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栗原 潔
栗原 潔
株式会社テックバイザージェイピー(TVJP) 代表取締役 弁理士
IT、知財、翻訳サービスを中心とした新しいタイプのリサーチ会社を目指しています。

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2008/02/24

試しにニコニコ動画に作品をアップしてみた件について

試しに週末に作った作品をニコ動に上げてみました。そんなにアクセス数が伸びているわけではないですが、まさか50歳のオッサンが作ってるとは思わないでみんな聴いてるんだろうなーと思うとなんか楽しいです。自分でやってみて初めてわかることもいろいろとあります。

1.ニコ動は視聴者の間のエクスペリエンス共有だけではなく、クリエイターと視聴者の間のエクスペリエンス共有の場でもある
 ニコ動は不特定多数の人と「空間だけではなく時間軸も越えて」エクスペリエンス共有できるという点で希有のメディアだと思います。よく知らない人に説明するときには「バーチャル・スポーツバー」だと説明することもあります。スポーツバーと違うのは、エクスペリエンスを共有するのは他の視聴者だけではなく、クリエイター自身も含まれてるということです。気合いを入れて作った部分に対して 「 (・∀・)イイ!」というようなコメントが良いタイミングで入るとクリエイター冥利に尽きるというものです。ある意味、ライブ演奏のようなエクスペリエンスとも言えるでしょう。

2.ロングテール掘り起こし機能は重要である
 ニコ動の検索結果のデフォルトの並び順は「コメントが新しい順」です。したがって、どんなに人気がない動画であってもひとつコメントが付くと先頭に来ます(2ちゃんねるのスレと同じ考え方)。これに対して、YouTubeはアクセス数順、投稿日順等々しかソート方法がないので、最初にアクセス数をある程度確保できないとあっと言う間に埋もれてしまいます。こういった点ではニコ動の方式の方が優れていると思います。

 ところで、この方式を悪用して自作自演でコメントを入れまくって自分の動画をage続けてしまう方法が考えられますが、ニコ動のコメントは完全な匿名ではなくデータストリーム中にはIDが入ってますので、同じ人が何回もコメント入れていると怪しまれてしまいます(以前は、ユーザー名が直接見れたので自作自演バレバレだったようですが、その後、仕組みが変更されたようです)

3.コンテンツというものはコピーされてしまうものである、そして、それは常に悪いこととは限らない
 2.に書いたような仕組みがあっても、ニコ動では1日あたり約5000件の動画がアップされるようなのでよほどの作品でないと埋もれてしまいます。私の作品ももう限界かと思っていたら、ちょっと復活しました。ニコ動はリモホやリファラーが見れないので確かな理由はわかりませんが、グーグルでの検索結果から、私の作品のアクセス数が回復し始めた時点で中国のサイトに登録されたことがわかっています。律儀にもニコ動の元リンクが貼ってあります。Excite翻訳で見ると「80年代ぽい歌曲、おすすめ」なんて中国語で書いてあります(中国の人にもこれは若者の作品ではないということがわかるのね orz)。因果関係は不明ですが、もし、中国サイトに載ったことでアクセスが増えたのならこれはすばらしいことだと思います。

たとえば、将来的には、コンテンツにクリエイターの電子すかしみたいなものを仕込んでおいて、コピーは自由にさせておいて、再生のたびにクリエイターに報酬が回るようなスキームも充分に考えられるでしょう(ただし、電子すかしの改ざんや自作自演でアクセス数増やしへの対応は考える必要がありますが。)

ニコ動というまだメディアとしてはロングテール側の世界の、さらにそのまたロングテールの世界の話ではあるのですが、この新たなカルチャーのための新たなシステムは絶対に新しい価値を生み出していくと思います。違法行為があるからという理由でこのようなシステムをつぶすということは絶対にあってはならないと思います(違法行為をして良いというのではありません、この区別は重要です)。

栗原 潔

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コメント

2008/02/25 00:02

なるほど、ライブの様子がいつでも任意にライブとして再生され、更に実演者自身がそのライブを客席から他の客と同じ目線で見られる訳ですね。
「選択同期」による「後の祭りのいつでも祭り化」というのは、演者自身(up主本人)の参加も許容する。当たり前ではありますが、実際にステージに上がらないと分からない実感ですね。

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