浜六郎氏の本を送って頂いた(ので批判する)

「金曜日」から「やっぱり危ないタミフル」という本が送られてきた。ありがたいことである。
批判している僕にわざわざ送ってくださったということは、「金曜日」としては、これを読めば僕が考えを変えるだろうという自信作なのか、あるいは適当に送っているだけか。いずれにしても、ありがとうございます。まだ全部は読んでません。
 
しかし、パンデミックについてどう書いているかは興味があったので、そこだけ眺めてみた。
「パンデミックはまず起きない」という小見出しが目を引く。浜氏によれば、スペイン風邪の主要な死亡原因はアスピリンだそうである。また「きわめて低い鳥インフルエンザの死亡率」とも書かれている。
結局、主張は
(1)鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変異するとは考えにくい(2)パンデミックが起きるとは思えない(3)万が一、流行したとしても多数の死者が出るとは考えられない
ということかと思う(ついでに、タミフルとラムズフェルドの関係についても、この章に書かれている)
 
ひとつ、指摘しておきたい。タミフルが本当に危険な薬であるかどうかと、パンデミックが起きるか起きないかとはまったく独立な問題である。タミフルは対策であって、鳥インフルエンザから新型インフルエンザが出現すること自体とはなんの関係もない。
ここでの論調は、「タミフルさえ葬れるなら、パンデミックの危険を過小評価するのも厭わない」というものではないか。
新型インフルエンザのパンデミックはWHOも警鐘を鳴らし続けている重要な問題である。もし、「タミフルさえ葬れるなら(もうひとつ言うと、インフルエンザを危険な病気ではないと世間に思わせられさえするなら)」という理由で、パンデミックへの備えさえ怠らせる方向へ世間を誘導しようというなら、許し難い。この主張は、タミフル以外の備えや対策をも否定するものであることに注意するべきだろう。これでは、浜氏が「目的のためなら手段は選ばない」人と思われてもしかたないのではないか。とにかく、世論がその方向に流れないことを祈りたい。
 
津田敏秀さんはタミフルの副作用は有意にあると主張しておられたが、その一方で、パンデミックを見越した備蓄はするべきと言っておられた。というより、その目的に限るべき、と言っておられるのだと思う。それは見識である。
 

以下に朝日新聞に2001年12月29日付けで掲載された浜六郎氏の「インフルエンザが流行する季節がやってきた」と題する記事から引用する。家庭欄に連載された「薬の診察室」というコラムらしい。
全文は浜氏のビジランスセンターのウェブサイトで読める。
http://npojip.org/newspaper/asahi/20011229.htmLink
....................
 インフルエンザが流行する季節がやってきた。

 インフルエンザはA型、B型、C型、3種類のウイルスで起きる急性の感染症である。かぜと混同されやすいが、かぜとは違う。症状は発熱・鼻水・せきなどで同じだが、激しい型の流行時は、熱が39度以上になる▽頭痛や関節痛が強い▽感染力がきわめて強い。ふだん健康な人はまず問題ないが、高齢者や弱っている人、若くても解熱剤を多用し休まず無理したりすると、重症化しやすい。
.....

ここではインフルエンザが風邪ではないことが強調されている。全文読んでいただけばわかるが、この文章はなかなかよくできていると思う。
 
ところが、今回いただいた本の第一章は「インフルエンザはかぜ」である。中にも「かぜの一種」と明記されている。浜氏は2001年以降のどこかで、インフルエンザの位置づけを変えたらしい。その理由が知りたい。薬害を防ぐかどうかと、インフルエンザの位置づけとは無関係のはずだが、浜氏の中ではそれがリンクしているのではないかという疑念がある。だとすれば、「好き嫌いと事実かどうかとがリンクしてしまうニセ科学信奉者」とどこが違うのだろうか。
 
必要なのは「市民が自ら判断するための正しい情報を提示する」ことであって、そのための情報を提供できないのであれば、「市民の味方」ではない。インフルエンザを「風邪ではない」から「風邪の一種」に変更したことは市民に対する裏切りではないか。
  
とにかく、すくなくともパンデミックとインフルエンザの位置づけの二点において、浜氏の本は一線を越えたと思う。

― posted by きくち at 07:01 pm commentComment [26] pingTrackBack [1]

この記事に対するコメント[26件]

