「がん誤診で乳房摘出」認定/病院に470万円支払い命令
【沖縄】誤った診断で乳がんにかかっていない乳房を摘出され、外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、沖縄市内に住む女性(51)が医療法人中部徳洲会に約二千五百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十八日、那覇地裁沖縄支部であった。
河合芳光裁判長は「担当外科医は乳がんの確定的な診断をすべき注意義務に違反した」として、医療法人側に約四百七十七万円の支払いを命じた。外科医の過失とPTSDとの因果関係は認めなかった。
女性は二〇〇三年四月に体調を崩し、中部徳洲会病院で検査した結果、右乳房に腫瘍が見つかり、乳がんの疑いがあると診断された。乳房の摘出手術を受けたが、その後の検査で良性と判明した。
判決は「問診、視・触診、超音波検査や細胞採取の結果を総合しても腫瘍の良性、悪性を確定できる状況になかったのに、乳房を摘出した」と指摘。担当医師は手術に当たってより詳しい検査をすべき義務があったとした。
女性は「控訴するかどうか弁護士と相談したい」と話した。中部徳洲会病院の伊波潔院長は「判決内容をきっちり検討し、今後対応していきたい」とコメントした。