかで聴いたような感じだけど、それはコレ系の宿命ってことで。  (Nov. 01, 2005)


Jacket BURDEN OF GRIEF 72
Haunting Requiems (2000)
そこそこ疾走、そこそこメロディック、そこそこ暴虐、そこそこドラマティック、そこそこ叙情・・・といった典型的な初期 DARK TRANQUILLITY, IN FLAMES 型メロディック・デス。
NUCLEAR BLAST 配給の名に恥じぬ安定盤ではあるものの、あまりにも「可も不可も無く感」が強い。うー、残念ながら厳しいな。ギター下手だし。
しかもオリジナルな新曲は1~5曲目までだけで、6曲目の "Prowler"IRON MAIDEN のカヴァー、そして後の7~11は発表済の5曲入りデビューMCD "Above Twilight Wings" のまんま再収録やんけ~。
ただし、やや普通声なパートを織り交ぜ心地よいリズムチェンジを伴いながら IRON MAIDEN 的ツインリードで責める "Eternal Solor Eclipse" はなかなかイイ曲。

Jacket BURIED DREAMS 85
Perceptions (2000)
メキシカン・シンフォニック・ネオ=クラシカル・デス。
IRON MAIDEN を想起させる伝統的な HM のフォーマットを基に、テクニカルなネオ=クラシカル・フレーズを絡ませて緩急豊かにドラマティックに展開する様は、若いパワー漲る勢いに満ち溢れたエネルギーの噴出が、あまりにも見目に眩しい。
Fredrik Nordstrom によって STUDIO FREDMAN にて録られたその纏まったサウンドは、「メキシカン」っつー辺境イメージから来るチープさは微塵もなく、BLIND GUARDIANRHAPSODY のTシャツに身を包んだ各メンバの技量にも、不安なところは一切ない。
いやー、カッコイイよ、コレ。泣きのパートの煽情力が非常に高いのも◎だし。あとはキラー・チューンがあれば文句なしだな。
バンド名の礎となった CARCASS の名曲 "Buried Dreams" のカヴァーも収録。

Jacket BURN 84
Global Warning (2008)

90年代に活動していた英国のハード・ロック・バンド BURN の、復活作となる3rdアルバム。

重厚な力強さに包まれた TEN meets GOTTHARD な堂々たる哀愁ハードは実に凛々しい。 バンド名から想像される DEEP PURPLE 色は希薄だけど、復活の際に新たに加入した二人のギタリストの熱いプレイにそれっぽい部分は多少感じるかも。  (Feb, 27, 2008)


Jacket BURN TO BLACK 80
Mach 666 (2007)

映画「Metal: A Headbangers Journey」の監督、Sam Dunn がベーシストとして在籍するカナダのデス/スラッシュ・メタル・バンド BURN TO BLACK のデビュー・アルバム。

Sam に対する「映画界の人」という認識が色物的な扱いを誘うところだけど、先進的な鋭利さとオールドスクールな肉感、そしてメロディックな80年代的ギター・ワークが融合したエクストリームな音像ってば、THE HAUNTED, IMPIOUS らと並べても遜色ないとさえ思えるほどにフツーにカッコよくてビクーリ。  (Mar, 14, 2007)


Jacket BURNING IN HELL 85
Burning in Hell (2004)

数年前にリリースされたデモが局地的な話題になってたブラジルのメロディック・スピード・メタル・バンド BURNING IN HELL の 1st フルレンス・アルバム。

メランコリックなメロディを携えて超速なる疾走を重ねまくる様は、否応にも“神速メロスパー”(←一発変換/汗)DRAGONFORCE を想起させる。

・・・が、同じ超速でも、いわゆる“メロスピ”の軽快さとは一線を画した“無骨な漢らしさ”が漂っているのがこの BURNING IN HELL ならではの味わい。ライヴでのシンガロング、コール&レスポンスを想定した勇壮な楽曲を支える、スピードを載せつつもパワー感のあるリズムの凛々しさは、OUF とすら呼べよう正統派ピュア・メタルがそのままスピード・アップしたかのような地に足の着いた興奮を運んでくるデスわ。