1. 池田たけし — February 20, 2008 @19:39:49

今年インフルエンザになって高熱を出し、普通の風邪薬がぜんぜん効かずに苦しんでいたところにタミフルを処方されました。
ちゃんとリスクの説明もされ、タミフルを使わない方法も提示された上で、タミフルを使うことを選びました。
こういう医者ばかりだったら安心できるのですが「タミフルは絶対駄目」とか「とりあえずタミフル」とかになるのは何ででしょう。

2. 富嶽百景 Website — February 21, 2008 @00:20:46

「インフルエンザはただの風邪」は、タミフルを危険視する、インフルエンザワクチンの有用性を否定する文脈等でよく目にします。

タミフルの有効性や危険性を論じることと、インフルエンザがどのような疾病なのかを論じることは別の話なのですが、両者を天秤にかけさせて「インフルエンザは恐れることは無いからタミフルを服用する必要は無い(ワクチンを接種する必要は無い)」との判断を誘導しようということなのでしょうね。

どうしても天秤にかけた論を展開したいのなら、「インフルエンザはただの風邪」というだけの論拠を示すべきなのでしょうが、残念ながらその様な説明は見受けられません。
そもそも、「ただの風邪」とは何を指すのか、これも良くわかりませんし。

どうしても浜氏の「インフルエンザはただの風邪」を目にすると「タミフルが危険かどうか(ワクチンが有効かどうか)は良くわからないけど、インフルエンザ自体が恐れるものではないようだからタミフルは飲まないでおく(ワクチン接種しないでおく)」との結論に至る方もいるわけで、その現実をみると、本論の「タミフルは危険か否か」の決着そっちのけで、「タミフルは止めておく」という結果だけを勝ち取ろうとする保険のように感じますし、その戦略は悲しいかな一定の成果を挙げているのだと思います。

3. Noe — February 21, 2008 @10:11:27

なんか残念ですね。以前は結構好きだったのですが、いつの間にか結論ありきになってしまっていますね。

科学的な正しさをいくら叫んでみてもなかなか効果が上がらないので、科学的な正しさよりも、政治的に効果のある方法を選んだということかな。

最近ではただのクレーマーのように見えるので、正しいことを言っていても「またへんなこじ付けしてるんじゃ?」と色眼鏡で見るようになってしまいました。

Owner Comment きくち  February 21, 2008 @11:56:55

これまでの活動実績から浜氏の評価はたしかに高いのですが、最近の発言はおかしいですよ。。
発言の中には正しいことも含まれているのでしょうが、極論に目が行くので、発言全体が信頼性を失っていますね。ご本人にとっても、いいことではないはずですが。
 
浜氏をこれまで信頼してきたかたも、過去は過去として、「今」の発言をもとに評価を考え直すべきだと思います。

Up5. としぞう — February 21, 2008 @15:21:44

たしかに、きくちさんご紹介のサイトでは浜氏は、インフルエンザは風邪とは違う、と書いていますが、どちらかと言えば浜氏がそのころにそういう記事を書かれていたことのほうをやや意外に感じます。

当時はタミフルではなく予防接種の有効性に疑問を呈する立場からのネガティブキャンペーンのような動きがあり(現在もそういう意見はあるかとおもいますが)、医薬ビジランスセンターもそれに同調する立場だったように思います。その立場からもやはり「インフルエンザは風邪みたいなもの」(だから危険性のある予防接種は不要)という意見はあったと思います(たとえばhttp://www.ne.jp/asahi/kr/hr/vtalk/index_old.htmLink  のQ&Aのところなど)ので、浜氏も最初から「インフルエンザは風邪」という考えだったのだろうと思っていました。

Owner Comment きくち  February 22, 2008 @11:34:21

ご紹介のところは毛利子来氏だから、「予防接種するな」ですね。
浜氏も昔からそうなのですか。僕は2001年以降の「変節」なのかと思いましたが、違うのかもしれませんね。履歴を調べられるかな。

7. TAKA — February 22, 2008 @01:35:34

池田たけしさん
>「タミフルは絶対駄目」とか「とりあえずタミフル」とかになるのは何で

そうなる原因を、私はこう考えています。「いちいち自分で調べたり考えたりするのは面倒。それに比べて、人の話を鵜呑みにするのはお手軽で良い。また、自分の過去の経験だけを頼りにするのも楽だ。」

