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北朝鮮 資金源を麻薬取引から偽たばこへシフト 国務省報告
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【ワシントン=有元隆志】米国務省は2月29日、国際麻薬取引に関する年次報告書を発表した。北朝鮮に関しては、麻薬取引が大幅に減少したとの見方を示す一方で、偽たばこの大規模な密輸が続いていると指摘。麻薬密輸から、偽たばこの取引が北朝鮮政府の新たな資金源になっている可能性を示した。
偽たばこの取引について、北朝鮮北東部の羅津(ラジン)の自由経済貿易地帯で、大規模な密輸が行われているとの報告があるとしたうえで、「北朝鮮当局がどの程度この違法行為に加担しているかは不確かだが、承知しているのはほぼ確実である」と批判した。
麻薬取引に関しては、「北朝鮮当局が関与した麻薬の取引は過去5年間、把握されていない」とした。ただ、当局主導の麻薬密輸が停止したと断定するだけの十分な証拠はないとも記した。
そのうえで、大規模な偽たばこの密輸が続いていることは、「危険性の高い麻薬密輸に代わって、もうかる偽たばこの取引が、北朝鮮政府の収入源になっていることをうかがわせている」としている。
報告書では具体的な製造工場や取引額についての言及はないが、日本の捜査当局の調べによると、偽たばこ密造工場は平壌と羅津に10カ所ほどあり、年間5億−7億ドル(約520億−730億円)の売り上げが推定されるという。