沖縄の女子中学生暴行事件で、那覇地検は29日、強姦容疑で沖縄県警に逮捕され、取り調べを受けていた米海兵隊のタイロン・ハドナット二等軍曹(38)を不起訴処分とし、釈放した。被害者の中学生が告訴を取り下げたためという。
軍曹の身柄は同日夜、米軍側へ引き渡された。在沖縄米海兵隊の広報担当者は「基地内で軍曹の身柄を拘束し、米軍としても調べている」と述べた。
強姦罪は被害者の告訴がなければ起訴できない「親告罪」と刑法に規定されている。記者会見した那覇地検の山舗弥一郎検事正は「被害を受けた中学生が『もう、そっとしてほしい』と思っている。親告罪以外の罪を適用して起訴することも、被害者の感情を考えれば適当ではないと判断した」と述べた。
事件をめぐっては、県内の全41市町村議会が抗議の決議をし、米軍が沖縄や岩国基地(山口県)の軍人、軍属を無期限外出禁止にするなど反響が広がった。〔共同〕(00:38)