私自身は、浜六郎氏の主張を素直に受け入れることは出来ませんね。その理由はこうです。
1:今後、新型インフルエンザに変異する事は十分にありえる。
2:十分な予防体制を敷いていない場合、国内でパンデミックが起きる可能性が高くなる。
3:その時は、多数の死者が出る事態が予想される。なぜなら多くの日本人は、新型に対する免疫を持っていないだろうから。
4:よって、「現時点」でその効果を実証されているタミフルを手放すのは、得策では無い。

私は今後も、新しい情報が入ってくるたびに、この考え方を検証し直すつもりです。というのも感染後に、「しまった。あの時、人の話を鵜呑みにするんじゃなかった。」と、悔やみたくは無いからです。

8. h-tee — February 22, 2008 @16:57:26

記事と直接関係ない内容ですみません。

民主党が9.11テロ陰謀説を「まじめに」勉強しはじめたらしいです。

偽メール問題どころではない、トンデモ活動に繋がらなければよいのですが...

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/488624/Link

彼らの政党としての、現実認識能力に疑問を感じざるを得ません。やっぱり、ぼっちゃん、嬢ちゃん政党なのか。

民主党、終わったか...

Owner Comment きくち  February 22, 2008 @20:51:33

9.11のエントリーに書いていただくと助かります。
このエントリーで9.11の議論が続くのは困るので。

Up10. complex_cat Website — February 23, 2008 @09:53:58

初めまして,ではなかったと思いますが・・・
 どんな薬にも副作用はあるし,個体によりその程度は違うわけで,ことさらタミフルが変な薬と云うことはないと思います。
問題は,インフルエンザに対する治療の自由度を確保しておくことで,実際,近所の耳鼻科では,小さな子にはリレンザが処方されることが普通です。そちらは,粉末を肺に吸入させるので,乳幼児には無理です。大人なら栄養とって寝ていればいい場合ばほとんどでも,小さな子供やお年寄りなら脳症であっという間に命を持って行かれる状況もあるわけで,治療の自由度を狭めるならば,かなりの理由がないとおかしなことになると思います。また,何日も寝ていられない人は,タミフル処方を願うでしょう。私も,私のワイフもそうでした。
 パンデミックリスクに対する考え方は,私もTAKAさんと同じです。
 ちなみに野生鳥類に関わってインフルエンザ検出のためのサンプリングを何年かやりました。H6系なら,騒がれても居なかった10年以上も前に出てますが希です。但し,野生鳥類が介在するパンデミック問題よりも,東南アジアを彷徨いていた人が,翌日には東京の街にいるというその状況の方が,圧倒的にリスキーだと思っています。マスコミでの騒がれ方は,全く逆ですけど。

Owner Comment きくち  February 23, 2008 @21:32:04

インフルエンザを持った鳥が日本にやってきて、日本で「人-人感染型」に変異する危険はそれほど高くないのではないでしょうか。
多くの人が(ちょっとでも問題を考えたことがあれば)心配するのは、おっしゃるとおり、東南アジアなり東欧なりで「人-人感染型」が発生し、感染者が翌日には成田にいるという状況だと思います。潜伏期間もありますから、たとえば東南アジアで感染者が出たら、それが日本にはいるのを防ぐのは至難のわざでしょう。

12. さとう Website — February 23, 2008 @12:29:16

いつぞやグリセリン結晶の件でお世話になりました「有機化学美術館」の佐藤です。お久しぶりです。

タミフルの異常行動統計について浜氏は「統計の取り方がおかしい」として噛みついていたようですが、逆に言うと見方によって増えたか減ったかわからない程度の差しかないというのが真実かと思います。で、その死者は通常のインフルエンザによる死者より遥かに少なく、新型インフルエンザとはおそらく比較にならない、ということになると思うのですが。
http://www.org-chem.org/yuuki/tamiflu/tamiflu.htmlLink

しかし上のページにも書きましたが、このまま行くと新型インフルが出ても「怖いからタミフルは飲まない」という人がかなり出そうな気はしますね。大いに問題であると思うのですが。

Owner Comment きくち  February 23, 2008 @21:40:48

「インフルエンザは風邪ではない」というのは、単にウィルスが違うということではなく、「危険な病気」という意味のはずです。
しかし、浜氏は(少なくとも今は)そもそも「インフルエンザによる死者は少ない」という立場のようです。「インフルエンザは危険ではない」と言いたいわけですから。その意味で、主流の理解とはまったく違います。
 
