昨年、取材で訪れた雪の大山。そこで親しくなった岡山スキー関係者の喜ぶ顔が目に浮かぶようでした。
今月二十日、長野県で行われた国体スキーのクロスカントリー。クラシカル五キロの成年女子Aで、岡山の友金園実選手が八位に食い込みました。競技人口が多く、環境に恵まれた雪国選手が伝統的に強い種目。それだけに価値ある入賞でした。
「うそだろうって感じ。百二十パーセントの力を出してくれた」と国体監督を務めた藤木弘美さん。友金選手と二人三脚で頑張ってきただけに本当にうれしそうでした。
今回の活躍は「チーム藤木」の存在抜きには語れません。かつてクロスカントリーで世界を目指した藤木さんが小学生から社会人までを指導。岡山のスキーシーズンは短いため、起伏に富んだ林間コースを走り込んだり、ローラースキーで滑走練習に励みました。
競技者は少なくても、岡山は堂々の二年連続入賞です。昨年、アルペン大回転成年男子Aで三位に入り、岡山アルペン勢として三十一年ぶりに表彰台に立った道上広基選手は言います。「雪国じゃなくても、やればできる。後に続くジュニアが刺激を受けてくれたら」
入賞こそ逃しましたが今年、クロスカントリー成年男子四〇キロリレーは八位とわずか〇・五秒差の九位。惜しくも九位だったアルペン選手もいました。
簡単じゃないけど、来年も夢じゃない全国入賞。晴れの国スキーヤーが雪国選手を凌駕(りょうが)する―。ちょっと格好いいと思います。
(運動部・飯田陽久)