伊那中央病院(伊那市)の運営審議会は2月29日夜、同病院で開いた
。運営状況の報告があり、昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が医師不足で診療
体制を縮小している影響で、伊南地区からの受診者が増加傾向にあることが
分かった。
今年度の市町村別の受診状況(1月末)によると、昭和伊南の医療圏域に当たる伊南四市町村は外来で6.6%(前年同期比1.5ポイント増)、入院は9.3%(4.0ポイント増)を占め、前年度より増加している。
病床利用率(1月末)は月平均87.1%だが、昭和伊南で整形外科医が不在のため、関連の入院患者が伊那中央に集中することなどが影響し、病床利用率は上昇する傾向にあるという。
昭和伊南が分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止するのに対応し、伊那中央で分娩室増設など改修工事を進める産婦人科病棟は、17日から使用を始める予定。来年度は産婦人科外来診療棟(鉄骨造り平屋建て290平方メートル)を増築する方針も説明した。産婦人科は4月から産科医が1人増えて5人体制となる。
委員からは「里帰り出産にも対応を」との要望が出されたが、小川秋実院長は「里帰り出産を受け入れると、上伊那に住んでいながら分娩できないことになる」と述べ、受け入れ中止に理解を求めた。
公益、医師会、住民の代表15人に委員を委嘱し、委員長に北原敏久さん(上伊那医師会)、副委員長に佐藤八十一さん(伊那市国民健康保険運営協議会)、唐沢きよ子さん(箕輪町国保運営協議会)をそれぞれ選んだ。委員の任期は2月1日から2年。