結局、「毒ギョーザ事件」は、事実がわからないまま、中国の「メンツ」と日本の「政治」が対峙することになるのだろう。
残念、とは思わないが、おそらく、中国政府には真相を知られたくない「なにか」がそこにある、と見るのが妥当だろう。たとえば、党幹部の息子とかが事件を起こしていた、とか、ね。そういうことだってありえる。日本だってそういうことはかつてあったんだから。
で、その結果はといえば、日本の消費者は「原産国:中国」と書いてある食品を避けるようになる、ということだけだ。
中国の政府や日本の政府、そしてマスコミが「中国産は大丈夫」と言っても、もうここまで来たら、誰も信用しない。
そして、中国の大都市の給与所得者の給与はこの数年、毎年10%かそれ以上の成長を続けている。そのため、中国の給与の低さに誘われて中国に多く進出していた
製造業の企業が、軒並み撤退を始めている。オリンピックは関係なく、韓国企業、日本企業、その他の諸国の企業がいなくなる。
簡単に言えば、これからは中国製品だからといって安い、ということはもうなくなる時代にさしかかっている、ということだ。もう、賃金の安さを求めて中国へなんか行く必要はない。そんな時代が目の前に来ている。
やがて中国も低所得国ではなくなり、世界のほかの国と変わらなくなる。これから、さらにさらに、わかりにくい時代へと時代は動くのだろう。
「中国は安くない」という時代になると、それと同時に「中国製品の品質は良い」という時代になる必要がある。だから、今回のギョーザ事件は、これまでの中国のやりかたで「メンツ」だけを重んじていると、おそらく中国は大きな墓穴を掘ることになるだろう。
それも、次の「中国製品は高い」という時代に、じわじわと効いてくる、そういう種類の墓穴だ。
いま、日本の大製造業では、左からCADの設計図と原料や部品を入力すると、右から製品ができてくる、というような「完全無人化」工場がいくつか計画されている。中心になるのはITとロボットの技術だ。既に20年近く研究をしている。
企業はやがて「安い給与」を求めて海外をさまよわなくなる。求めるのは「安い原料」「安い土地」、そして「安いエネルギー」だ。そこに大量の「人」はいない。こんな時代に、今の中国にあるのは「安い土地」だけだ。中国ではやがて大量でドラスティックな「人減らし」を始める必要が出てくるだろう。
コメントは投稿者の責任においてなされるものであり,サイト管理者は責任を負いません。