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朝鮮人は戦争加害者なのか、被害者なのか(上)

【新刊】韓日、連帯21編『韓日歴史認識論争のメタヒストリー』(根と葉) 

 植民地・朝鮮出身の19歳の青年が日本軍に志願した。陸軍中尉となった彼は神風特攻隊員に名乗り出た。出撃前、彼は故郷の親兄弟に宛てて遺言を録音した。数十年の歳月を経て、その遺言が録音されたLP盤が発見された。ところが古いレコード盤の雑音の間から聞こえる声は、悲しみに暮れたものではなかった。それは「“天皇陛下”に対する忠誠」と「両親の健康を祈願」する日本軍陸軍中尉としての力強い声だった。彼は戦死した後、靖国神社にほかの朝鮮人2万6000人と共に合祀された。

 さらに驚くべきことは、こうした内容を記録したテレビドキュメンタリーが3年前に放送された後の状況だった。「日本」という単語がマイナスイメージで語られた瞬間、興奮状態に陥るのが常だったこれまでの韓国社会とは違い、このときは何の反応もなかったのだ。なぜだろうか。彼らは不当な死を強要された犠牲者であると同時に、「天皇陛下万歳」と叫んだ「日本軍少尉以上の階級を持つ者」たちだったからだ。数十年間、韓日問題で支配的だった「親日派論争」では、彼らについて説明するすべがなかったのだ。

 この本の編者である「韓日、連帯21」は、韓国と日本の知識人が「21世紀にふさわしい新たな韓日関係を模索するため」、2004年に発足させたグループだ。このグループはこれまでに両国間で起きた対立関係を越え、「さらに成熟した」姿勢で自らを顧み、連帯する方法を模索している。一言で言えば、今や互いに偏狭なナショナリズムから脱し、歴史を見つめようということだ。そこでこの本の執筆者たちは、即自的な民族主義から一歩下がり、顧みることで独自の新たな視点を示している。

日本帝国主義時代の宣伝用写真に登場した少年神風特攻隊員たち。彼らは「加害国の加害者」であると同時に「加害国の被害者」でもあった。彼らの中には被害国である朝鮮出身者もいた。/写真=朝鮮日報データベース

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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