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サビチェビッチ「私は若く、オシムは頑固だった」(2/2)
モンテネグロサッカー協会会長インタビュー

2007年05月30日
(文= イビツァ・ユリン )  



■中村は間違いなく日本でナンバーワンの選手


1990年W杯では現日本代表監督のオシムの下でプレーしたサビチェビッチ。当時の2人の間には、選手起用などをめぐって確執があった 1990年W杯では現日本代表監督のオシムの下でプレーしたサビチェビッチ。当時の2人の間には、選手起用などをめぐって確執があった【 Photo:AFLO 】
――キリンカップで対戦する日本代表については何か知っていますか

 今の日本代表については多くの情報がないことは認めないといけない。イビツァ・オシムは、多くの若く新しい選手を入れていると聞いている。つまり、世代交代をしているということだ。それと、日本が7月のアジアカップに向けて準備をしていることも知っている。

――では、W杯ドイツ大会での日本の印象は

 いいチームだったと思う。もっと上まで行く可能性はあった。もちろん、対戦相手は厳しいチームばかりだったが、もう少しの運と経験、そして勇気があれば、日本は決勝トーナメントに進出できたと思う。もし、初戦のオーストラリア戦で勝っていれば、おそらく勝ち残ったんじゃないか。

――最も印象に残った日本人選手は誰ですか

 日本のプレーをそこまでしっかりと分析してたわけではないから答えるのは難しいが、質の高い選手がいたことは確かだ。アレックス(三都主アレサンドロ)、中田英寿、そしてもちろん中村俊輔だ。彼は今、間違いなく日本でナンバーワンの選手だ。


■私とオシムの間に確執があったのは事実


――あなたはオシムが率いたユーゴスラビア代表で、多くの試合を経験しています。1990年のW杯も一緒だった。だから、オシムのことはよく知っているはずです。彼はどんな監督で、どんな人間なんでしょう

 彼が素晴らしいコーチであることに疑いの余地はない。彼は、私が一緒にプレーしてきた監督の中で最も優れた監督の一人だ。優れた戦略家であり、向上心のある人間だ。サッカーに対して非常に勉強熱心で、ほかの監督とは違う視点から多くの物事を見ることができる。彼は非常に教養のある、まれな監督でもある。彼が日本代表監督という非常に重要なポストにあることは私もうれしい。そして、日本代表が彼の下で素晴らしい結果を手にすると信じている。

――でも、あなたとオシムの間に確執があったことはよく知られています。オシム監督の下では、あなたはスタメン出場が妥当と考えていたにもかかわらず、控えになることが多かった。当時のエピソードを聞かせてくれませんか

 確かに、私たちの間に確執があったのは事実だ。当時、代表のプレー内容、例えば戦術や選手起用に関して、2人の考え方が違っていた。私は若く、プレーすることを望んでいた。もっと多くのプレー時間が与えられるべきだと思っていたし、代表はもっと攻撃的にプレーすべきだと思っていた。だけど、当たり前のことだが代表のボスはオシムであり、戦術や選手を選ぶ権利は彼のものだった。

 あれは、ザグレブで行われたW杯予選のスコットランド戦(1989年9月)の時のことだ。私はスタメンの11人に入れないことを知って、感情的になってチームから離脱してしまったんだ。その日の夜、私はホテルに戻った。すると、オシムは処罰を与えるのではなく、ただ黙っていた。私たちは何もコミュニケーションは取らなかったけど、私はチームの一員として残ることができた。みんなは何か処罰が下されるものだと思っていたんだけどね。
 スコットランド戦では、私はユニホームをもらい、控え選手としてベンチに座った。そしてオシムは後半から私を投入した。何と説明したらいいのか。私はあの時、若くて幼稚だった。そしてオシムは少し頑固だったんだ。

――ハンガリー戦の前後で、モンテネグロ代表は幸福感に包まれていました。記念すべき最初の国際試合を勝利で飾れたことに、みんなが満足していました。キリンカップではどういう目的を持って日本に乗り込むのでしょうか

 モンテネグロが初戦を勝利でスタートできたのはとても満足できることだ。初戦の勝利はチームにとって自信になるし、いい雰囲気をもたらしてくれた。ゾラン・フィリポビッチ監督は効果的なチームを作っているし、日本でも良いパフォーマンスを披露してくれることを願っている。
 だが、モンテネグロ代表はまだ誕生したばかりで、今はまだまだチームを作っている段階だ。だから、簡単に「モンテネグロは1位を目指す。日本にはキリンカップを取りに行く」とは言えない。日本とコロンビアは質が高いチームで、厳しい対戦相手だ。日本には地元開催の利点もある。モンテネグロの選手には欧州から日本への長距離移動と、時差ボケがある。しかし、モンテネグロ代表がキリンカップで恥をかくようなことはないと確信しているよ。

<了>

イビツァ・ユリン/Ivica Jurin
セルビアの在住のフリージャーナリスト。旧ユーゴスラビアを中心に、東欧を幅広く取材している

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