中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国側で農薬検査を行った検査検疫科学研究院の秦貞奎(しんていけい)院長が29日来日し、都内で本紙などと会見した。
中国公安省が28日の会見で、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」の混入経路について、包装の外側から浸透したとの実験結果を示し、日本側鑑定と異なった点について、「(検査)方法は同じだが、(検出するための)試薬は日中で異なる。今後、双方の検査機関で(それぞれの試薬を使用して)比較実験を行う必要がある」と指摘した。また、公安省は会見で「中国国内で混入された可能性は極めて小さい」としたが、秦院長は「公安省の捜査はまだ続いている」として、明言を避けた。
秦院長は事件について「許されない犯罪だ」と述べ、中国の「食の安全」や管理体制にかかわる問題ではなく、“特殊な事件”との見方を改めて強調した。(国際部 比嘉清太)
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