◇「処置の後回しは過失」
伏見区の国立病院機構京都医療センターで05年、心臓の循環異常を起こして死亡した当時57歳の男性の遺族(上京区)が医療ミスがあったとして同機構に約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は「医師に優先するべき処置を後回しにした過失がある」と認定し、1100万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は05年2月21日午後に交通事故で重傷を負い、同病院に搬送。22日午前8時半にショック状態となり、10日後に死亡した。
井戸裁判長は「ショック状態になった時、心臓にたまった血液の排除に着手すべきだったのに人工呼吸などに約30分も費やした」と指摘。「この過失がなければ、回復した可能性も相当程度ある」と述べた。【太田裕之】
毎日新聞 2008年3月1日