新型インフルエンザが出た場合、タミフルはまず医療従事者やレスキューへの予防的投与に使われるはずです。もしタミフルの備蓄量が少なければ、感染者ではなく、彼らに優先的に回されることになるでしょう。医療従事者が倒れたら、なすすべがないですから。

14. KY — February 28, 2008 @19:51:41

本スレッドの主題とは微妙にずれているのですが、貼っておきます。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200802270366.htmlLink

「やっぱり危ないタミフル耐性新型インフルエンザウイルス」

UpOwner Comment きくち  February 28, 2008 @20:17:19

新型のパンデミックがおきれば、遅かれ早かれ耐性ウィルスは出現します。タミフルがいつまでも有効だと考えられてはいないでしょう。要は耐性ウィルス出現まで持ちこたえて、なんとか第一波をやりすごし、翌シーズンにはワクチンを間に合わせる、ということだと思います。
だから、タミフルもワクチンも必要なわけで、その意味で、浜氏や毛利氏の主張はだめすぎます。
どうせ耐性ウィルスが出現するのだからタミフルは無駄、というような論調は完全に「二分法の罠」ですよね。それは「どうせ排泄するのだから、食べなくてもよい」という主張に限りなく似ている。

16. 富嶽百景 Website — February 29, 2008 @00:13:45

>要は耐性ウィルス出現まで持ちこたえて、なんとか第一波をやりすごし、翌シーズンにはワクチンを間に合わせる

まさにここが肝なのだと思います。
しかし悲しいかな、ワクチンが間に合うか否か、心許ないです。

現在のインフルエンザワクチンの有効率が麻しんや風しん等等、他の承認済みワクチンに比べて低いのは紛れもない事実。
しかし、タミフルが粘膜でのウイルス増殖をブロックするように、粘膜に直接作用させるワクチンの開発が進んでいます。
これが製品化され我が国でも承認されることが望まれるのですが、我が国の「ワクチンギャップ」を見ると、過去のポリオワクチン緊急輸入のような大英断が下されなければ、他国では使えるけど日本では使えない、なんてことも十分に考えられます。

国内ワクチンメーカーには、残念ながら製造能力は期待できません。
といっても海外ワクチンの承認・販売は、「ゼロリスク症候群」によるバッシングにおびえる行政の慎重すぎる対応により、信じられないくらい亀足です。

薬剤の副作用やワクチンの副反応による被害を生じて叩かれるくらいなら、その何倍、何十倍、いや何百倍ものリスクを生じさせることが明らかでも、治療に用いなかったり、予防接種せずに自然罹患させておく、というのが現在の対応ですから。
そして、このゼロリスク症候群をいたずらに煽っているのが、浜氏や毛利氏の極論だと思っています。

17. TAKA — February 29, 2008 @00:47:40

>耐性ウィルス
どうやら、タミフルの濫用を防ぐことが大事らしいですね。今私にできる感染予防策は、規則正しい生活を心がけて、うがいと手洗いを徹底する事だと、改めて思いました。
耐性出現のニュースも気になりますが、あわてず冷静に情報収集していこうと思います。

18. 津田敏秀 — March 1, 2008 @02:10:17

 贈られた本を全部読みもしないのに批判するなんて、しかも本論と違うところのみを捉えて、きくちさんも一線を越えましたね。
 浜先生の非科学を批判するなら、厚生労働省の研究班の非科学、あるいはそれに乗っかったこのブログのコメントをなぜ批判されないのか私は理解に苦しみます。

Owner Comment きくち  March 1, 2008 @09:15:18

こんにちは。
おっしゃるとおりで、全部は読んでいません。申し訳ありません。全部読んでから書けと言われれば、たぶんずっと先のことになるので、見切り発車で書いたことは事実です。
 
このエントリーではパンデミックの部分と「インフルエンザの位置づけ」についてのみ、議論しています。上にも書きましたが、この部分に関してはタミフルの副作用とは論理的に独立な問題なので(タミフルの副作用については議論していません)、速報的に議論してもかまわないと思っていますが、「全部読まずに書くな」と言われればそれは見識であることは認めます。
 
津田さんにひとつ伺いたいのは、「インフルエンザは風邪ではない」から「風邪の一種」に変更することの是非ですが。

UpOwner Comment きくち  March 1, 2008 @09:23:21

追記です
本文にも書いたように、物理学会でお話を伺った際、津田さんは僕の質問に答えて(質疑応答だったか、その後の個人的質問だったかは失念しましたが)、「タミフルはパンデミック対策のための備蓄に限るべき」とおっしゃったと記憶しています。
その点では僕の考えと特段の齟齬があるわけではないと理解していましたが、間違ってますか? パンデミック対策を否定することが社会的正義であるとは、僕には思えないのですが