高音でヨレるヴォーカルをはじめ随所にヘナチョコ感もあるけど、それもまた愛嬌と許せる何かが存在するのも面白いな。  (Jul. 08, 2004)


Jacket BURNING IN HELL 70
Believe (2006)

ブラジルの超高速メロディック・パワー・メタル・バンド BURNING IN HELL の2ndアルバム。

DRAGONFORCE に迫るその超速疾走メタルは、堂々たる上質歌唱が魅力のシンガーやギネスブック認定(!!)の早弾きを誇る超絶ギタリストを擁していたりと素材としてはなかなか良い物を持ってるんだけど、始終ピロピロしっぱなしの「リフ感の欠如」が、メタルとしてはちょっと痛いな。

あ、CELLADOR と共に“ネタ”としては十分に「アリ」。  (Oct, 02, 2006)


Jacket BURNING POINT 84
Feeding the Flames (2003)
フィンランドの4人組ヘヴィ・メタル・バンド BURNING POINT 渾身の 2nd アルバム。 ネオ=クラシカル風味のツイン・リードが炸裂する激烈ヘドバン必至の疾走オープニング・チューン #1 "Into the Fire" の殺傷力は抜群で、この優れたツカミ一発で本作に対する印象はまずはメッチャ好印象。
ハイ・クオリティなプロダクションと安定した演奏で提供されるのは、堂々と熱唱する「歌える」ヴォーカルとテクニカルなギター・アレンジの妙がリードする中堅ジャーマン系メタルを想起させる実直な「ヘヴィ・メタル」。その地に足が着いた佇まいは、新興著しい欧州メロディック・スピード・メタル勢とは一線を画す堅実な空気感に包まれている。
とはいっても、味付け程度ながら必要な脇役として実に効果的に配置されたキーボードが付与するイイ感じの仄かな壮麗さも、彼らがその枠内でも十分に好意的に語られるだろう要因としてしっかりと存在しているってのが、コレまたイイところなんだけどね。
いい意味で往年の米国的なおおらかさを漂わせている楽曲の路線は、実は DREAM EVIL にけっこう近いかも。いや、かなり近いわ、うん、スゲー近い近い。
よーく聴くと、悶々とした叙情を振り撒く魅力的なギター・パートにちょっとだけ粗っぽさが目立つ部分があったり、前述した「中堅っぽさ」ならではの地味さ/突き抜けなさに物足りなさを感じるのもまた事実なんだけど、Graham Bonnet のカヴァー(我が家のご近所さん 西城 秀樹 も演ってた)#7 "Nightgames" が流れ出た瞬間、電車の中なのに無条件で両の拳を天に突き上げちゃうような RAINBOW マンセーなオレには(汗)十分に満足な好盤ッス。  (Apr. 06, 2003)

Jacket BURNING POINT 75
Burned Down the Enemy (2006)

フィンランドのメロディック・パワー・メタル・バンド BURNING POINT の3rdアルバム。

クラシカルなテクニカル・ツイン・ギターをフィーチュアしつつも甘くはならない堅牢な造りと、疾走曲〜バラードからキャッチーな曲までを節操なく揃えたヴァラエティはまるで80年代のジャーマン系バンドのよう。 その北欧産らしからぬ“ダサさ”が魅力でもあり、脆さでもあり・・・。  (Dec, 21, 2006)


