日本で無罪判決が確定した三浦和義元社長を、ロサンゼルス捜査当局はなぜ逮捕できたのでしょうか。その背景に、最近になって現地の法律を変えさせた一つの事件がありました。
2002年、交通違反をした男に職務質問をしようとした警官が銃で撃たれ死亡、男はそのままメキシコに逃げ込みました。凶悪事件の容疑者が死刑のないメキシコに逃げ込む例が相次いだため、カリフォルニア州議会は2004年、国外で確定判決を受けた者に対する「一事不再理」の適用を廃止する法改正を行いました。
「2004年、法改正が行われ 、外国でいったん裁かれても、考慮せず州内で再び裁くことができるようになった」(カリフォルニア州法に詳しい法学者 ローリー・レベンソン氏)
ロス市警は、この新法を根拠に、日本で無罪判決が確定している三浦容疑者も訴追が可能と判断したのです。しかし、三浦容疑者の無罪確定が2003年、州法の改正が2004年であることから、サイパンの弁護人は、「一事不再理の原則が適用されるべきで、逮捕、移送はできない」と主張し、争う方針を示しています。
「三浦容疑者は04年の改正州法の効力がさかのぼらないと主張するだろうが、新法は『一事不再理』による保護はないとしている」(カリフォルニア州法に詳しい法学者 ローリー・レベンソン氏)
三浦容疑者をめぐっては、まずは「一事不再理」をめぐる攻防が繰り広げられることになりそうです。(01日15:36)