21. TAKESAN Website — March 1, 2008 @02:57:02

今晩は。
 
>津田敏秀さん
えっと。
私は、こちらの本文を見て、全部読まなくとも批判出来る部分を批判なさっているとしか、思えなかったのですが。
 
著書の本論からはずれていようが、それが社会的・科学的に重要な論点であれば、採り上げて批判するのは当然なのでは? その部分(本論で無い所をきくちさんが批判しているという部分)を捉えて「一線を越える」、というのは、意味がよく解らないです。そう仰るなら、「本論と違うところのみを捉」えるのが「一線を越える」と表現するに値するような事であるのを論理的に指摘するのが、筋かと思います。
 
結局、こちらに書かれてあるきくちさんによる浜氏批判は妥当では無い、とお考えなのですか? そうであるなら、きくちさんが仰っている事を具体的に批判なされば良い、と感じるのですが。
 
部分を捉えて批判している、とか、あれを批判しているのにこれを批判していない、という所「だけ」を指摘するのでは、賛同は得られないでしょう。少なくとも私には、批判の仕方を批判しているようにしか、見えません。

22. kurita — March 1, 2008 @03:25:14

この津田敏秀さんの反応にはとても驚かされました。
「読んでもいない部分」について批判するのならともかく、読んだ部分について批判することにどんな問題があるのでしょうか。
川端裕人さんのところで西澤さんも同様の危惧を表明されていますが、私はきくちさんのいわれるように「タミフルさえ葬れるなら、パンデミックの危険を過小評価するのも厭わない」「目的のためなら手段は選ばない」としか見えない浜氏の姿勢は、「厚生労働省の研究班」がどうだとか「本論」がどうだとかということとはまったく独立に、きびしく批判されなければならないし、多くの人の注意を喚起する必要があると思います。 (しかも、そのタイトルからして実はこっちの方が「本論」なのでは、という見方もあるわけです)

私のようなシロートがこんなことを言うのもとても恐れ多いのですが、タミフルに関する津田さんの今までの発言にはなぜかよく違和感を感じていました。 (実は、本当にこれがあの本の著者の津田さんなのか、と思ってしまったことも...) もちろん私が何かを理解し損ねているのでしょうが、それが何かを考えていた矢先のこの発言なので、やはり違和感を感じるにはそれなりに何か理由があったのかと思ってしまいました。 単なる「批判の仕方批判」でないのならば、きくちさんの批判に対する津田さんのご見解を是非うかがってみたいです。 (偉そうなこと言ってすみません。 でも津田さんの主張をぜひ理解したい、というのは本当のことです)

23. KEN — March 1, 2008 @10:37:29

なんか津田敏秀氏の発言は党派的なニオイがしますね。
どの部分について議論しているかということが重要なのに。
ところで、念のためですが、本人なのでしょうね?

24. PseuDoctor — March 1, 2008 @11:37:05

こんにちは。

出先からのアクセスですので、取り急ぎ。
既に指摘されているように、津田敏秀さんの批判は極めて非論理的です(どれほど非論理的かという事は、もし御要望があれば改めて御説明致します)。

そしてもうひとつ指摘させて頂くならば、
*タミフルの副作用の有無
*タミフル濫用による耐性菌出現の危険性
*パンデミックの危険性
は、それぞれ別個の問題として論じられるべきです。例えば、確かに「パンデミックの危険性があるから濫用を控えて耐性菌の出現を抑えるべき」という議論は成り立ちますが、それを言う為には、あらかじめパンデミックの危険性と耐性菌出現の危険性を独立に論じておく必要があります。そして勿論、これらの問題と副作用の有無とは、また別個に論じる必要があります。
どうも津田さんの書きぶりを拝見していると、論点を分離させずにいる為に「敵の敵は味方」的な思考法に陥っているのではないか、という感じがしますが、私の杞憂である事を願っています。

Up25. かも ひろやす — March 1, 2008 @15:59:37

いつものなりすまし常習犯ではないですか?
きくちさん、お手数ですが、確認、お願いします。

26. 室井健亮 Website — March 1, 2008 @17:50:26

>いつものなりすまし常習犯ではないですか?

あっ、やっぱりバレタか…

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