農業、水産系学部のある大学が開発や販売を手掛けた「大学ブランド食品」が、消費者の人気を集めているそうだ。
もともと研究や実習のため手間をかけ栽培・飼育した農作物や海産物などを加工し販売する。偽装問題などで食の安全性が揺らいでいる中でも安全、安心でヘルシーな食品として信頼性が高い。
先日、大学ブランド食品のフェアが東京の百貨店で開かれたと本紙夕刊に紹介された。弘前大学のリンゴと果汁、東京農大の生どら焼き、山梨大学のワイン、信州大学のハチミツなど、ちょっと味わってみたい。
岡山大は地元の宮下酒造と開発した日本酒「おお岡大」を出品し関心を集めた。まろやかでコクと深みのある本醸造と、香りが高くすっきりした飲み口の純米吟醸の二種類がある。
農学部付属農場で生産しているアケボノ米を酒米として酒造会社に買ってもらったのが開発のきっかけだ。工場では米の質がよかったため岡大産だけで酒を造ったところ好評を博し、一昨年販売を始めた。今年から醸造作業にも学生が参加している。
酒の名前は、岡大草創時代の学生歌の一節「おお岡大われらのもの」からとっている。岡大の名を高らかに掲げるとともに、学生たちの学校を思う熱い心をよみがえらせようとの願いが込められている。大学ブランドが、地域の産業発展の起爆剤の役割を果たしてほしい。