先に、「大学受験は、頭が良いと有利だ」と書いた。では、「頭が悪い人」はどうすれば良いか。
それには大きく分けて二つある。ひとつは「慣れること」で、もうひとつは「知性をつけること」である。ここでは、「慣れること」について書きたい。
人はどんなに苦手なことでも、慣れればある程度のことはできるものだ。
例えば、言語について考えてみよう。
言語にも「才能」というものがからんでくる。外国語の習得が速かったり、また詩作が得意だったりする人は、言語の才能に優れている。
議論をした場合、言語的才能に溢れている人が勝ちやすい。
しかし、日本人なら、日本語が話せるはずだ。言語的才能がなくとも、それを自由に操っているのである。
つまり、「慣れて」いるのだ。
それでも、言語的才能に乏しい人は、話下手なので、簡単には議論に勝てない。だが、「日本語に慣れている」ということだけは事実である。そういう観点からすれば、勝機が全くないわけではないのだ。
例えば、議論に向かう気持ちが強い場合は、たとえ言語的才能が乏しくとも、たいてい、勝つ。また、相手よりも論題の分野に精通している場合も、勝つ。
このように、「慣れ」の要素さえあれば、あとは自分次第で、いくらでも勝機は見いだせるのである。
たしかに、試験科目は日本語と違って日常的に接するものではない。しかし、受験勉強期間だけは、毎日接すれば良いのだ。
ポイントは、「毎日」だ。ある分野を集中的に勉強したとしても、その日だけで終わってしまっては、「慣れ」の要素はつかない。だから、集中的にひとつの分野を勉強するより、各分野を少しずつ、毎日勉強した方がいい。