静岡県三島市で2002年、女子短大生(当時19歳)が焼き殺された事件で、殺人罪などに問われた元建設作業員、服部純也被告(36)の上告審判決が29日、最高裁第2小法廷であった。
古田佑紀裁判長は「意識のある人間に火をつけて殺すという残虐な殺害方法などからすれば死刑はやむを得ない」と述べ、服部被告の上告を棄却した。服部被告を死刑とした2審・東京高裁判決が確定する。
判決によると、服部被告は02年1月、帰宅途中の女子短大生を車内に押し込み暴行。さらに、粘着テープで女子短大生の両手首を縛り、灯油をかけて、ライターで火をつけて殺害した。
弁護側は「過去の死刑基準に比べて不当に重い」と死刑回避を求めたが、判決は、服部被告が強盗傷害罪などで服役し、仮釈放からわずか約9か月後に今回の犯行に及んだ点を挙げ、「犯罪傾向は凶悪化しており、改善更生の可能性に乏しいことは明らか」と、退けた。
1審・静岡地裁沼津支部は、犯行に計画性がないことや劣悪な生活環境で育ったことなどを理由に無期懲役としたが、2審は、殺害の残虐性などを重視して死刑を言い渡していた。
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