Jacket BURNING RAIN 83
Burning Rain (1999)
お店に行くまで、Doug Aldrich の有りモノの写真(良くてメンバーショット)がドーンと載っかったショボジャケを期待(って変だな/笑)していたら、予想だにしていなかったアーティスティックなジャケット・デザインにビックリ。
で、聴いてまたビックリ! ウヒャ~、カッコイイね! ドショッパツの "Smooth Locomotion" が中盤に差し掛かる頃、もはや「よ~やった! やりゃデキるやん! Doug よ!」と偉そうに叫んでしまいました。(笑)
ブルーズ・ベースの地味で骨太な HR ながら、華やかなりし頃の L.A.メタル的な溌剌さに溢れた切れ味鋭いギターソロが乱舞する様は、まさに89年~91年頃のメジャー系アメリカン・ハードの音。BADLANDS,BABYLON A.D., TANGIER, TATTO RODEO, TESLA, SOUTH GANG, SWEET F.A.... おー、懐かしいなぁ。
とにかく全編に亘って生き生きと胎動する Doug Aldrich の粘っこくもフラッシーなテクニカル・ギター・ワークが驚異的。ここまで弾ける人だというのは、ここ数年の境遇から忘れてましたわ。
が、しかしこの BURNING RAIN 最大の聴き所は、実はシンガー Keith St.John のオトコの哀愁バリバリの歌声だ。そのブルーズ・フィール溢れる色気と張りに満ちた素敵な歌唱は、既にスターの風格あり。コリャ良いシンガーが登場したね。
確かにこの地味な HR は 日本人の感性にそぐわない部分(LION の面影とはかけ離れているし)や捨て曲もあるが、それでもあえて「応援したい!」と思わせる快作だと感じたな。(99/03/11)

Jacket BURNING RAIN 85
Plesure to Burn (2000)
衝撃の復活を遂げたデビュー盤の名を汚さぬ快心の 2nd。
火の粉を散らしてラウンドするハード・ドライヴィンな 80年代後半~90年代初頭スタイルのアメリカン・メタルは、Keith St. John のブルージーなヴァイヴ、そしてそこかしこで乱舞する Doug Aldrich のエナジーとエモーションの噴出が結果的に超テクとなって噴出する鳥肌ギターによって暖かな人肌の生命を与えられている。
全体の毛色とはちょっと異なるものの、哀愁 HR の超佳曲 "Cherie Don't Break My Heart" がハートを鷲掴み。いやぁ、イイ曲だわ。
Doug Aldrich よもう一度表舞台に!

Jacket BYRD 82
Flying Beyond the 9 (2001)
FIFTH ANGEL, JAMES BYRD'S ATLANTIS RISING 等でその劇的な Solo Part の構築 Sence の定評を築いた James Byrd は、Yngwie Malmsteen 系 Guitar Player の中では最も Uli Jon Roth の色が濃い部類に入る男。つまり「大好き」。(笑)
久々の New Material となる本作は、BYRD という名義で、これまたなんとも嬉しい久々の Neo=Classical 路線だ。といっても Edge の鋭い HEAVY METAL ではなく、彼が近作で見せていた 70's Hard Rock の Feeling に溢れた温かみのある音作りだ。
U.S. Indies らしさ満点の Clear ながら詰めの甘い Sound Production、そして可も不可もないそこそこ上手い歌を聴かせる Singer Michael James Flatters の存在感のなさが明らかにマイナス要素でありつつも、そこはやはり James Byrd。その独特の Touch が発散する泣きの強烈な Passion があれば、ある程度は満足しちゃうんだな。すいません。(汗)
あ、あと Keyboard Bass, Drum そして Engneer までもを多才に手掛ける Brian Hutchinson の Piano Play が作品に格調を与えているのも、忘れちゃいけない好ポイントね。

Jacket BYRD 64
Anthem (2002)
BYRD 名義としては2001年リリースの "Flying Beyond the 9" に続く2作目。
冒頭の荘厳なオペラティック・チューンからして、James Byrd の弾く Uli Roth を基本に Yngwie Malmsteen の影響を塗したいう文句の付け様がないほどバッチリ好みな極上のギター・プレイが満載。
・・・なんだけど、キーボード入りの様式寄り北欧ハード・ロックな楽曲の出来、チープなシンフォ・アレンジのクオリティの低さ、元 HEIR APPARENT / 現 TAKARAMichael Flatters が聴かせるまぁまぁ上手くはあるが全く個性のないヴォーカル、退屈極まりないリズム・パターン・・・と、内容の充実度は前作より大幅に後退。
大好きなギタリストなだけに、そして本作でもソロ・プレイ自体はその輝きを全く失っていないと感じられるだけに、その器となる部分のショボさが非常に残念だ。
ここからは推測になっちゃうけど、James Byrd ってば、今現在の「とりあえず自分のプレイを苦労せずに作品という形にしてリリースできる環境」に甘んじてるのでは? このまま質の低い作品を惰性で出し続けるってのは、スッゲー勿体無いんですけど!