ロス警察　切り札は元女優か

　再捜査される「ロス疑惑」で気になる情報が出てきた。どうやらロス市警は決定的な「新証拠」を握ったわけではなく、別の切り札で勝負する作戦のようだ。

　ロサンゼルス郡検察のギボンズ広報担当者は、共同通信に対して、「ロス市警が新証拠を持っているとは思わない。証拠は（１９８８年に）逮捕状を請求した際のもので十分だ」と語り、日本にはない共謀罪が適用されていることも踏まえ、立証に自信を示したという。

　新証拠はないけど、共謀罪でやれる……？　どういうことなのか。

「どうも、ロス市警と検察は、共謀して三浦一美さんを殺そうとした殺人未遂の殴打事件と、その３カ月後の銃撃殺人事件を、ひとつの殺人事件にしてしまうようです。三浦と元女優が相談して一美さんを殺そうとした、その一美さんは３カ月後に殺された、だから三浦和義に『殺人共謀』が成り立つという論法です。日本の裁判では、２つの事件は別々に裁かれ、殴打事件の方は有罪が確定しているが、銃撃事件は実行犯が特定できないこともあって無罪となった。しかし、カリフォルニア州の法律では、２人以上が犯行を共謀したことを立証できれば、実行犯の特定は不要で、殺人共謀罪が成立するのです」（司法関係者）

　２５日に会見したロス市警のジャクソン刑事は、一時期、銃撃事件の実行犯と疑われた日本人男性については再捜査しないと言明した。実行犯の線は捨てて、この「共謀」にかけるのだろうか。となると、再び元女優が脚光を浴びることになる。司法取引で、彼女がロス市警に“重大事実”を語るような展開も見えてきた。

【2008年2月28日掲載】