カード4社統合、ノンバンク再編加速2008年02月29日 クレジットカードや信販、消費者金融のノンバンクの再編が活発になってきた。三井住友フィナンシャルグループが傘下ノンバンクの統合に乗り出すなど、メガバンク主導で業界地図が塗り替わる展開が続く。貸金業の規制強化でノンバンクは収益力が低下。巨大化で生き残りの道を探るが、業界の寡占化が進めば「借り手」への影響もありそうだ。
■銀行系に集約 三井住友フィナンシャルグループは、個人向け業務の柱にしようと、ノンバンクを相次ぎ傘下におさめてきた。だが、「相乗効果に欠ける」(幹部)との指摘が内部からも出ていた。 さらに規制強化で収益環境が悪くなり、上場する傘下ノンバンクの株価は大幅に下落、グループ全体の業績も悪化した。今後は、システム共通化などコスト減による収益力アップを目指す。 三菱UFJフィナンシャル・グループは、系列のUFJニコスとディーシーカードを昨春合併させた。発足した三菱UFJニコスは今夏、完全子会社にする計画。信販大手ジャックスへの出資比率も3月に20%まで高める。 みずほフィナンシャルグループも、信販大手オリエントコーポレーションに金融支援し、グループに取り込んだ。西武百貨店を中核とするセゾングループだったカード大手のクレディセゾンとも提携。昨年12月には、みずほグループによる出資比率を約12%に上げた。 今後の注目は、カード会員数で最大手のジェーシービーだ。同社は三菱UFJと親密だが、独自路線を堅持している。 ■消費者金融でも ノンバンクなど貸金業は、過払い利息返還金の急増に加え、「灰色金利」の撤廃、個人への融資総額を年収の3分の1以下とする「総量規制」の導入が決まり、「三重苦」の状態だ。特に直撃を受けているのが、消費者金融業界だ。 昨年9月、三井住友が約20%出資するプロミスと三洋信販を経営統合。業界再編の機運が一気に高まった。 当面の再編の焦点は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の子会社で、「レイク」を運営するGEコンシューマー・ファイナンス(GECF)と、米大手銀行シティグループが「ディック」ブランドで事業展開するCFJだ。 GECFは昨秋、売却に向けた1次入札が実施され、三菱UFJ系のアコムや三井住友系のプロミスなどが買収に名乗りをあげた。CFJも、シティがサブプライム住宅ローン問題の影響で巨額の損失を被り、売却を含めたリストラの対象になっている。消費者金融でも、銀行主導の再編が進む可能性がある。 相次ぐノンバンク業界の再編は、利用者にも影響を与えかねない。 ノンバンク1社が1人の利用者に貸すお金には限度があるため、これまで利用者は複数社から借りるケースも多かった。合併や経営統合が繰り返され、貸手の数が減っていけば、利用者がお金を借りる先も減る。消費者金融大手の関係者は「すべての利用者の資金ニーズに応えられるかは微妙になる」と指摘する。 また、メガ傘下の消費者金融は「貸し出しに一定の規律が働くようになった」(証券アナリスト)とされ、「貸し倒れのリスクが低い優良な顧客を各社が奪い合う構図になった」(大手関係者)という。 従来より厳しくなった基準の選別からこぼれ落ち、融資が受けられなくなった人は「高金利のヤミ金融に走らざるをえない」(同)との指摘もある。 PR情報ビジネス
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