沖縄県の女子中学生に暴行したとして逮捕された米海兵隊員の不起訴が決まり、釈放されて一夜明けた1日、事件に抗議してきた沖縄県民からは「問題が解決したわけではない」「今後どう対応すべきか」などさまざまな声が漏れた。一方、抗議の県民大会を計画していた実行委員会準備会のメンバーは今後について協議し、予定通り3月23日に開催する方針を確認した。
準備会のメンバーで県子ども会育成連絡協議会の玉寄哲永(たまよせてつえい)会長は「女子中学生が告訴を取り下げた心情は分かるが、私たちはこれ以上米兵による事件事故を続けさせるわけにはいかない。沖縄の人権を守るために今立ち上がらなければならない」と話した。
同じく準備会メンバーの小渡(おど)ハル子県婦人連合会長は自民党が県民大会の不参加を決めたことについて「県民の命と暮らしを守るのが議員の仕事。なぜ尻込みするのか分からない。ここで県民が声を上げないでどうするのか」と怒りを隠さなかった。
しかし、沖縄市議の一人は県民大会などについて「どうすればいいのか考えている。周囲には、違った手法をとるべきではないかという声もある」と困惑した様子。さらに「被害者や家族らにどんな影響を与えるか分からず、軽々に発言できない」と気遣った。
事件が表面化した翌日に抗議声明を出した市民団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の桑江テル子幹事は「ひどい目に遭い、傷つけられた被害者が泣き寝入りする結果は返す返すも残念。やりきれない」と肩を落とした。
そして、「司法の場で軍隊の暴力が裁かれなくなったが、問題の終結ではないし、基地ある限り軍の暴力が続く連鎖は変わらない。何らかのアクションを考えたい」と抗議を続ける考えを示した。【三森輝久、長澤潤一郎、朴鐘珠】
毎日新聞 2008年3月1日 11時58分 (最終更新時間 3月1日 12時46分)