第80回記念選抜高等学校野球大会

和歌山

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春の主役たち:智弁ナインの素顔/1 /和歌山

 2年ぶり8回目のセンバツ出場を決めた智弁和歌山。「甲子園で勝つ」を合言葉に、選手たち20人は、日々グラウンドを駆け回り、猛練習に励む。彼らの夢舞台にかける思いに迫る。

 ◇だんじり大好き--浦田勇輝三塁手(2年)

 「おっしゃー、さあ来い」。威勢のよい掛け声はチーム一よく通る。「ぱっと思いついたことを言っているだけです」。練習中も「いいねえ」を連発。仲間をもり立てる。

 小学2年の時に野球を始めて以来、一貫して内野手。守備の確実性を買われ、1年夏からベンチに入った。先輩からもかわいがられ、よく植芝信也さん(3年)のノックを30分間受け続ける個別練習をし、フットワークと捕球のリズムを体に植え付けた。

 大阪府岸和田市の実家から約1時間かけての通学も「慣れました」。つらいのは「大好きなだんじりを引けないこと」。スピードを落とさずに直角に曲がる「やりまわし」が決まった時の一体感と、観客から受ける歓声は「最高に気持ちがいい」と言う。センバツでは「守備で勝利に貢献して、みんなと大観衆からの歓声を浴びたい」と目を輝かせた。

 ◇ホームラン狙う--喜多健志郎外野手(1年)

 170センチと小柄だが、ベンチプレスで123キロを持ち上げ、高嶋仁監督からも「彼はウエートリフティング部ですから」とちゃかされるほどの怪力。本人は「人と違うことをやらないと、人の上にはいけません」と、黙々と筋力アップに励む。

 筋肉をつけるのは「飛距離を出すのと、けがの防止のため」。中学時代、大きな大会の前に腰を故障するなど、悔しい思いを経験した。「全身を鍛えるようになって、けがをしなくなりました」

 センバツ出場が決まり、今の目標は「レギュラーで試合に出ること」。課題は守備。高校に入ってから始めた外野手に徐々に慣れてはきたが「打球の行方を見極めて、判断するのが難しい」。

 甲子園では「ヒットが2本くらい打てたら……」と言いかけたが、「やっぱりホームランが打ちたいです」と少しはにかんで、きっぱりと言った。

毎日新聞 2008年2月13日

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