総務省は29日、地上テレビ放送がデジタル放送に完全移行する2011年以降、NHKの衛星放送を、現在の3チャンネルから2チャンネルに削減する方針を固めた。削減で空く電波の帯域は民間放送事業者に開放する方向だ。今秋までに正式決定し、「放送普及基本計画」の改定に盛り込む。
同日開いた総務省の「NHKの衛星放送の保有チャンネル数のあり方に関する研究会」で、2チャンネルへの削減案が大勢を占めた。1チャンネルに削減する案もあったが、11年以降は、アナログ放送終了後に利用できる電波の帯域が増えるため、NHKが2チャンネルを保持しても民間事業者の参入を阻害する可能性は低いと判断した。
NHKの衛星放送は、「衛星第1テレビジョン(BS1)」「同第2テレビジョン(BS2)」「衛星ハイビジョン(BShi)」の三つ。NHKは、BShiを削減し、BS1・2をハイビジョン化して放送内容を改編する考えを総務省に示している。【野原大輔】
毎日新聞 2008年3月1日 2時30分